シベリアン・ハスキーの平均・最高寿命は?長生きさせる秘訣とかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

シベリアン・ハスキーの平均・最高寿命は?長生きさせる秘訣とかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

葛野莉奈(獣医師)

葛野莉奈(獣医師)

かどのペットクリニック院長。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、特にこれらの分野は院内の診療の中でも力を入れている。

シベリアン・ハスキーは大型犬の中でも平均的な長さの寿命だと言われています。飼育環境や食事、健康管理に気を使って、さらに一緒にいられる時間を増やしたいものですね。今回の記事では、シベリアン・ハスキーを健康に長生きさせる秘訣や注意したい病気などを、かどのペットクリニック院長で獣医師の葛野莉奈先生監修のもと、詳しく解説していきます。

目次

  • ・ シベリアン・ハスキーの平均寿命、最高寿命は?
  • ・ シベリアン・ハスキーがかかりやすい病気やその予防法は?
  • ・ シベリアン・ハスキーを長生きさせる秘訣は?
  • ・ シベリアン・ハスキーの食事で気を付けたいポイントは?
  • ・ シベリアン・ハスキーのシニア期・高齢期は何歳から? 老化のサインが表れたときの対処法
  • ・ シベリアン・ハスキーがシニア期に入ったときのケアは?

シベリアン・ハスキーの平均寿命、最高寿命は?

シベリアン・ハスキーの平均寿命は、おおよそ12~14年と言われています。生命にかかわるような遺伝病も少なく、大型犬の寿命としては平均的な長さと言えるでしょう。正式な記録ではありませんが、最高寿命は19歳と言われています。

 

シベリアン・ハスキーの寿命は昔に比べて延びている?

シベリアン・ハスキーに限りませんが、昨今は犬の寿命が延びているようです。生息地と気候が違うため、体に負担がかかってしまう犬種も多いですが、室内で温度や湿度などを管理することで体への負担を軽減できます。室内で一緒に過ごす時間が増えれば、小さな変化にも気付きやすく、病気の早期発見につながるのもメリットです。犬種特有の遺伝疾患は存在しますが、その遺伝子を持つ犬を繁殖から排除することで、遺伝的な疾患を避けられるようになったことも長寿化の一因と言えるかもしれません。

 

シベリアン・ハスキーのオッドアイは病気? 寿命が短くなる?

シベリアン・ハスキーは、左右の目の色が違うオッドアイが多いのですが、オッドアイと寿命の相関関係はないようです。シベリアン・ハスキーの場合、オッドアイは病気ではなく遺伝的なものが多いとされています。原因には諸説ありますが、その背景にはシベリアン・ハスキーのルーツも大きく関係しているようです。もともと日照時間の短いシベリアで原産されたハスキーが、各地に広がるにつれて長くなり、紫外線に触れる時間も増えた際、環境に適応しようと変化したという説があります。

 

人間でいうと何歳? シベリアン・ハスキーの年齢換算表

大型犬の中では平均的な長さの寿命のシベリアン・ハスキー。以下の年齢換算表を参考に、愛犬の年齢が人間でいうと何歳にあたるのか確認してみましょう。

 

シベリアン・ハスキー

人間

2か月

1歳

6か月

6歳

1歳

12歳

2歳

19歳

3歳

26歳

4歳

33歳

5歳

40歳

6歳

47歳

7歳

54歳

8歳

61歳

9歳

68歳

10歳

75歳

11歳

82歳

12歳

89歳

13歳

96歳

14歳

103歳

15歳

110歳

シベリアン・ハスキーがかかりやすい病気やその予防法は?

