ドーベルマンの性格や特徴は?飼い方のコツや寿命、かかりやすい病気などを解説【獣医師監修】

ドーベルマンの性格や特徴は?飼い方のコツや寿命、かかりやすい病気などを解説【獣医師監修】

警察犬や護衛犬として知られているドーベルマン。筋肉質で引き締まった体は光沢のある短い毛で覆われており、しなやかな美しさを感じさせます。その一方で、見た目の印象から獰猛で怖いというイメージを持っている人も多いかもしれません。実際、ドーベルマンはどのような特徴をもつ犬なのでしょうか? この記事では、ドーベルマンの性格やしつけのコツ、かかりやすい病気などを、かどのペットクリニック院長で獣医師の葛野莉奈先生監修のもと解説します。

監修/葛野莉奈先生(獣医師)

監修/葛野莉奈先生(獣医師)
かどのペットクリニック院長。麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。 獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に動物病院を開院。 開院後、ながたの皮膚科塾を修了。 皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、特にこれらの分野は院内の診療の中でも力を入れている。

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ドーベルマンの歴史やルーツは?

ドーベルマンの歴史やルーツは?

ドーベルマンは、19世紀後半にドイツで誕生した犬種です。ジャーマン・ピンシャーをベースに作られた警戒心が強い血筋で、主に警備や護衛の役割を果たしています。20世紀初めに警察犬として認められました。

ドーベルマンの体高・体重は?

中型~大型に分類されるドーベルマン。平均的な体の大きさと体重を確認しておきましょう。

 

体高

ドーベルマンの平均的な体高は、オスは約68~72cm、メスは約63~68cmです。

 

体重

ドーベルマンの平均的な体重は、オスは約4045kg、メスは約3235kgです。

ドーベルマンの平均寿命は?

ドーベルマンの平均寿命はおよそ1115歳とされています。大型犬の平均寿命は1013歳といわれていますが、中型犬に近いドーベルマンは、その平均よりもやや長い寿命と考えられます。

ドーベルマンの毛色の種類や被毛の特徴は?

ドーベルマンの毛色の種類や被毛の特徴は?

なめらかで艶のある毛が美しいドーベルマンですが、毛色の種類や毛質にはどのような特徴があるのでしょうか?

 

毛色の種類

まずは、ドーベルマンの代表的な毛色をご紹介します。

 

ブラックタン

黒がベースで、そこにタンと呼ばれる黄褐色の模様が入っている毛色です。タンは眉毛や両頬、喉、前胸、足、尾の下などに見られ、これをタンマーキングといいます。タンマーキングの範囲は個体差があります。

 

ブラウンタン

茶色い毛がベースで、ブラックタンと同じようにタンが部分的に入っている毛色です。

 

ブルー

まれですが、ブルーと呼ばれるグレーに近い毛色の個体も存在します。

 

被毛の特徴

ドーベルマンの被毛はシングルコートです。シングルコートとは、オーバーコートと呼ばれる外側の毛のみで覆われた一層構造の被毛です。オーバーコートは硬い毛質で皮膚を守る役割をもち、アンダーコートよりも抜けにくい特徴があります。

ドーベルマンの外見や吠え声の特徴は?

ドーベルマンの外見や吠え声にはどのような特徴があるのでしょうか?

 

外見

ドーベルマンは筋肉質で、がっしりと引き締まった体つきをしています。

 

ドーベルマンの耳は立ってる?垂れてる? 

ドーベルマンといえば、ピンととがった形の耳が印象的です。これは小さいころに耳を切って整形する手術(断耳)を行うためで、本来は垂れ耳の犬種です。断耳は、垂れ耳を立たせるという美容的な目的で行なわれていますが、最近では、動物愛護の観点から控えるケースも増えています。

 

吠え声

体の大きさゆえに、ほかの犬種と比較しても吠え声は大きいです。

ドーベルマンはどんな性格?オスとメスで性格の違いはあるの?

