バーニーズ・マウンテン・ドッグの平均寿命は?短命な理由と長生きさせる秘訣、かかりやすい病気について解説【獣医師監修】

バーニーズ・マウンテン・ドッグの平均寿命は?短命な理由と長生きさせる秘訣、かかりやすい病気について解説【獣医師監修】

大型犬のなかでも運動量が少なくて済むため、日本でも人気が高まっているバーニーズ・マウンテン・ドッグ。しかし、意外なことに他の犬種と比べて平均寿命が短めなことが有名です。今回の記事ではそんなバーニーズ・マウンテン・ドッグを少しでも健康に長生きさせる秘訣や、注意したい病気、その予防法などを、かどのペットクリニック院長で獣医師の葛野莉奈先生監修のもと詳しく解説していきます。

監修/葛野莉奈先生(獣医師)

監修/葛野莉奈先生(獣医師)
かどのペットクリニック院長。麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。 獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に動物病院を開院。 開院後、ながたの皮膚科塾を修了。 皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、特にこれらの分野は院内の診療の中でも力を入れている。

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バーニーズ・マウンテン・ドッグの平均寿命・最高寿命は?

大型犬の平均的な寿命は10歳~12歳と言われていますが、バーニーズ・マウンテン・ドッグは平均6~8歳です。しかし、中には25歳まで生きた例というもあります。

 

なぜバーニーズ・マウンテン・ドッグは寿命が短いの?

バーニーズ・マウンテン・ドッグは原産国のスイスでは「生後3年で若犬、3年経ったら良犬、その後3年で老犬になり、それから先は神からの贈り物」ということわざもあるくらい短命です。

 

原因の一つとも言われるのが、その体格の大きさ。犬は体が大きければ大きいほど、内臓への負担がかかり、特に大型のバーニーズ・マウンテン・ドッグは短命になる傾向があると言われています。また、もともと涼しい地域で生息している犬種です。日本の温かい気候が苦手で、日常的な生活環境のストレスを受けやすく、短命になっているとも考えられます。

 

人間でいうと何歳?バーニーズ・マウンテン・ドッグの年齢換算表

バーニーズ・マウンテン・ドッグは比較的短命な犬種なので、シニア犬になったら体調に気をつける必要があります。以下の年齢換算表を参考に、愛犬の年齢が人間でいうと何歳にあたるのか確認してみましょう。

 

バーニーズ・マウンテン・ドッグ

人間

1歳

10歳

2歳

19歳

3歳

29歳

4歳

39歳

5歳

49歳

6歳

59歳

7歳

69歳

8歳

79歳

9歳

89歳

10歳

99歳

バーニーズ・マウンテン・ドッグがかかりやすい病気やその予防法は?

バーニーズ・マウンテン・ドッグはがんになりやすいと言われている犬種です。また、たくさん運動が必要なイメージのある大型犬ですが、バーニーズ・マウンテン・ドッグの場合、走らせることで足の病気を誘発してしまう可能性も。他にどういった病気にかかりやすいのか、予防法とあわせて見ていきましょう。

 

胃拡張・胃捻転症候群

食事の際や直後に大量の空気を吸ってしまうことで胃が拡張し、捻転してしまう病気です。大型犬に起こりやすく、死に至る危険性もある怖い病気です。予防方法として、食事の際に空気を一緒に吸い込むような早食いを予防したり、食事直後の運動は避けたりすると良いと言われています。腹部の膨満や、腹部の違和感によるうつ伏せ姿勢の維持などの兆候が見られた場合すぐに動物病院を受診しましょう。

 

進行性網膜萎縮

網膜が萎縮することで、視力が低下する病気。遺伝性の疾患であるとされていますが、正確な原因は不明です。視力が落ちていき、最終的には失明する可能性が高いです。暗い場所や夕方など光が少なくなる時間帯に、周りが見えづらそうであまり動かなくなるといった行動も。治療方法は現在では見つかっていませんが、もしこの病気にかかった場合には、視力低下や失明をしても過ごしやすいような生活環境を作ってあげましょう。

 

肘関節形成不全

肘関節の発育段階で骨の発達に異常が起こり、関節の形状に異常が生じる病気です。体重をかけたり歩いた際に違和感を覚えたり、痛みが生じます。治療をする場合は、痛みを緩和するための内科学的治療や原因そのものにアプローチする外科的治療が行われます。肘の見た目の変化はなく、足を引きずったり、体重のかけ方が違ったりするといった行動の変化で気付くことが多いようです。「歩き方がおかしいな?」と思った場合には、すぐに動物病院を受診して、早期治療へ繋げましょう。

