ミニチュア・ダックスフンドの平均寿命は何歳?長生きさせる秘訣やかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

ミニチュア・ダックスフンドの平均寿命は何歳?長生きさせる秘訣やかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

愛犬にはできるだけ長生きしてもらって、できるだけ長く一緒にいたいと思っている人は多いと思います。今回はバーニー動物病院千林分院の分院長、堂山有里先生に教えていただいた、かわいらしさや小ささが特徴のミニチュア・ダックスフンドの寿命や長生きさせる秘訣について解説していきます。

ミニチュア・ダックスフンドの特徴は?

ミニチュア・ダックスフンドの体高はオス2327cm、メス2124cm、体重は5kg以下とされています。性格は、陽気で活発・人懐こい・頑固で自立心があるといった特徴があります。元々狩猟犬として活躍していた犬なので、優れた嗅覚を持ち警戒心の強い一面もある反面、興奮して吠えやすいという傾向もあるようです。

ミニチュア・ダックスフンドの平均寿命は何歳?

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ミニチュア・ダックスフンドの平均寿命は1316歳。他の犬種と比べても比較的長生きの傾向があり18歳くらいの元気なシニア犬も多くいます。ちなみに、バーニー動物病院千林分院で最も長寿な子は20歳です。

 

アニコム損保株式会社の調査でも、ミニチュア・ダックスフンドの平均寿命は14.7歳とイタリアン・グレーハウンドについで2位の長寿となっています。

ミニチュア・ダックスフンドの年齢による心と体の変化は?

では、ミニチュア・ダックスフンドの心と体の変化を年代別に見ていきましょう。

 

子犬期の特徴(〜1歳頃まで)

生まれてからの1年間で赤ちゃんから成犬に一気に成長するため、最も成長が速い時期です。生後半年を過ぎると体はほぼ成犬のサイズになりますが、まだまだやんちゃで甘えん坊なのがこの時期。なんでも口にしてしまうことがあるので誤食の事故が多い時期でもあります。

 

青年期の特徴(~6歳頃まで)

一般的に生後23年で社会的に成熟し、3歳ごろになると落ち着きが出てきます。四六時中いたずらをすることはなくなり、じっとしている時間が長くなるでしょう。活発な頃を思い出し少し寂しさを感じることも。ただし、この時期はひとたび遊びのスイッチが入れば若い頃のように激しく遊んだり走り回ったりもします。

 

壮年期の特徴(~10歳頃まで)

少しずつ老化の兆しが出てくる時期です。白い毛が混じったり、毛艶が悪くなったりし始めます。代謝も落ちてくるので太りやすくなります。健康診断で内臓に異常が見つかったりすることもあるので、定期的に健康診断を受けると良いでしょう。

 

シニア期の特徴(11歳以降)

まだまだ元気な子がいる一方で、食が細くなったり、下痢便秘などの胃腸の不調が出たりする子もいます。以前は喜んでしていた遊びに興味を示さなくなるなど、飼い主は少し寂しさを感じることもあるかもしれません。散歩を嫌がる様になる、階段の登り下りを敬遠するなどの場合はただの老化ではなく関節疾患心臓病などに罹患している場合もあります。

ミニチュア・ダックスフンドを長生きさせる秘訣は?

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ミニチュア・ダックスフンドを長生きさせるには以下のようなポイントを心がけてください。

 

定期的な健康診断

青年期までは1年に1回、壮年期以降は半年に1回は動物病院で健康診断を受けましょう。

 

ストレスケアを行う

ドッグスポーツの一環であるノーズワークを取り入れてみましょう。ノーズワークは飼い主がおやつを隠して犬が鼻を頼りに探し当てる遊びです。

 

シニアになって、目や耳が聞こえにくくなり活動性が落ちた子でも、嗅覚はいつまでも衰えにくい傾向にあります。その嗅覚を利用したノーズワークはシニア犬の脳を刺激し達成感や探究心が満たされる遊びとしておすすめです。

 

また、ブラッシングマッサージなどを通して血行改善や筋肉の柔軟性を高めるのも、脊椎疾患の多いミニチュア・ダックスフンドには効果があります。

 