ドーベルマンはどんな性格?オスとメスで性格の違いはあるの?

その外見から、ドーベルマンは獰猛で怖いイメージを持たれがちですが、実際はそれとは反対の一面も持ち合わせています。ここからは、ドーベルマンの性格の特徴をご紹介します。

 

友好的

きちんと信頼関係を築けている家族には友好的で愛情深く接します。

 

穏やか

ある程度、感情を抑えて人間と信頼関係を築くことができ、信頼した相手に対しては穏やかに接することができます。

 

知的

警察犬や護衛の役割を与えられていることからもわかるように、知的能力が高く、物事に適応して判断する力を持っています。

 

好奇心旺盛

怖いイメージとは反対に、フレンドリーで好奇心旺盛な一面も持ち合わせています。

 

忠実

一度心を開いた相手には、忠誠心を持って愛情深く接します。飼い主を危険から守ろうと勇敢な行動をとることもあります。

 

警戒心が強い

ドーベルマンはその血統から、警戒心や防衛本能が高い犬種です。ほかの犬や見知らぬ人に吠えたり、とびかかったりすることのないよう、しつけは十分に行う必要があります。

 

甘えん坊

甘えん坊な性格で、家族とコミュニケーションをとることを好みます。

 

オスとメスの性格の違い

メスよりもオスのほうが大きな体格をしており、警戒心も強い傾向があります。攻撃的な行動をとった場合、相手に大怪我を負わせ、最悪の場合、死亡事故につながる危険性もあるので、飼うときには十分な注意が必要です。

ドーベルマンのアメリカンタイプとヨーロピアンタイプとは?

ドーベルマンには、アメリカンタイプとヨーロピアンタイプの2種類がいます。ヨーロピアンタイプは、もともと警護犬としてドイツで誕生したドーベルマンで、その後、アメリカの一般家庭でも飼いやすいように改良されて生まれたのがアメリカンタイプです。アメリカンタイプは、「ショードッグ」としても活躍しています。

 

性格の違いはそれほどありませんが、アメリカンタイプは家庭で飼うことを目的にしているため、ヨーロピアンタイプよりも一回りほど体が小さいのが特徴です。

ドーベルマンを飼うのに向いている人は?

ドーベルマンを飼うのに向いている人は?

ドーベルマンは、どのような人が飼育するのに向いているのでしょうか?

 

体力に自信がある人

ドーベルマンは筋肉質でがっしりとした体格なので、万が一、何かに興奮してしまった場合に備えて、飼い主には対等な体力が求められます。力で負けると、しつけもスムーズにいかないでしょう。

 

散歩の時間がとれる人

体力のあるドーベルマンの運動欲求を満たすには、散歩の時間をしっかりと取ってあげる必要があります。散歩で体力を十分に発散できないと、問題行動などにつながる可能性もあります。

 

広い飼育スペースがある人

筋肉質で大きな体つきのドーベルマンには、充分な飼育スペースを確保する必要があるでしょう。

 

ドーベルマンは初心者向きの犬?

ドーベルマンは、一度信頼した相手には愛情深く穏やかに接しますが、警戒心の強さから信頼関係を築くまでには時間がかかることが多いです。また、関係が築けたように見えても、警戒心を刺激すると、家族に対しても攻撃的な行動をとる場合があります。そのため、初心者向きとはいいづらい犬種です。

 

しつけをしっかりできる自信があること、訓練士など信頼できるしつけの専門家に力を借りられることも飼育の条件のひとつになるでしょう。

ドーベルマンを飼う上で気をつけることは?