 

悪性リンパ腫

リンパ球が異常増殖する悪性の腫瘍です。出来る場所はいろいろで、部位によって現れる症状も異なります。基本的な根治は難しいとされており、現れている症状に対する治療をおこなうことが一般的。症状の軽減のためにも、出来るだけ早く発見して治療に踏み切ってあげることが大切です。定期的な健康診断や、家庭での健康チェックを習慣づけましょう。

 

肥満細胞腫

悪性の腫瘍で、皮膚上にできることで発見されることが多く、内臓などにも転移する腫瘍です。肥満細胞は炎症やアレルギーなどの免疫反応に関連する細胞で、腫瘍の付近で炎症反応が起こる場合も。存在がわかった場合、外科的治療、放射線治療、化学療法を組み合わせて治療しますが、腫瘍のステージにより、その後の寿命は異なります。定期的な健康診断で、なるべく早期の発見を心がけましょう。

 

血管肉腫

血管内皮にできる悪性の腫瘍で、大きくなると破裂したり、近くの臓器と癒着したりすることもあります。確定診断をした後は、状態によって外科的な摘出や抗がん剤などによる化学療法などを行われることになります。除去をしても、完全な根治は難しく、1年生存率はわずかと言われています。

バーニーズ・マウンテン・ドッグを長生きさせる秘訣は?

バーニーズ・マウンテン・ドッグは他の大型犬と比べて短命ですが、可能な限り長く一緒の時間を過ごしたいものです。そのために、日常生活の中でどのようなことに気をつけるべきかを見ていきましょう。

 

暑さ対策をして熱中症を予防する

バーニーズ・マウンテン・ドッグは暑さに弱い犬種。特に夏場は湿気が多く高温のため、熱中症になる危険性が高いです。真夏に限らず、温度の高い日が多い日本では、室内を涼しくしてあげましょう。

 

日常的な被毛のケア

被毛の量が多く、抜け毛が多いでしょう。皮膚疾患につながる危険性もあるので、ブラッシングシャンプーなどを家庭でも定期的に行い、皮膚や被毛を清潔に保ちましょう。

 

口内環境のケア

口を開けて呼吸をしていることが多く、口腔内が乾燥すると口内環境が乱れることもあります。よだれも多いため、日常的に歯磨きなどをして歯周病を予防しましょう。

 

十分な運動(散歩)を行う

体格の大きな犬種であるため、健康的な体作りが必要です。体重を充分に支えられる筋肉をつけるためにも、十分な運動を日常的に行いましょう。

 

ストレスを与えない

ストレスは短命なバーニーズ・マウンテン・ドッグの体にさらに負担をかけ、体調の変化などをもたらす危険性があります。それぞれの子の性格を把握したうえで、過ごしやすい生活環境にできているか見直してあげましょう。

 

子犬の頃から定期的に健康診断を行う

犬種特有の病気を持ち、平均寿命も短めの犬種のため、少しでも変化を早期に見つけて治療してあげることが健康に長生きすることにつながります。定期的な健康診断は欠かさずに受けるようにしましょう。

バーニーズ・マウンテン・ドッグの食事で気を付けたいポイントは?

バーニーズ・マウンテンドッグの健康維持のためには食事でのケアも欠かせません。どういった点に気を付ければいいのか見ていきましょう。

 

食事の与え方

がつがつと早食いをすると空気を一緒に吸い込んでしまい、胃拡張・胃捻転症候群を誘発する危険性があります。食事を小分けにして回数を多くする、早食い防止の食器を使用するといった工夫をするのがおすすめです。

 

適切な食事量

体格的にも大柄ではありますが、肥満になると関節への負荷がさらに増えてしまいます。肥満防止のために適切な食事量を守ることが大切です。フードには体重に適した食事量が表記されていることが多いです。その食事量に従うように心がけましょう。

バーニーズ・マウンテン・ドッグに老化のサインが表れたときの対処法は?