ブラッシング

ミニチュア・ダックスフンドはどの被毛のタイプでも、アンダーコートとオーバーコートのダブルコートなので、こまめなお手入れが必要です。スムースへアードは週に1回程度のブラッシングと定期的なシャンプーOK。カットは必要ありません。

 

ロングへアードは、伸びやすく飾り毛が絡まりやすいので、毎日ブラッシングして毛玉になるのを防ぐ必要があります。基本的にはトリミングの必要はありませんが、夏場は涼をとるためにサマーカットがおすすめです。

 

ワイヤーは他の毛質と同様にブラッシングやシャンプーが必要です。加えてトリミングサロンで余分な毛を抜くプラッキングをしてもらったほうが良いでしょう。

 

運動(散歩)

ミニチュア・ダックスフンドは、本来狩猟犬であったため運動量が必要です。そのため毎日の散歩は欠かせません。運動が不足すると、肥満になったりストレスが溜まりやすくなったり、エネルギーの発散不足から吠えやすくなったりするなど日常生活に支障が出てしまいます。

 

ただし、ミニチュア・ダックスフンドは胴長短足の体型から腰を痛めやすい犬種です。そのため大きくジャンプしたり体を捻ったりするような運動や、長い階段を上り下りするようなお散歩コースは避けてください。平な地面を歩いたり軽く走ったりする程度なら問題ありません。近年流行のバランスボールなどを取り入れた運動もおすすめですよ。

 

適切な体重管理

動物病院に行った時だけではなく、家でも体重を家でも測るようにしましょう。少なくとも、週1回は体重を測定し適正な体重を維持するのが理想です。そのためには、理想の体型を知っておく必要があります。ミニチュア・ダックスフンドの理想体型とは胸を両手で挟んだ時に軽く肋骨に触れることができウエストに自然なくびれがある状態です。

 

家で体重を測る場合には、飼い主がミニチュア・ダックスフンドを抱っこして体重計に乗り、その後自分の体重を差し引きして愛犬の体重を知ることができます。

 

ケガの予防

フローリングなどのツルツルした床は滑りやすいためカーペットなどを敷きましょう。ソファーから飛び降りたり、飛び乗ったりすることのないように階段をつける、スロープを設置して家の中の段差を無くすなど工夫してみてください。

 

口内環境のケア

ミニチュア・ダックスフンドは比較的歯石がつきやすい犬種です。そのため、若い頃から歯磨きを習慣にすることが大切。歯磨きが出来ない犬でも、歯石予防のデンタルグッズや動物病院で実施されている歯磨き教室などがあるので利用してみましょう。

 

適切な獣医師を見つける

病気ではない状態の時から日頃のちょっとしたことの相談にも快く乗ってくれる病院を探しておきましょう。

 

いい病院が見つかったら、元気な時の愛犬の様子を知っておいてもらいます。そうすると体調が悪くなった時にも、いつもとどこが違うのかを見つけてもらいやすいです。また、普段から大好きなおやつを病院のスタッフから食べさせてもらったりして犬が病院を好きになるようにしておくと良いでしょう。いざ病気をした時にも犬が安心して治療を受けることができるようになります。

ミニチュア・ダックスフンドの食事に関して気をつけるポイントは?

ミニチュア・ダックスフンドの食事を与える際に気をつけるべきポイントは以下の通りです。

 

年齢によって食べさせる食事内容の違い

【子犬期】

この時期は体を大きく成長させ骨格を作り筋肉を発達させる必要があります。タンパク質、炭水化物、ミネラル類などをバランスよくかつ十分量摂取することが大切です。

 

また、子犬期は腸内環境が不安定で下痢しやすい時期でもあります。消化の良い食物とプロバイオティクスや食物繊維を含み、腸内細菌叢が安定しやすい食物やドッグフードが好ましいでしょう。

 

【青年期〜壮年期】

成長期が終わりこれまで通りの食事量を食べていると肥満になりやすい時期です。エネルギーの取りすぎに注意しましょう。太りすぎると足の関節炎や椎間板ヘルニアを発症しやすくなります。

 

【シニア期】

胃腸機能が徐々に衰えてくるので、消化しやすい食べ物を与えましょう。食欲がない場合は、小さく刻んだりすり潰したりすると食がすすむこともあります。食べ物に対する欲求が減ってくるので、より嗜好性の高い食べ物を要求することも。