より長寿なシベリアン・ハスキーを目指すうえで、どういった病気に注意すれば良いのでしょうか? 予防法とあわせて見ていきましょう。

 

脂漏症

皮脂が過剰に分泌されることで起こる皮膚炎です。皮脂をエサとするマラセチアという菌などの繁殖も併せて起こり、強い痒みを起こす場合があります。皮脂を落とすような成分のシャンプーを選択する、愛犬の皮脂の状態に適した頻度でシャンプーをするなど配慮が必要です。

 

シベリアン・ハスキーはトリミングが必要な犬種ではないため、トリマーからの指摘などを受ける機会も少なく、飼い主が皮膚の状態に気付いてあげる必要があります。強く痒がる場合や、皮膚のべたつき、脂の強い匂いなどが気になるときは、脂漏症の可能性もあるので動物病院を受診することをおすすめします。

 

股関節形成不全

股関節の形状が先天的に異なることで、座る際や歩く際などに股関節に負担がかかり、痛みや違和感が生じる病気です。座り方の違いや歩き方の変化、痛がる様子、気にするそぶりなどで気付くことが多いです。画像診断で確定し、状態次第で内科的な治療もしくは外科的な治療を必要とする場合もあります。治療と併せて、股関節の負担を軽減するために肥満を予防することが大切です。

 

肥満細胞腫

アレルギーなどの免疫反応や炎症に関連する、肥満細胞が腫瘍化したものです。悪性腫瘍のひとつであり、全身に転移する可能性があります。皮膚表面にできたものがきっかけで発見されることが多く、内科的治療もしくは外科的な切除を行います。まずはどのような腫瘍なのかを判別する必要があるので、腫瘤が体表にできているかも、と気づいたら早めに受診しましょう。

 

胃拡張・胃捻転症候群

大型犬は、胃拡張胃捻転症候群になりやすい傾向があります。多量のガスで胃が拡張し、捻転するため、強い違和感や痛みが生じて腹部が膨満します。予防策として、ガスを多く産生する食べ物を与えない、早食いを避ける、食後に運動をさせないことが挙げられます。

 

胃を固定する手術がある?

胃捻転を防止するため、胃を腹壁に固定する手術「予防的胃固定術」を行うこともあります。病気の発症度合いが高いとされる犬種、既に一度発症してしまった犬が再発を予防する目的で行ないます。現在では腹腔鏡で行なわれるケースもあります。病院や犬の健康状態、入院期間にもよりますが、費用は15〜30万円程度かかることが多いようです。

 

白内障

加齢によって起こるものもありますが、ここで挙げるのは若齢のうちから発症する病的な白内障です。進行が速く、進行の程度は左右差がある場合があります。失明につながる可能性もあり、水晶体周囲の眼球内の構造の炎症など状態の悪化が広がることも。視力の変化や外見上の変化で気付くことが多い病気ですが、定期的に眼の検査を行えば早期に気づくことができるかもしれません。

シベリアン・ハスキーを長生きさせる秘訣は?

シベリアン・ハスキーを長生きさせるためには、やはり健康を保つ必要があります。飼い主として、日常生活の中で以下のことに気を配ってあげてください。

 

十分な運動をする

加齢による筋力の低下を少しでも防げるよう、日頃から十分な運動を行いましょう。ただし、散歩をするときには熱中症にも配慮が必要です。散歩コースや時間帯を考慮し、犬の負担にならないよう注意しましょう。

 

熱中症に注意し、室内で飼育

シベリアン・ハスキーは、もともと寒い地方で生息していた犬種です。そのため、日本の夏の暑さは苦手とする傾向があります。熱中症に陥る危険性もあるので、温度や湿度を管理しながら室内で一緒に過ごすことをおすすめします。

 

ブラッシングを欠かさない

シベリアン・ハスキーは大型犬なので、お手入れが大変かもしれません。ただ、抜け毛も多く、犬種的に脂漏症など皮膚のトラブルも懸念されます。定期的に皮膚のコンディションをチェックする習慣をつけると同時に、ブラッシングをして不要な被毛の生えかわりを手助けしてあげましょう。

 

予防接種を受ける

愛犬の寿命を延ばすには、身近な感染症から身を守ることが大切です。そのため、予防接種は必ず受けてください。パルボウイルス感染症やジステンパーなどの感染症は死に至る可能性も高いため、きちんと予防して犬の健康を守りましょう。

シベリアン・ハスキーの食事で気を付けたいポイントは?