ドーベルマンを飼うときの注意点を確認しておきましょう。

 

室内で飼う

ドーベルマンは、暑さや寒さに弱いこと、警戒心が強く、何らかの刺激に対して攻撃性を持ってしまう恐れもあることから、室内で飼うことをおすすめします。

 

誤飲を防ぐ

好奇心から、誤飲することがあります。しつけの一環として、口に入れてはいけないものはしっかりと教えるようにしましょう。また、飲み込みやすいものは、ドーベルマンの手の届かない場所に置いたり、柵を設置したりして、いたずらができないように配慮することが大切です。

 

床の滑り止め

体が大きい犬種のため、筋力が低下したり、体重が重くなったりすると四肢への負担が大きくなります。床にマットを敷いたり、滑り止め加工をしたりするなどの工夫をしてあげましょう。

ドーベルマンのしつけを始める時期やおすすめのしつけ方法は?

ドーベルマンを飼うときに、非常に重要になるのが日頃のしつけです。適切な時期、適切な方法でしつけをすることで、愛犬の問題行動を防ぎましょう。

 

しつけを始める時期

警戒心が強いドーベルマンは、慣れない音や環境に反応し、興奮したり、攻撃的になったりすることがあり、それがトラブルにつながるケースもあります。できるだけ早い時期から、ほかの犬や人、初めての刺激に慣らし、社会化をする必要があります。噛む行為など攻撃につながるようなことは絶対にしてはいけないと、早いうちから教え込むことが大切です。

 

おすすめのしつけ方法

ドーベルマンにしつけをするときは、次のポイントを押さえておきましょう。

 

信頼関係をきちんと築く

ドーベルマンには、飼い主が指示することを絶対に聞くようにしつけましょう。飼い主に危害を加えさせないことはもちろんですが、ほかのものや人に対して問題行動を起こしそうになったときの制御にもつながります。飼い主がドーベルマンの行動を絶対に止められる存在になれるよう、しつけを通して信頼関係を築くことが求められます。

 

「待て」を覚えさせる

「待て」というコマンドは、問題を起こしそうになったときに、一度クールダウンさせて、落ち着かせる行動につなげられます。拾い食いやとびかかりを未然に防ぐためにも有効なので、最低限これだけは覚えさせるとよいでしょう。

ドーベルマンの食事の注意点は?

胃拡張・胃捻転症候群を起こしやすい犬種です。空気を一緒に吸い込むような早食い行動が見られる場合、早食い防止の食器を使用するなど工夫するようにしてください。

 

また、肥満になると、四肢に大きな負担をかけてしまう可能性があります。食事量は適切な量に調節して与えましょう。

ドーベルマンにおすすめの遊びは?

ドーベルマンにおすすめの遊びは?

飼い主との信頼関係を築くためにも遊びは重要です。ドーベルマンには、どのような遊びが適しているのでしょうか?

 

フライングディスク(フリスビー)

愛情深いドーベルマンにとって、フライングディスクは運動欲求を満たしながら、大好きな飼い主と一緒に楽しめるおすすめの遊びのひとつです。ほかの犬たちも遊ぶ場所では問題行動を起こさないよう、しっかりとしつけをした上で足を運ぶとよいでしょう。

 

水遊び

飼い主と一緒に体を動かせる水遊びは、人と一緒に何かをしたいというドーベルマンの欲求を満たすことができる遊びです。

 

アジリティ

アジリティは、飼い主のコマンドを聞きながら頭を使って行うドッグスポーツです。信頼関係を築き、絆を深めるのにも役に立つでしょう。

 

ノーズワーク

聡明で知的好奇心が旺盛なドーベルマンは、頭を使うことも大好きです。知育遊びとしてノーズワークを教えるのもよいでしょう。

ドーベルマンを散歩させる際に気をつけることは?

ストレス発散や筋力維持のためにも欠かせない日々の散歩。ドーベルマンに適した散歩の方法や気をつけるべきポイントをご紹介します。

 

時間・頻度

ドーベルマンは、1日2回、1時間程度の散歩が理想的です。ただし、心臓疾患など持病を持つ犬は運動が制限される場合もあります。かかりつけの先生と相談しながら、愛犬に適した散歩時間を見つけてあげてください。

 

気をつけた方がよいこと

散歩させる際は、次の点に気をつけましょう。

 

暑さと寒さに注意する

シングルコートであるドーベルマンの被毛は、暑さや寒さに対する調節がしづらいという特徴があります。散歩の時間帯を変えたり、防寒のために洋服を着せたりして、飼い主が気温に対して配慮してあげるようにしましょう。

ドーベルマンがかかりやすい病気やアレルギーは?