 

腎機能が衰え腎不全となる様な場合を除き、タンパク質はしっかり与えてください。万が一腎不全と診断された場合には、タンパク質制限やリンの摂取量の調整が必要となりますので、病院の指示に従いましょう。

 

肥満時の食事

肥満となる理由の多くは食べ過ぎです。まずは1日にどのくらいの量を食べているかを把握しましょう。ドックフードの他におやつや副食を与えている場合は、その分ドックフードを減らします。

 

家族がそれぞれにおやつを与えていて、知らない間にかなりの量を与えてしまっていることもよくあります。1日に食べていいおやつの量を決めて1箇所に置き、各自がそこからとっておやつを与える様にするのがおすすめの方法です。誰がどれくらい与えたのか情報共有できるよう、メモやホワイトボードを活用しましょう。

 

ドックフードを袋の表示以上に与えないことも大切です。表示通りに与えているのに太ってくる場合には、1~2割程度減らし1週間ごとに体重を測ってみましょう。2週間して体重が減らなければさらに1割程度減らします。

 

フードを減らすことで物足りない様であれば、刻んだキャベツや白菜などでかさ増しすると満足感を得ることができます。鶏から取ったスープなどをかけてあげても良いでしょう。ダイエット中の場合は浮かんだ脂は取り除いてあげましょう。

ミニチュア・ダックスフンドがかかりやすい病気とは?

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ミニチュア・ダックスフンドにはいくつかかかりやすい病気があります。どういった病気があるのか見ていきましょう。

 

椎間板ヘルニア

背骨のつなぎ目にある椎間板が変性して、神経を圧迫し痛みや麻痺が出る病気です。腰を痛めないよう、遊ぶ場所での段差を極力無くしておきましょう。

 

外耳炎

耳の入り口から鼓膜までの外耳道に炎症が起こりかゆみや痛みが出る病気です。原因となるのは細菌や真菌感染、アレルギーなど。耳をかゆがったり匂いがきつくなったりする症状が出ます。

 

進行性網膜萎縮(PRA

眼球の奥にある網膜が進行的に傷付けられ、視力が低下し最終的には失明する病気です。多くの場合遺伝が原因となります。

 

白内障

瞳の中にある水晶体が変性し、白く濁ってくるため視力が低下する病気です。高齢になって発症するのが一般的ですが、若くして遺伝性に発症することもあります。

 

パターン脱毛症

左右対称性に脱毛が進行する原因不明の病気です。

 

クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)

副腎でのコルチコステロイドホルモンが過剰生産されることで引き起こされる病気です。肥満、皮膚が薄くなる、多飲多尿や糖尿病を発症するなどの様々な影響が現れます。

 

洞不全症候群

心臓の洞房結節という場所の働きが悪くなり不整脈となる病気です。心不全や虚脱、湿疹などの症状を示すことがあります。

 

アレルギー性皮膚炎

アレルギーを起こす原因物質により皮膚に炎症が起き、かゆみや赤み、脱毛が発生する病気です。原因となるアレルギー物質は、食べ物やハウスダスト、ノミ、花粉などがあります。

ミニチュア・ダックスフンドの老化のサインは?

ミニチュア・ダックスフンドが老化してきた時には、以下のような特徴が現れます。

 

息切れ、疲れやすい

心肺機能の低下から少し動いただけで犬にとって大きな負担となることがあります。息切れや疲れやすいなどの症状が見られたら重篤な病気が隠れている可能性も。早めに動物病院で心臓や肺の検査を受けた方が良いでしょう。

 

睡眠時間の変化

高齢になると昼間寝て夜起きるという昼夜逆転が起こりがちです。夜間の夜鳴きや遠吠えなどに悩まされることも多いでしょう。対策としては、毎朝なるべく同じ時間に起こし朝日に当ててあげると良いでしょう。朝日を浴びることで日周リズムが整いやすく夜の寝つきも良くなります。

 

食事量の変化

食が細くなり選り好みが見られることが多くなります。朝起きてからお腹が空くまでに時間がかかるため、軽く散歩してから食事を与えたり、朝食の時間を少し遅くするだけでよく食べるようになることがあります。また、一回に食べられる量も少なくなるので少量ずつわけて与えるなど工夫してみましょう。

