何気ない行動が愛犬のストレスに!?犬の寿命を縮めるNG習慣5選【獣医師監修】

何気ない行動が愛犬のストレスに!?犬の寿命を縮めるNG習慣5選【獣医師監修】

愛犬と長く健康に暮らすためには、犬の生態を理解し、ストレスになるべく感じさせないような暮らしを整えてあげることが大切です。今回は、犬の寿命を縮める原因になる飼い主のNG習慣について、動物行動コンサルティングはっぴぃているず所属の獣医師、フリッツ吉川綾先生に解説いただきます。普段の何気ない行動が犬にとってストレスになっていないか、今一度確認してみましょう。

犬のストレスと寿命の関係とは?

犬の寿命を縮めるNG習慣犬の平均寿命は、13~15歳ほど。犬も年をとると被毛のツヤがなくなる、白毛が増える、動きが鈍くなる、病気になりやすくなる、不安を感じやすくなる、認知機能が低下するなど、体や心に変化が見られます。このような「老化」を引き起こすのは、酸化ストレスの影響が大きいと言われています。酸化ストレスとは“活性酸素による細胞の傷害”のことです。

 

そもそも、ストレスとは外部からの刺激によって生じる身体の変化のことを言います。長時間ストレスを受けている状態が続く、また強いストレス反応が生じれば、それによって生まれた歪みを整えるために自律神経やホルモンが多く働きます。これによって、免疫力や抵抗力が低下するため、病気や不調も引き起こしやすくなるわけです。こうした場合、体内で多くの活性酸素が生じるので老化が早まり、結果として寿命を縮めると考えられます。

 

この記事を読まれている飼い主の皆さんは、日頃から十分に愛犬へのケアをされていることでしょう。愛犬を家族の一員として愛情深く接していれば、寿命が縮むほどのストレスを犬が受けているとはあまり考えられません。しかし、日々の習慣になってしまっていると見落としてしまう、意外な落とし穴もあります。次章からは、愛情深い飼い主でもついやってしまっているかもしれないNG習慣をご紹介します。

NG習慣1. 犬が舐めると水が出てくる給水機しか使わない

犬の寿命を縮めるNG習慣特に若く元気な犬は、が入ったお皿を踏んだり、遊んでいるうちにこぼしてしまったりしますよね。愛犬が濡れてしまわないようにと、ケージなどに取り付けて犬が先端を舐めたら水が出てくる給水機を使う場合もあるかと思います。

 

しかし、このタイプの給水機は、犬の飲水時の舌の動きを考えると飲みやすいとは言えません。水が飲みにくいと脱水に陥ったり、飲みにくさをストレスに感じたりすることも考えられます。留守番や移動中には便利ですが、飼い主が近くにいるときにはお皿にたっぷり清潔な水を入れてあげましょう。

NG習慣2. ケージやクレート内に毛布を入れっぱなしにする

ケージやクレートなど、愛犬のお気に入りの場所が快適であるように、毛布やタオルなどを敷いてあげている飼い主も多いでしょう。一度、ケージやクレートに入っているものを全部出して見てください。毛布が隅っこでくしゃくしゃになっていたり、愛犬の毛がたくさんついて不衛生な状態になっていたりはしませんか?

 

清潔でない空間は、犬にとっても不快なだけでなく、皮膚疾患やアレルギー症状の悪化も引き起こしかねません。1週間に一度はケージやクレートの中を奥まで覗いて、きれいに片付けてあげてください。毛布が汚れていたら、洗濯をして清潔なものと取り替えましょう。

NG習慣3. 口腔内のケアを忘れがち

犬の寿命を縮めるNG習慣日頃から愛犬の健康管理に気をつけている飼い主でも、口の中のチェックは意外と忘れがち。ふと愛犬の口が臭うと感じて見てみると、歯石がいっぱいついていた!なんてこともあるかもしれません。口腔内のケアを疎かにしてしまうと、歯周病や鼻炎のほか、心臓病、腎臓病などにもつながります。

