犬も人も安心して使える「虫除けアロマスプレー」の作り方【獣医師監修】

犬も人も安心して使える「虫除けアロマスプレー」の作り方【獣医師監修】

散歩コースなど、わんちゃんの喜ぶ自然が多い場所では、虫が気になりますよね。蚊は「犬フィラリア症」の原因にもなる恐ろしい存在です。同じくノミダニにも注意が必要となります。

そこで今回は、「虫除けアロマスプレー」を作りました。市販の犬の虫除けグッズもたくさんありますが、実は自宅で簡単に作ることができるのです。水にお好みのアロマオイルとエタノールを混ぜるだけ。サッとつけて使用可能です。手のひらサイズのスプレーボトルに入れて、持ち歩くことができるので、とってもお手軽です。

日頃から虫を身体に寄せ付けないようにする予防法として、予防薬や駆除剤と合わせてお使いください。

監修/茂木千恵先生(獣医師)

監修/茂木千恵先生(獣医師)
博士(獣医学)。専門は獣医動物行動学。大学で教育研究活動の傍ら、動物病院でもしつけや問題行動のカウンセリングを行う。フジテレビ系列「モノシリーのとっておき」、日本テレビ系列「志村どうぶつ園」などに動物行動学コメンテーターとして出演。雑誌「Shi-ba」(辰巳出版)などの記事監修も多数担当している。

監修者の他の記事一覧

【動画】おうちで簡単!犬も人も安心して使える「虫除けアロマスプレー」の作り方


手作り「虫除けアロマスプレー」を愛犬に使うメリット

ノミは、気温や室温が13度以上になると繁殖を始め、20~30℃で繁殖サイクルがピークになります。マダニは春から秋(3月〜11月)にかけて気温が15℃を超える時に活発に動きます。また、蚊は、気温が15℃を超える(4〜11月)と吸血活動を行うといわれています。

しかし「市販の虫除けに含まれる成分がわんちゃんに影響がないか気になる…」という方も少なくないでしょう。そんな時にオススメなのが、天然成分100%のアロマオイルの虫除けスプレー。植物ならではの優しい香りなので、匂いに敏感なわんちゃんでも使いやすいです。

もちろん、わんちゃんだけではなく飼い主さんも使用可能です。自分でアロマオイルを探して作れるため、わんちゃんや飼い主さんのお好みの香りに合わせて仕上げることができます。

この虫除けは、保存料を使用していないので長持ちしません。作ったスプレーは1〜2週間を目安に使い切るようにしてください。残ってしまった場合は、網戸や玄関などにスプレーすると家に入る虫を減らすことができます。

犬も人も使える「虫除けアロマスプレー」の材料と効能

犬も人も使える「虫除けアロマスプレー」の材料 発酵エタノール(無水エタノール) 精製水 アロマオイル スプレーボトル 計量スプーン 

1.スプレーボトル

アルコール対応、遮光性の物が望ましいです

2.計量スプーン

3.発酵エタノール(無水エタノール)

無水エタノールは、濃度99.5vol%以上のものを指すためアルコールの度数が高くオイルを溶かすのに適しています。ホームセンターやドラッグストアなどでも購入できます。

※皮膚に傷があったり、皮膚の弱いわんちゃんにはエタノールを使用せず、アロマオイルと水のみで作ってください。ただし、アロマオイルと水だけだと分離してしまうので、使う前に良く振ってからご使用ください。

『エタノール』って犬に使っても大丈夫なの?

今回使用する「発酵エタノール」は、糖蜜やサトウキビなどの糖質と、トウモロコシやサツマイモ、ジャガイモなどのでんぷん質を、酵母を用いて発酵させて作ったアルコールです。食酢の原料や味噌、醤油といった食品の防腐用に使われたり、濃度を調整して各種エタノールとして販売されているので、わんちゃんにも安心してお使いいただけます。


4.精製水

水道水でも代用可能ですが、精製水を使用する場合よりも、劣化が早くなってしまいますのでご注意ください。

5.虫除け効果のあるアロマオイル

アロマオイルごとに防虫できる種類や、香りの特徴が異なります。以下の表をご参考のうえお好みのオイルをお選びくださいませ。

アロマの種類 防虫効果 香りの特徴
シトロネラ

レモンに似た香りで、その香りに昆虫忌避作用がある。特に蚊に対しては非常に高い威力を発揮する。

猫も嫌う香りなので、猫オーナーさんは注意が必要。

レモンユーカリ 刺激の強い香りで、精神を集中させてくれる効果がある。
ゼラニウム 蚊・ノミダニ

ローズに似たフローラルな香り。

不安を和らげ明るく元気な気持ちにしてくれるため、心のバランスを取り戻すのに効果的。

レモングラス

リフレッシュ効果の高い、すっきりとした香り。

猫も嫌う香りなので、猫オーナーさんは注意が必要。

ひば油

ダニ・蚊
ゴキブリ・シロアリ

ヒノキのような香り。

抗菌・防虫・鎮静・脱臭・消臭効果もある。皮膚トラブル改善効果もあるといわれている。

今回使用した『レモングラス』と『ひば油』の犬への影響について

今回は、レモングラスとひば油を使って「虫除けアロマスプレー」作りました。それぞれの犬に対する影響を紹介します。

『レモングラス』で期待できる効果

レモングラスは、虫が嫌がる香りの「シトラール」という成分を多く含むので、虫除け対策に向いています。その他にも抗菌・殺菌作用や消化促進効果があり、風邪の予防や腹痛、下痢の緩和にも効果的といわれています。消化器系が弱くなっているわんちゃんや、下痢をしがちなわんちゃんにも適しています。