 

口や耳が臭い

歯周病が進行して口臭が強くなります。免疫力が低下することによって、外耳炎や皮膚炎は悪化します。これが見られたら早めに動物病院に受診し適切な治療を受けてください。

 

毛艶が悪い

東洋医学では「毛は血の余りから作られる」と考えられています。そのため、血液中の栄養成分が減少すると毛艶が悪くなり、毛質も細くなったりボソボソになることも。毛艶の悪さは胃腸機能の衰えや栄養状態の悪化を意味していることがあるので、気になったら動物病院を受診しましょう。特に病気がない場合は消化の良い食べ物を与え適度に運動しストレスのない生活を心がけてください。

 

これらのサインの他にも、耳が遠くなる、目が見えにくくなったり白内障などの目の病気になる、皮膚に弾力がなくなりイボが増えてきた、足が滑りやすくなり踏ん張って立っていられなくなる、トイレの失敗が増える、徘徊する、喜んでいた遊びをしなくなる、などの症状も老化のサインです。

ミニチュア・ダックスフンドがシニア犬になったときのケアは?

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日々の愛犬の様子をよく観察し変化に気づいて早めに対処することが何よりも大切です。また、健康なうちから老化予防対策を取ることで、老化のスピードを遅くすることができます。

 

では、老化の予防には具体的にどんなケアが効果的なのか見ていきましょう。

 

スキンシップをとる

ブラッシングなどを通して全身の変化を観察しましょう。眼、口、耳の色や分泌物の匂いに変化がないか、皮膚や被毛の状態や感触をよく観察します。全身を優しくブラッシングしたりマッサージしたりすることで愛犬とのスキンシップにもなり、血行促進やストレス解消にも効果的です。

 

歯磨きの習慣

歯の健康はいつまでも美味しく食事を取る上で非常に重要です。若い頃から歯磨きの習慣をつけ歯周病予防をしましょう。

 

好きだったことを続ける

高齢になっても今まで愛犬が好きだった習慣は続けることは大切です。歩くことができなくても大好きだった散歩コースをカートで散歩したり、抱っこでお出かけしたりしてあげてください。硬いものが食べられなくなっても、すり潰したり細かく刻んだりして食べられるように工夫してあげましょう。

 

嗅覚を使った遊びをする

高齢になると視力や聴覚の機能は落ちてきますが、嗅覚は最後まで低下しにくいです。そのためシニアでも鼻を使った遊びができます。お気に入りのおやつを小さな箱に隠し探し当てたり、布の中に隠して何箇所かに置いたりして遊んでみてください。特にミニチュア・ダックスフンドは穴を掘って獲物を捕まえていた習性からこの遊びが好きです。嗅覚を使うことで脳の活性化になり認知症予防にもなりますよ。

 

滑りにくい床に変える

滑りにくい床に変えるだけで、しっかり立てるようになることもあります。犬の年齢に沿った床にしましょう。

 

睡眠環境を整える

長時間寝ていると関節が痛くなることもあるため、体重が分散できるようなマットレスを敷きましょう。夜間に光が入ったり物音が聞こえたりすることで目が覚めやすくなるので、愛犬がぐっすり寝られるよう環境を整えるのも大切です。

 

食事を工夫する

柔らかくしたり小さくしたりして、消化しやすいように工夫します。シニアになると食事の姿勢を保つことが難しくなることがあり、そのせいで食べるのをやめてしまうことも。

きちんと食事をとれるよう、体を支えてあげたり、無理のない姿勢で食べられるような高さに食器を置くなどしてあげましょう。

専門家のコメント

かわいらしいミニチュア・ダックスフンド。パートナーとして最後まできちんと看取りたいものですね。年齢別の対応を知って、ライフステージの変化にあわせて付き合い方を変えて楽しんでいきましょう。

監修/堂山有里先生(獣医師)

バーニー動物病院千林分院分院長。日本獣医動物行動研究会、獣医皮膚科学会所属。ペット薬膳管理士、中医学アドバイザー。動物病院でペットの診療にあたる傍ら犬猫の手作りご飯教室や問題行動のカウンセリングを行いペットと人が幸せに暮らすお手伝いをしている。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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