犬のうんちがゆるい!犬が下痢をする理由や家ですぐできる対処法などを解説

犬のうんちがゆるい!犬が下痢をする理由や家ですぐできる対処法などを解説

吉田尚子(獣徳会 獣医師)

吉田尚子(獣徳会 獣医師)

NPO CANBE NPOつなっぐ 日本動物病院協会理事  子どもの動物福祉教育、小児病棟犬セラピー、被虐待児童へ付添犬の派遣などに注力。保護犬猫問題にも取り組む

愛犬のうんちがゆるくなってしまうのには、さまざまな原因が考えられます。原因は一過性のものから、病気が原因の急性から慢性的なものまであるため、飼い主が日々愛犬のうんちをしっかり確認して愛犬の体調を管理することが大切です。愛犬のうんちがゆるくなる原因や対処法について解説します。

目次

  • ・ 健康な犬のうんちとは?
  • ・ 原因はさまざま!犬のうんちがゆるい主な原因6つ
  • ・ 犬のうんちがゆるいときにすぐ行いたい対処方法
  • ・ まとめ

健康な犬のうんちとは?

健康な犬のうんちとは?

ゆるいうんちとは、どのような状態を指すのでしょうか。まずは健康な犬の理想的なうんちがどのような状態なのかについて解説します。

 

硬さや色など理想的な犬のうんちの見極め方

健康な犬のうんちは、まず一定の硬さがあることが挙げられます。ティッシュでつまんでも崩れず、また地面にうんちの跡がほとんど残らない状態が理想的です。対して異常といえるうんちとは、液体に近い水っぽいうんちのほか、血が付く、硫黄臭や生臭さ、酸っぱい臭いがする場合が当てはまります。

1日のうんちの回数は「食事の回数+1回程度」が適切とされているので、12食の犬の場合は3回程度がひとつの目安になります。ただし外でしか用を足せない犬と、室内で用を足せる犬とでは回数に違いが生じます。また犬それぞれの個体差もあります。そのため、日頃から愛犬のうんちの回数や排せつする時間をよく観察しておくことが大切です。

 

下痢の種類

下痢には種類があり、重症度も異なります。下痢は大きく分けて以下の5種類が挙げられます。

  • 軽度軟便…下痢のなかでも比較的軽度で、形があってつかむことができます。ただ水分量が多いため、地面にうんちの跡が多く残ります。
  • 重度軟便(泥状便)…中度の下痢で、泥のようにべチャっとしています。形はほとんどなくつかむことができません。
  • 水溶性下痢(水便)…ほぼ水に近い下痢で、重度の下痢です。
  • 血便…下痢と併せて血便が見られるケースも珍しくありません。血便に付着している血液が、鮮血の場合は大腸や肛門からの出血が、黒ずんだ血液の場合は胃や小腸などの上部消化器官での出血が考えられます。
  • 粘膜便…透明または半透明のゼリー状の粘膜が伴う下痢です。粘膜は腸から分泌される粘膜液や腸粘液がはがれたもので、大腸に炎症などが起きている可能性があります。

原因はさまざま!犬のうんちがゆるい主な原因6つ

原因はさまざま!犬のうんちがゆるい主な原因6つ

犬のうんちがゆるいと、食べ物か病気を疑う人は多いかもしれませんが、それ以外にも多様な原因が考えられます。以下では犬のうんちがゆるくなる原因を紹介します。

 

食事による消化不良やアレルギー

新しいフードに切り替えたり、フードやおやつを与えすぎたりすると、愛犬が食べ物をうまく消化できずに下痢につながるケースがあります。フードを変える場合は、いきなり新しいフードに切り替えるのではなく、今まで与えていたフードに少しずつ新しいフードを混ぜ、1週間程度かけて新しいフードの割合を増やして慣れさせるとよいでしょう。

 

なお、乳製品や小麦、卵など特定の食材を食べた場合に下痢を繰り返す場合は、食物不耐性や食物アレルギーの可能性があります。一度に複数の新しいおやつを与えてしまうことや、お客様や外でもらってしまうことにも注意が必要です。

食物アレルギーの場合は、下痢のほか、おう吐や目や口の周辺が腫れたり赤くなったりするので、愛犬の様子を注意深く観察しましょう。愛犬にアレルギーがあるかは、動物病院で調べることができます。犬と暮らし始めたら、調べてみるのも良いでしょう。

 

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ストレスによる神経性下痢

人間がストレスでおなかの調子を崩すように、犬もストレスで下痢を引き起こすケースがあります。犬がストレスを感じる例としては、トリミング、ペットホテルや動物病院の利用、慣れない来客、引っ越し、花火や雷などの大きな音、季節の変わり目による気温差などが挙げられます。

とくに夏から秋にかけて急激に寒くなる時期など、季節の変わり目に気温の変化で下痢をしやすくなることがあります。子犬やシニア犬は体温調整機能が未発達、または衰えているため急な環境変化にすぐ適応することが難しく、注意が必要です。

多くはストレスの原因を取り除くと12日程度で改善されますが、それでも下痢が長引くような場合は別の要因が複雑に関係している可能性があります。

 

犬のストレスを見抜く!ストレスサインを知るならこちらの記事がおすすめ!