疲れた心や身体を癒し、気力や活力、消化も促進する効果もあるといわれています。

『ひば油』で期待できる効果

主な含有成分は「フェノール類」からなる酸性油分と、「セスキテルペン類」からなる中性油分という大きく2つの成分で構成されています。天然物としては極めて優れた抗菌性を有する成分「ヒノキチオール」が約2%含まれていることから、医療、農業、食品など多分野において利用研究が進められています。

①抗菌効果により、皮膚に増殖した菌を抑えてくれることから「細菌性膿皮症」や「脂漏性湿疹」などわんちゃんの細菌性の皮膚病に対して改善効果が期待できます。

②「ヒノキチオール」がにおいの元である雑菌を殺菌・滅菌することで、悪臭を防ぐ効果を発揮します。トイレの消臭剤としても使用できます。

③オイルに含まれる防虫成分の「シトロネロール」や「リナロール」などは蚊を寄せ付けない効果があります。

ただし、白い生地についてしまうと、ヒノキチオールの特性でシミになることがあるのでお気をつけください。

材料を合わせるだけ!犬も人も使える「虫除けアロマスプレー」の作り方

今回は、60mlの虫除けアロマスプレーを作っていきます。

手作り虫除けアロマスプレーは、長持ちしません。2週間以内で使い切りたいので、1回に作る量は30ml~100mlほどで十分だと思います。

スプレーボトルに、発酵エタノール(無水エタノール)とアロマオイルを入れる
スプレーボトルに、発酵エタノール(無水エタノール)とひば油を入れる

精油(アロマオイル)は水に溶けないので、まずエタノールとまぜて希釈していきます。

スプレーボトルに、発酵エタノール(無水エタノール)10mlとアロマオイル2〜10滴を加えます。キャップを締めてよく振って混ぜ合わせます。

初めて使う場合は、アロマオイルは少ない量から始めてください。嗅覚の鋭い犬にとっては香りが強すぎてしまうことがあるので、香りの量には気を付けましょう。

精製水を加えてよく混ぜる

精製水をボトルの肩のあたりまで加え、再度キャップをしっかり閉めて、振ってよくかき混ぜたら完成です!

犬も人も使える「虫除けアロマスプレー」の使い方と注意

犬も人も使える「虫除けアロマスプレー」の使い方と注意

お散歩やお出かけ前にわんちゃんの被毛につけてお使いください。わんちゃんのお腹や足先は、ノミやダニが付きやすい部位なので、優先的につけてあげるとよいでしょう。

初めて使う時はいきなり全身にスプレーするのではなく、わんちゃんの体の上30~40センチ離れた空間に吹き出して、オイル成分が体に降ってくるようにして使ってみましょう。30分くらい経って、愛犬の身体に赤みや腫れが無いことを確認してください。

「シュッ」というスプレーを使う音が苦手なわんちゃんもいます。逃げ出したりするようでしたら、飼い主さんが離れたところでご自身の手に吹きかけて、その手でつけてあげたい部分に触れると良いでしょう。わんちゃんの服や首輪、リードなど、肌に触れないものにつけるのもおすすめです。

一般的に皮膚や被毛につけることを考えておりますので、目や耳、鼻などに入ってしまうと大変危険です。使用する際は、顔にかからないように細心の注意を払ってください。万が一これらの部位に入ってしまい、異変がみられる場合は、迅速に獣医師にご相談くださいませ。

アロマオイルの虫除けスプレーの吹きかける頻度の目安は、香りです。香りがしなくなってきたら再度つけるようにします。

犬も人も使える「虫除けアロマスプレー」 使用オイルを明記する

アロマオイルの成分によって効能が異なりますので、使ったオイルの名前を明記しておくと分かりやすいです。使用前に毎回良く振ってからお使いください。

※もし万が一犬の皮膚や被毛に赤みや異常が少しでも見られた場合は、アロマが合わない可能性があるので使用を中止し、獣医師に相談してください。
※アロマオイルがわんちゃんのお好みではなかった場合は使用は中止して、他のアロマオイルを使うようにしてください。
※アロマオイル原液やエタノールはわんちゃんが届かないところに保管してください。

この記事に関連するキーワード

夏だけじゃない!オールシーズン危険なノミ・ダニの対策方法を解説!