シベリアン・ハスキーのような大型犬は、胃拡張・胃捻転症候群のリスクを下げるためにも普段から食事に気を付けることが重要です。

 

食事の与え方

食事とともに空気を飲み込んでしまうと、胃が膨張しやすくなります。ガスを発生させる原因にならないよう、お腹に良い食事にすること、一気食いを防ぐことを心がけましょう。また、散歩前には食事を避けるなど食べ物を与えるタイミングにも配慮してください。

 

適切な食事量

一度に大量のご飯を与えると、満腹で胃が膨れてしまいます。胃の急な膨れを防ぐためにも、体格に合った適切な量の食事を与えましょう。フードの袋に記載された目安量を参考にするのがおすすめ。

シベリアン・ハスキーのシニア期・高齢期は何歳から? 老化のサインが表れたときの対処法

シベリアン・ハスキーは、8歳くらいから高齢期に差し掛かります。人間でいう60歳くらいの年齢にあたるため、この頃から健康診断を年2回にしたり、体の負担を軽減できるよう生活を見直したりするとより安心ですね。

 

耳や目が悪くなる

声や生活音への反応が薄くなったり、壁などにぶつかることが増えたりするのは、耳や目が悪くなっているサインです。犬が気付きやすい高さの音があるため、聞き取りやすい大きさや声の高さで名前を呼んであげましょう。聞こえにくい音を発したり、視界が悪くて怖がる場所へ連れていったりするのはやめましょう。

 

散歩の時間が短くなる

体が大きいシベリアン・ハスキーは、筋力が低下すると、自分の身体を支えるのが難しくなることも。疲れやすくなるため、散歩を嫌がるそぶりを見せたら、無理せず散歩時間を減らしてください。

 

膝の靱帯を損傷しやすくなる

体格が大きく体重も重いシベリアン・ハスキーは、股関節や膝に大きな負担がかかります。特に高齢になると、筋力の低下なども併せて起こるため、膝の靭帯が損傷したり断裂したりしやすくなります。肥満を予防したり、激しい運動は控えたりしつつ、筋力低下を予防するために適切な運動量を維持するといった生活上の工夫が必要です。

 

夜鳴きが増える

犬も高齢になると、認知症になることがあります。こうした場合に見られるのが、昼夜逆転や夜鳴きなどの問題行動です。夜鳴きの原因が何なのか、飼い主は愛犬の性格や行動から解明してあげましょう。不安を感じているようなら、寝る場所を飼い主のそばにするなど、安心できる生活環境を作ってください。また、昼夜逆転によって寝られないようなら散歩や体力発散の時間を調整して、飼い主が寝る時間に合わせて犬も寝られるように工夫しましょう。

 

原因解明が難しい場合は、動物病院で相談すると意外な原因が見つかるかもしれません。実は体調不良を訴えていたというケースもあるため、困ったときはひとりで悩まず専門家に相談してください。

シベリアン・ハスキーがシニア期に入ったときのケアは?

体が大きいシベリアン・ハスキーが寝たきりになると、体重の負荷により褥瘡(床ずれ)が生じることも。また、筋力低下によって体重を支えづらくなるせいで、排泄が困難になる場合もあります。今までできていた日常的な行動が負担になっているようであれば、飼い主がサポートしてあげるよう心がけましょう。

 

専門家の コメント:

シベリアン・ハスキーは体が大きいため、小型犬の介護に比べて、飼い主の体力が必要になります。大変だと感じることも多々あるでしょう。そんなときは、便利な介護アイテムを使ったり、獣医師・トリマー・介護の専門家など各分野のプロに相談に乗ってもらったりするだけでも、飼い主の負担を軽減できるはず。ひとりで抱え込まず、いろいろな人に協力してもらいながら後悔のないように最期まで愛犬に向き合ってあげることが大切ですよ。

監修/葛野莉奈先生(獣医師)

監修/葛野莉奈先生(獣医師)
かどのペットクリニック院長。麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。 獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に動物病院を開院。 開院後、ながたの皮膚科塾を修了。 皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、特にこれらの分野は院内の診療の中でも力を入れている。

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