 

犬の口の中では、歯垢が2~3日ほどで歯石となります。歯石がなるべくつかないように、子犬のうちからデンタルケアや歯みがきの習慣をつけておくことが望ましいです。それでも歯石がついてしまうこともありますので、定期的に動物病院でチェックしてもらいましょう。

NG習慣4. 「だめ」とだけ言ってしまう

当然ですが、犬は私たち人間とは異なる動物です。お互いが快適に暮らすためには、わかりやすいルールを教えておく必要があります。つい「だめ」と禁止の言葉だけを伝え、叱ったり怒ったりしてばかりになってはいませんか?

 

叱られてばかりいると、犬はして良いことと悪いことの判断がつかず、心理的葛藤や恐怖、不安を感じます。まずは、一緒に生活する上でのルールをしっかりと教え、しつけをしておきましょう。飼い主の望まないことをした場合には、「○○しなさい」と正しい行動に誘導し、それができたらちゃんと褒めてあげてくださいね。

NG習慣5. 毎日散歩に連れて行かない

犬の寿命を縮めるNG習慣愛犬が知らない人や犬を怖がって外に出たがらない、家でのんびりするのが好きそう、家の中で十分に遊べているなどの理由で、「散歩に連れて行く必要がない」「散歩に行くより家で過ごさせてあげた方がいい」と考えている飼い主もいるかもしれませんね。

 

しかし、愛犬の体調、年齢、性格に合わせて、距離やスピード、時間やコース調整すれば、散歩はほとんどの犬にとって、頭にも体にも適度な刺激を与えられる絶好の健康維持方法となります。散歩は、運動だけが目的ではありません。愛犬が通る前にその道を通った他の動物や犬がたくさんの匂いを残していくため、時間を隔ててのコミュニケーションをおこなう機会になっているのです。怖がりな犬は、人や犬、車通りの少ない、朝や夜の時間帯に散歩に出かけてみてください。

 

また、散歩以外の場面でも、なんでも愛犬の望み通りにするのは望ましくありません。犬にとって自由とは、危険から自分で身を守ること、その緊張感を背負うことを意味します。常に不安や緊張を感じ、負担となるでしょう。

 

家の中でも外でも、飼い主は状況を正しく分析し、愛犬の安全を守るための行動を考え、指示してあげることが必要です。その上で、犬が自ら考えて行動する機会も与えましょう。その場に適した行動ができたらしっかりと褒め、できなければ適切な行動に誘導することで、犬の体にも頭にも適度な刺激が与えられるはずです。

愛犬を健康に長生きさせるために

人に個人差があるのと同じように、犬の中にも病気をしがちな犬やストレスを感じやすい犬もいます。愛犬の体質や性質は、簡単に変えることができません。それでも愛犬の個性を受け入れ、愛情深く幸せに導いてあげる姿勢が飼い主には求められます。そしてそれを飼い主が負担に感じるのではなく、飼い主自身も幸せに感じられる関係を築くことが大切です。


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント

この記事を読む飼い主の中には、犬のストレスになるようなことをしようとする方はいないでしょう。しかし、良かれと思ってしていたことが、思わぬストレスに繋がっていたり、犬の健康に悪影響を及ぼしていたりする可能性もあります。何が犬にとって過度なストレスになっているかを考えるときには、人の目線ではなく、「犬」としての習性も考慮してくださいね。

監修/フリッツ吉川綾先生(獣医師、獣医学博士、日本獣医動物行動診療科認定医)

動物行動コンサルティングはっぴぃているず代表。東京都文京区なないろ動物病院(一般診療、行動診療)などに勤務。動物の心身の健康と、飼い主様のより幸せで充実したペットライフをサポートしている。そのほか、獣医動物行動学に関する研究、専門書の執筆、翻訳も。

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わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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