ボルゾイの平均・最高寿命は?長生きさせる秘訣とかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

ボルゾイの平均・最高寿命は?長生きさせる秘訣とかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

長い手足と美しい毛並みが魅力的なボルゾイ。大型犬の中では寿命は少し短めですが、病気や怪我に気をつければ、さらに寿命を伸ばすことができます。今回の記事では、ボルゾイを健康に長生きさせる秘訣、注意したい病気などを、かどのペットクリニック院長で獣医師の葛野莉奈先生監修のもと、詳しく解説していきます。

監修/葛野莉奈先生(獣医師)

監修/葛野莉奈先生(獣医師)
かどのペットクリニック院長。麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。 獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に動物病院を開院。 開院後、ながたの皮膚科塾を修了。 皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、特にこれらの分野は院内の診療の中でも力を入れている。

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ボルゾイの平均寿命、最高寿命は?

ボルゾイの平均寿命は、710年と言われています。最高寿命は15歳と言われていますが、確かな情報ではありません。

 

大型犬の寿命が短い理由は?

大型犬は体の大きさに対して臓器が小さく、内臓の負担がかかります。そのため、小型犬に比べると寿命は短い傾向があるようです。

 

人間でいうと何歳?ボルゾイの年齢換算表

ボルゾイの平均寿命は710歳程度。以下の換算表から、人間の年齢ではどのくらいなのかチェックしてみましょう。

 

ボルゾイ

人間

6か月

6歳

1歳

12歳

2歳

19歳

3歳

26歳

4歳

33歳

5歳

40歳

6歳

47歳

7歳

54歳

8歳

61歳

9歳

68歳

10歳

75歳

ボルゾイがかかりやすい病気やその予防法は?

ボルゾイがかかりやすい病気には、以下のものが挙げられます。これらの兆候が見られたら、早めに動物病院を受診してください。

 

外耳炎

たれ耳であるボルゾイは、夏場などに耳が蒸れると外耳炎を起こすことがあります。耳元から普段と違う匂いがする、耳を痒がる、耳の周りの毛が毛玉状になっているなどの変化があった場合、外耳炎を起こしているのかもしれません。定期的にお手入れをする際、欠かさずチェックするようにしましょう。

 

胃拡張・胃捻転症候群

胃拡張・胃捻転症候群は、大型犬が発症しやすい病気です。胃の中で産出されたガスによって胃が膨らむことを胃拡張、膨らんだ胃が捻じれた状態を胃捻転と言います。腹部が膨らみ、苦しそうにしている場合は、この病気が疑われます。緊急性の高い病気なので、すぐに動物病院に連れて行き、治療を行う必要があります。予防のため、ガス産生につながるような食事を与えない、空気を飲み込んでしまうため早食いをさせない、食後に運動をさせないといった対策が必要です。

 

胃を固定する手術がある?

また、胃捻転を防止するには、胃を腹壁に固定する手術「予防的胃固定術」が効果的だとされています。病気の発症度合いが高いとされる大型犬のほか、既に一度発症してしまった犬が、再発を予防する目的で行ないます。現在では、腹腔鏡で行なわれるケースもあります。病院や犬の健康状態、入院期間にもよりますが、費用は15〜30万円程度かかることが多いようです。

 

甲状腺機能低下症

甲状腺は、代謝に関係するホルモン分泌や神経支配をつかさどる器官です。甲状腺による機能の低下やホルモンに対する反応性が低下する疾患を、甲状腺機能低下症と呼びます。この疾患では、脱毛や筋力の低下、便秘、下痢嘔吐などの症状が見られる場合があります。命を落とす可能性こそ低い疾患ですが、二次的な皮膚炎などにつながる可能性も。体形や被毛の量のチェック、血液検査を含む定期的な健康診断によって早期発見につなげましょう。

 

骨肉腫

骨肉腫は、骨にできる悪性の腫瘍です。進行が早くて転移しやすいうえ、痛みや腫れ、腫瘍が原因の骨の変化による骨折などにつながります。歩き方が不自然になり、発症に気づくことが多いようです。動物病院でCTやMRIなどの画像検査を併せて行い、確定診断につなげるのが一般的。悪性度が高く、転移や進行も早いため、外科的な処置として断脚が必要になる場合もあります。

ボルゾイを長生きさせる秘訣は?

ボルゾイの健康を保ち、長寿を目指すためには日常的にどんなことに気をつけるべきかを紹介していきます。

 

足の怪我に注意する

ボルゾイは足が長く、とても優美な姿をしています。しかし、高齢になって筋力が低下すると、自分の体重を支え切れず、足を怪我しやすくなる恐れがあります。また、怪我によって動けない期間が長くなると、筋力の低下がさらに進み、早い段階で立ち上がることが困難になる可能性もあるでしょう。そのため、足の怪我には十分に注意を払ってください。仮に怪我をしても、長期間動けないほど重症化しないよう、放置せず早期に対処することをおすすめします。

 

