【獣医師監修】ポメラニアンの平均寿命は?長生きさせる秘訣や注意すべき病気、食事の注意点などについて解説

【獣医師監修】ポメラニアンの平均寿命は?長生きさせる秘訣や注意すべき病気、食事の注意点などについて解説

小さな顔の周りがふわふわの毛におおわれた、可愛らしい外見で人気の高いポメラニアン。実はそり犬を先祖に持ち、原産国のドイツではお仕事犬として人々の暮らしを支えてきたジャーマン・スピッツの仲間です。日本では愛玩犬として知られていますが、運動能力に優れ、勇敢な気質も持ち合わせています。今回は、獣医師の箱崎加奈子先生に教えていただいた、ポメラニアンの平均寿命や健康管理の注意点などについて詳しく解説していきます。

ポメラニアンの体高・体重はどれくらい?

ポメラニアン 小型犬とされているポメラニアンですが、体高は18cm22cmの間と言われています。体重は体高にふさわしい1.82.3kgが理想とされています。ただし個体差があり、5kgを超え10kg近くなることもあります。

 

ペットショップなどからポメラニアンを迎えるときには、「2kg以上大きくならない」と思い込まれないことをおすすめします。生後約3か月ですでに2kg近ければ、12か月になる頃まではすくすくと成長します。


ポメラニアンはどんな性格?オスとメスで性格の違いは?

ポメラニアンは、甘えん坊で飼い主と遊ぶことが好きな犬種です。一方で、自立心があり意外にお留守番も得意なのですが、長時間ひとりぼっちで待たせた後は、しっかり遊んで甘えたい気持ちに応えてあげるようにしましょう。

 

性格的にとても警戒心が強いために、番犬としては優秀で、小さな物音にも反応して飼い主に危険を知らせようとします。反面ちょっとしたことで吠えるようになってしまうので、集合住宅で飼う場合は注意が必要です。ムダ吠えはストレスが原因のこともあるので、なるべくストレスを溜めないようにしてあげましょう。また、日ごろからさまざまな人や犬との触れ合いを心がけることで、人見知りをしない性格になります。オスとメスで性格に大きな違いはないですが、オスは活発で好奇心旺盛、メスは大人しく、マイペースな傾向があります。

ポメラニアンの平均寿命は?

ポメラニアンの平均寿命は、1215歳と言われています。これは、ほかの犬種の平均寿命と比較すると長生きだと言えるでしょう。もちろん個体差はありますが、病気があれば早期に治療する、ストレスをかけないようにしてあげるなど、しっかりとしたケアが長生きのポイントとなります。

ポメラニアンの体調や健康の維持に気をつけたいことは?

ほかの犬種にも共通して言えることですが、愛犬のいつもの状態をよく観察して日々の変化を見逃さないことが一番のポイントになります。加えて、上記に述べたようなポメラニアンのかかりやすい病気を把握し、病気の理解を深めることが役に立ちます。ブラッシングや歯磨きの際に、スキンシップを兼ねて全身のチェックをすることをおすすめします。

 

できれば、飼い主以外にも愛犬の小さな変化に気づいてもらえる人が身近にいるのが理想的です。獣医師はもちろん、定期的にトリミングに行くのであれば、同じトリマーさんにお願いすると、アドバイスがもらえることもありますよ。

 

ポメラニアンは小型犬ではありますが、先に述べたようにそり犬を先祖に持つスピッツ族ですから、運動欲求の高いワンちゃんです。健康のためにも、ストレスをためないためにも、しっかりお散歩、運動は行ってあげましょう。

 

心臓病のリスクを考慮するならば、ワクチン接種などで獣医さんに診療してもらう機会に、心臓病を念頭に入れて聴診をお願いするといいでしょう。また、6歳を過ぎたら、定期的な検診(一般身体検査・血液検査・レントゲン・尿検査・エコーなど)を受診させてください。

ポメラニアンの食事に関して気をつけるポイントは?

小型犬ということもあり、食が細くて嗜好品に偏ってしまうことがあるかもしれませんが、健康に配慮した食事を考えてあげてください。おねだりに負けてお菓子を与え過ぎると栄養のバランスが崩れてしまうのは、人間の子どもと同じです。

 

栄養バランスが考えられているドックフードを利用するのもいいでしょう。ただ、保存方法に気を使ってください。ドッグフードは一般的には開封して1ヶ月は品質が保持できるよう保存料が入っていますが、それ以上に時間が経過してしまい、酸化してしまったものは食べさせないようにしましょう。開封後はしっかりと封をするか、密閉容器などに移して保存するのがおすすめです。

ポメラニアンがかかりやすい病気とその予防法は?