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ウイルスや細菌感染による下痢

ウイルス感染であれば、犬パルボウイルス感染症、犬ジステンパーウイルス感染症、コロナウイルス感染症など、細菌感染の場合は大腸菌やサルモネラ菌などが下痢を引き起こします。ウイルスや細菌感染は時に命に関わります。

ウイルス感染は混合ワクチンの接種で予防でき、万が一感染しても症状を軽減できるので、年に一度予防接種を受けて愛犬の健康を守りましょう。

 

寄生虫感染による下痢

犬にはノミやダニのような体外に寄生する虫のほか、回虫、瓜実条虫(サナダ虫)、鞭虫、糞線虫などの体内寄生虫がいます。体内寄生虫によって引き起こされる症状はさまざまですが、下痢やおう吐を引き起こし、排せつ物と一緒に寄生虫が排せつされるケースもあります。

多頭飼いの場合は他の犬にも感染している可能性があるほか、人間に感染する場合もあるので異変を感じたらすぐ動物病院を受診することが重要です。

 

病気による下痢

腸の腫瘍や慢性腸炎などといった腸の病気をはじめ、胃炎や膵炎、腹膜炎、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能低下症など慢性的な病気によって下痢を引き起こしている可能性があります。下痢だけでなく、元気の消失や食欲不振、おう吐、発熱などの症状も出ている場合は早めに動物病院を受診しましょう。

 

誤飲や誤食による下痢

犬は匂いを嗅いだり、舐めたりして物の状態を確認する性質があるため、誤飲や誤食につながるケースが少なくありません。とくにネギ類やチョコレートなど犬にとって有害な食べ物の誤食や、食べ物ではないものを誤飲した場合は下痢や嘔吐を伴うことが多くあります。このような誤飲や誤食は命に関わる可能性があるため、一刻も早い受診が必要です。

 

犬が誤飲や誤食をしてしまったらすぐに行いたい対処法についてはこちら!

>【獣医師監修】犬が誤飲・誤食したときの対処法は?特に危険なケースや予防法などについて解説

犬のうんちがゆるいときにすぐ行いたい対処方法

犬のうんちがゆるいときにすぐ行いたい対処方法

犬のうんちがゆるいとき、そのまま様子を見ているだけでは体調を悪化させてしまうだけでなく、最悪命に関わる恐れもあります。心配な場合はためらわずにかかりつけ医や動物病院を受診し、適切に対処することが重要です。

 

ここでは飼い主がとるべき対処方法について紹介します。いずれの場合も、飼い主の自己判断で行うのではなく、獣医師からの指示を受けて行いましょう。

 

食事を抜いて胃腸を休ませる

下痢の症状が軽い場合は、半日から一日食事を抜いて胃腸を休ませるのが有効です。とくに子犬でカロリー不足や栄養不足が心配な場合は、胃腸への負担が少ない流動食を与えるのもよいでしょう。脱水を招かないよう、水はしっかり与えましょう。

絶食の後はすぐ通常通りのフードを与えるのではなく、ドライフードをぬるま湯でふやかすかウエットフードのように消化のいいフードを与えてください。

 

食物繊維を与えて便を固める

食物繊維は腸の中で便のかさを増やしたり過剰な水分を吸収したりするほか、腸内細菌のエサとなって腸内環境を改善させる効果などが期待できます。食物繊維が豊富で犬が食べられる食べ物には、サツマイモ、キャベツなどが挙げられます。

ただし、犬は繊維の消化が得意ではないため与えすぎは腸への負担となります。食物繊維は乾物中5%未満が目安とされるので、量に注意しながら少しずつ与えてみましょう。

 

誤飲や誤食、下痢が続く場合は急いで病院を受診

誤飲や誤食をした場合、発生からできるだけ早く病院を受診して適切な処置を受けることで、症状が改善される可能性が高まります。消化できないものを食べてしまった場合は、薬や注射で吐き気をもたらす催吐処置や、外科的処置が必要となります。

なお、つまようじのように先端がとがっているものなど、誤飲や誤食したものによっては、吐かせることで消化器官を傷つける恐れがあります。吐かせる処置は個人で行わず、必ず動物病院で適切に処置してもらいましょう。

また、うんちのゆるい状況が長く続いている場合は、慢性疾患の可能性があります。うんちを持参して病院を受診すると診察がスムーズに進みます。

まとめ

まとめ

犬は言葉を話せないため、うんちがゆるい状態が続くと「食べ物が原因なのでは?」「どこか痛いところがあるのでは?」と心配になり、自分で対処法を試行錯誤してしまう飼い主もいるかもしれません。

しかし、犬のうんちがゆるくなってしまう原因は多岐に渡り、なかには命に関わる恐れもあります。犬の体調不良の早期発見につなげるためにも、日頃から愛犬の排便の様子をしっかり観察し、心配な場合は遠慮せず動物病院を受診しましょう。


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