バーニーズ・マウンテン・ドッグはシニア期に入ると以下のような老化のサインが見られます。それぞれの詳細と対処法について見ていきましょう。

 

歯周病による口臭

バーニーズ・マウンテン・ドッグは口を開けて呼吸していることも多く、口腔内の乾燥から口臭がしたり、口腔内の環境が乱れることで歯周病になったりします。歯の汚れがこまめに取れるよう、若齢の頃から歯磨きや口を触れる習慣をつけ、口腔内のケア及びチェックを日常的に行えるようにしましょう。自分では難しいときや噛み合わせなどにより取りにくい汚れがある場合、数年に一度などの定期的な歯石除去をかかりつけの獣医師に相談してみると安心です。

 

目が悪くなる

白内障などの病気でなくても、加齢によって視力は低下するもの。壁にぶつかったり、近くにあるものに気づかずに驚いたりするなど行動の変化が見られたら、視力が低下しているサインかもしれません。周辺環境の見直しを行い、安心して生活をできるように工夫してあげましょう。

 

耳が遠くなる

視力と同じく、聴力も年々低下することが多いです。ただし、名前を呼んでも反応が無いというのは今までのように遊んだり、反応したいという欲が少なくなった、という精神面での変化の可能性もあります。急に大きな音がして、急に近づいてびっくりしたという反応は聴力の低下によって起こっているのかもしれません。苦手な大きな音があるようであれば、散歩ルートなどでその音に触れないよう工夫をしたり、犬に近づく場合には聞こえる音量で声をかけてから触れるなど、その子の聴力に合わせた暮らし方をしましょう。

 

足腰が弱くなり運動量が減る(散歩をすぐ帰りたがる、段差を嫌がるなど)

どんな元気な子でも、高齢になれば筋力の低下は自然に起こるものです。特に後肢は歩くことが困難になるだけでなく、排泄のような腰を落とす動作が難しくなります。散歩を嫌がるようになったら、無理せず体力に合わせ短時間にしてあげましょう。また、介護用ハーネスを使ってサポートしてあげるのもおすすめです。腰部分を支えてあげるタイプ、胴体全体を支えるタイプなど様々な種類が市販されています。

 

睡眠時間が増えた

体力消耗を防ごうと、寝る時間が増えることも多いです。何度も起きずに落ち着いて寝られるよう、音が気にならない環境にしたり、床材や室温などを快適に過ごせるよう工夫することが大切です。ただし、寝ている時間があまりにも長かったり、食欲不振なども見られる場合は疾患による可能性も。すぐに動物病院へ連れていきましょう。

 

毛つやが悪い(被毛の色が薄くなる)

高齢になると、栄養吸収の状態の変化や毛周期サイクルの変化によって、毛の質や色などが変化することがあります。色素の関係で被毛が白っぽくなることはよく知られていることかもしれません。毛つやが悪く、脱毛量が増える場合などは疾患が原因の可能性もあるので、病院を受診するよう心がけましょう。

 

おしっこの回数が変化した

加齢により膀胱の機能や、尿道の筋肉・神経の機能の低下が起こり、おしっこの回数が増えたり、ちょっとした尿漏れが起こることがあります。ただし、尿量が増えたり、飲水量が増えたりした場合、腎疾患や内分泌疾患などが起こっている可能性もあります。疑わしい場合は、念のため病院を受診した方が安心です。

バーニーズ・マウンテン・ドッグがシニア期に入ったときのケアは?

大型犬のバーニーズ・マウンテン・ドッグは、筋力の低下や寝たきりによって、床ずれが出来るなどの併害が起こる場合があります。そのため、重い体を飼い主が支えてあげるなどのケアも必要です。シニア期のケアは、全て自分たちだけでやろうとせずに介護の専門家の方や獣医師などと協力しながらお家でも出来る方法を見つけることが大切です。受診のために動物病院へ移動させることが難しそうな場合は、往診で定期的に診察してもらう方法もあります。

 

どのような最期を迎えさせてあげたいか、家庭でどこまで介護できそうかということをあらかじめ家族内で話し合っておけると良いでしょう。困難になりそうな部分はプロに相談し協力を求めることで、後悔無いケアができるのが理想です。

専門家のコメント

寿命が短いバーニーズ・マウンテン・ドッグですが、若齢の頃から家庭で健康チェックを行い、動物病院で定期的な検診をすれば長生きさせられる可能性もあります。家庭で出来るケアはもちろん、サポートしてもらえるトレーナー、獣医師、トリマーなどを見つけておくことが大切です。日頃から信頼関係を築くことで、いざというときにも相談できるようになります。


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