飼い主が、愛犬のかかりやすい病気についてある程度把握し、気をつけてあげることがその子の長生きにつながります。以下にポメラニアンがかかりやすい病気についてまとめたので参考にしてください。


水頭症

脳の室内に「脳脊髄液」が溜まってしまう水頭症は、ポメラニアンなどの小型犬が発症しやすい病気のひとつです。

 

先天的なものが多く、子犬のうちから食が細く太れない、ぼんやりした様子で知能が発達している様子が見られない、歩き方がおかしい、動きにも異常が見られるといった症状がある場合、水頭症が疑われるので獣医師に相談しましょう。内科治療を行うことになりますが、薬に対する反応が良くないと短命になる可能性もあります。


膝蓋骨脱臼(パテラ)

膝の骨が、内側や外側にずれてしまう病気です。小型犬に多く、ポメラニアンにもよく見られます。先天的な要因の場合もありますが、滑る床での生活や高いところからの落下が原因になることもあります。歩き方がおかしいなと思ったら、獣医師に診てもらいましょう。治療には、消炎・鎮痛剤による内科療法、レーザー治療をしますが、症状が重い場合は、外科手術で根本的に治療をすることもあります。


呼吸器疾患

呼吸器疾患にかかるポメラニアンは多く、特に空気の通り道である気管が途中で潰れてしまって呼吸ができなくなくなる気管虚脱には注意が必要です。中高齢期になると症状が悪化することが多く、が続いたり、むせたりなどの症状に気づいたらこの病気を疑いましょう。

 

潰れてしまった器官を治療するには外科的手術が必要ですが、対症療法としては咳止めや気管支拡張剤などの投薬治療をします。若齢期から気管を圧迫する首輪はなるべく避けて、ハーネスを使って散歩するといいでしょう。


ポメラニアン脱毛症

ポメラニアンがかかりやすい原因不明の皮膚疾患として、アロペシアX(ポメラニアン脱毛症)があります。通常、かゆみはなく、頭と四肢以外に脱毛が見られます。ホルモンや、遺伝的なものが影響しているのではないかと言われていますが、はっきりとした原因はわかっていません。

原因がわかっていないので治療も確立していませんが、ホルモン治療やサプリメントで改善する場合があります。見た目はかわいそうですが、かゆみもなく健康上の問題はありません。かわいい服を着せるなどして、焦らず改善を待ちましょう。


僧帽弁閉鎖不全症(心臓病)

ポメラニアンは僧帽弁閉鎖不全症という心臓病を発症することがあります。心臓の中にある、血液の逆流を防ぐための弁が弱って、血液循環が悪くなってしまう病気です。症状が進むと肺に水が溜まる肺水腫をおこします。投薬で進行を遅らせることができるので、早めに見つけてあげることが肝心です。病院に来院する際には必ず聴診してもらい、異常が出たら定期的に検査を受けるようにしましょう。

ポメラニアンの老化のサインは?

おおむね一般的な老犬の兆候と同様です。寝ていることが多い、目が見えづらい、耳が遠くなる、などが老化のサインです。ポメラニアンは、膝が悪い子(膝蓋骨脱臼)が多いせいか、足が弱くなり、痛がって散歩に行きたがらなくなります。老化とともに特に寒い時期は動きたがらなくなります。


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント:

小型犬ながら元気いっぱいで勇敢なポメラニアンは、病気に強い犬種と言えます。散歩やブラッシングなど、スキンシップの機会によく観察し、病気をみつけるようにすれば長生きしてくれるでしょう。一方で、性格的に臆病で警戒心が強いということは、それだけストレスを抱えてしまいがちだということです。余計なストレスを与えないために、ポメラニアンには吠え癖をつけさせないようにトレーニングし、愛犬とのいい関係を作るようにしたいものです。院長

監修/箱崎加奈子(獣医師、トリマー、ドッグトレーナー)

ペットスペース&アニマルクリニックまりも 病院長。獣医師でありながら、トリマー、動物看護士としての実務経験を持ち、ドッグトレーナースクールで学んだしつけの知識も豊富。ペットとその家族がラクに楽しく暮らすために、医療、ケア、生活面をサポート。獣医師(トリマー、動物看護士)が家族と共に、健康維持管理を行い、病気にならない身体つくり、病気の早期発見、未病ケアに努める0.5次医療を提唱。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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