ドーベルマンがかかりやすい病気やアレルギーは?

 

愛犬と長く一緒に過ごすため、健康維持には気を配りたいものです。ドーベルマンがかかりやすい病気とその予防法について知っておきましょう。

 

心筋症(拡張型・肥大型)

心室と呼ばれる心臓の部屋が広がったり、心筋が肥大したりすることで、循環が上手くいかなくなる病気です。肺水腫などの循環不全に陥ると、死に至ることもあります。ワクチンや定期的な聴診、年に1~2回程度、心臓のレントゲンや超音波検査などを含む健康診断を心がけると予防や早期発見につながります。

 

胃拡張・胃捻転

食事のときに興奮したり、食後に運動したりすると、空気をたくさん吸い込むことで胃が拡張して捻転してしまいます。そのままにしておくと命の危険につながる恐れも。腹部をかばうように伏せたままにして動かない、激しい嘔吐などの症状がある、という場合はすぐに動物病院を受診してください。食事はゆっくり食べる習慣をつけ、食後すぐに散歩をしないよう配慮することで予防できます。

 

股関節形成不全

先天的に股関節の形状に異常が見られ、運動時や座っているときなどに違和感や痛みが生じる疾患です。はっきりとした痛みにつながる前から、歩き方や座り方がおかしいなどのサインが見られることも多くあります。違和感を覚えたら、動画を撮るなどして記録し、診察時にその様子を見てもらってください。

 

ウォブラー症候群

「後部頚椎脊髄症」「頚椎すべり症」とも呼ばれる病気で、頚部に痛みが生じることで、首を動かす動きに違和感を覚えたり、首のあたりを触られると怒ったりします。レントゲンなどの検査が必要になるので、何かおかしいと思ったら動物病院を受診するよう心がけましょう。

 

フォン・ヴィルブラント病

遺伝性の疾患で、血液の凝固異常によって出血傾向に陥る病気です。出血がなかなか止まらない、体に内出血があるなどの異変を感じたら、すぐに動物病院を受診しましょう。万が一、大きな出血が起こった場合は、輸血が必要になることもあります。

 

脱毛症

脱毛症は、ブルーの毛色を持つドーベルマンに見られます。皮膚炎などの皮膚の異常はなく、脱毛のみが起こるのが特徴で、カラーダイリューションアロペシアと呼ばれる先天的な症状です。

ドーベルマンの日常のお手入れで気をつけることは?

健康チェックのためにも、飼い主が普段から体に触れるようにしておくことは大切です。家庭でのスキンシップの一環として、ブラッシングシャンプーを行い、飼い主がきちんと体の異変に気づいてあげられるようにしましょう。

 

ドーベルマンは被毛が短いので、ブラッシングはラバーブラシで週1回程度、シャンプーは月1回程度が目安です。抜け毛の具合やブラッシングの好き嫌い、皮膚トラブルの有無などによって、頻度は愛犬に合わせて調節してあげましょう。わからない場合は、トリマーやかかりつけの先生に相談してみることをおすすめします。


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント

ドーベルマンは外見的な特徴だけでなく、精神面でも犬種ならではの性質をきちんと理解しながら一緒に生活することが求められます。また、攻撃力の高さから、相手を死に至らしめる事故を起こすこともある犬種です。飼い主には大きな責任が伴うことを理解し、自分自身の飼育の適正を慎重に判断しましょう。正しい知識を頭に入れ、訓練士など信頼できる専門家に頼れる環境かどうかもよく考えた上で、家族に迎えることが大切です。


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