十分な運動を行う

普段から散歩などを通して十分な運動を欠かさず行い、高齢になってからの筋力低下を防ぎましょう。被毛の長いボルゾイと夏場に散歩をする際には、熱中症にも注意が必要です。散歩コースや時間帯を考慮し、愛犬の負担を減らすよう心掛けてください。

 

熱中症に注意し、室内で飼う

ボルゾイはもともと寒い地方で生息していた犬種なので、日本の夏の暑さが苦手な傾向があります。屋外で飼うと熱中症に陥る危険性があるため、室内で温度や湿度を管理しながら飼育することをおすすめします。

 

ブラッシングを欠かさず、定期的にトリミングへ行く

ボルゾイは被毛が長く、美しい姿が特徴です。大型ゆえにお手入れが大変で、サボってしまいたくなることもあるかもしれません。しかし、こまめにブラッシングし、定期的にシャンプーをして皮膚チェックをする習慣をつけないと皮膚炎などのトラブルにつながる危険性があります。

 

もし、家庭で洗うのが大変な場合は、トリミングサロンを利用すると良いでしょう。ただし、大型犬なので、サロンによっては断られるケースも。事前にボルゾイを受け入れてもらえるか確認するのを忘れずに。

ボルゾイの食事で気を付けたいポイントは?

ボルゾイは胃拡張・胃捻転症候群のリスクを下げるためにも、食事に気を配りましょう。以下の点に注意しながら食事を与えることが大切です。

 

食事の与え方

食事の与え方によって、胃の拡張を抑制することができます。ガスを産出させる原因にならないよう、お腹に良くボルゾイに適した食事にする、早食いを防いで空気を飲み込みすぎないようにするといった点に気を配りましょう。また、散歩の前には食事を避けるなど、適切なタイミングを考えて与えることがおすすめです。

 

適切な食事量

満腹で胃が膨れることのないよう、一度に大量の食事を与えないようにしましょう。体格に合った適切な食事量は、フードの袋に記載された表などを参照すると良いでしょう。

ボルゾイのシニア期・高齢期は何歳から? 老化のサインが表れたときの対処法

ボルゾイは、人間の約60歳に該当する8歳くらいから高齢期になります。中高齢になり始める6歳くらいから行動の変化などに気を付けたり、健康診断を年2回に増やしたり、より注意をする必要があるでしょう。

 

耳や目が悪くなる

犬が高齢になると、声や生活音への反応が薄くなったり、壁などにぶつかりやすくなったりといった行動の変化が見られます。これは、耳や目が悪くなっているサインです。聞き取りやすい大きさや声の高さで名前を呼んであげるなど、愛犬に配慮しましょう。聞こえにくい音を発すること、視界が悪く怖がるような場所は避けてください。

 

運動量の低下

体が大きく、かつ骨格が華奢なボルゾイは、筋力の低下により四肢への負担が大きくなる傾向が。筋力の低下に伴い、疲れを感じたり、運動量が低下したりする可能性があるため、嫌がる犬に無理やり散歩や運動をさせることは控えましょう。

 

歯周病による口臭

ボルゾイは、マズル(鼻先から口のあたり)が細長く、顎の骨格も特徴的です。歯の生え方によっては汚れが付着しやすく、歯周病になる可能性もあります。特に、高齢になると唾液量の減少など口腔内の環境が変化するため、歯周病になりやすくなってしまう場合もあるでしょう。そのため、若い頃から歯磨きなどの口腔内ケアを習慣化することが大切です。もし、口臭が変化したら、それは歯周病の始まりかもしれません。その場合は早期治療ができるよう、早めに動物病院へ連れて行きましょう。

 

被毛のつやが減る

内臓の機能が低下するなど体内環境に変化が生じると、栄養を効率よく吸収できなくなります。また、腎臓の機能の低下などにより脱水傾向になると、被毛のつやがなくなったように感じることもあります。加齢が原因の場合は避けられませんが、もしかしたら体調の異変によるものかもしれません。被毛の変化に気づいた場合は、動物病院を受診し、全身の状態をチェックしてもらうことをおすすめします。

ボルゾイがシニア期に入ったときのケアは?

体格が大きく、手足が長くて華奢なボルゾイは加齢による筋力の低下に伴い、自分の体を支えることが難しくなります。日常生活でも、介護用のハーネスなどを上手に使って体重を支えてあげる必要が出てくるでしょう。また、寝たきりになった場合はこまめな体位変換を行い、褥瘡(床ずれ)を予防してあげてください。

専門家のコメント

ボルゾイは大型で手足が細い個性的な体型をしています。そのため、小型犬に比べるとシニア期の介護は大変かもしれません。その分少しでも長生きできるよう、若い頃から日常的な健康チェック、定期的な健康診断を習慣化しておくことが重要です。こうした対策を取ることで、飼い主と獣医師との間で健康管理の協力体制ができるでしょう。愛犬の状態に応じたアドバイスをくれたり、介護の相談に乗ってくれたり、一緒にサポートしてくれる専門家がいることで大変さも軽減されるはず。困ったときはひとりで悩みを抱えず、専門家に相談しながら愛犬との楽しい時間を過ごしてください。


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