もしもの時、犬の火葬はどうやって行うの?場所や流れ、料金の相場について解説

もしもの時、犬の火葬はどうやって行うの?場所や流れ、料金の相場について解説

くらし

2022年09月19日 更新 (2021年03月16日 公開)

獣医師でありながら、トリマー、動物看護士、ドッグトレーナーとしての実務経験も持つ。病気の早期発見、未病ケアに努める0.5次医療を提唱し、精力的に活動。

もしもの時、犬の火葬はどうやって行うの?場所や流れ、料金の相場について解説

大切な愛犬が亡くなったらどうすればいい?

連絡する昔はご遺体をそのまま庭に埋葬するケースもありましたが、近年では、犬が亡くなったら火葬をしてお骨にし、霊園や自宅で供養するのが一般的です。その他、各所に連絡をする必要があります。


犬が亡くなった場合にする連絡

  • ペットの葬儀や火葬を行う業者に連絡をします。
  • 畜犬登録をしている行政の窓口(保健所など)で登録の削除を行います。
  • 純粋犬種の場合、血統書の発行団体に連絡をします。
  • お世話になった動物病院、サロンなどへの連絡。後日ダイレクトメールなどの案内が来ると、悲しみがぶり返してしまうからです。
  • 散歩友達など、犬と親交のあった方たちへ連絡すると、偲んでいただけるでしょう。

犬が亡くなったときの法律的な考え方は?

犬が亡くなったことに関して、法律上での決まりがいくつかあります。この決まりを守ることは、犬の飼い主の義務といえるでしょう。


犬の埋葬場所は?

埋葬する場所は、個人所有宅の庭など私有地であれば法律上の問題はありません。しかし、公共の土地や他人の土地に埋葬してはいけません。間違っても公園に埋めたり、海や川に流したりしないようにしてください。不法投棄とされる可能性があります。


犬の死亡届は?

犬が亡くなった場合、法律上は30日以内に死亡届けを提出する必要があります。犬を飼う場合、狂犬病予防法により年1回の狂犬病予防接種と登録を義務付けられているため、死亡届けを出さないとその義務が発生してしまいます。ただし、死亡届の義務はあまり知られておらず、春の狂犬病接種のお知らせが届いてから慌てて届出る方も少なくありません。


犬の火葬・ペット葬儀とは?

犬の火葬犬がコンパニオンアニマル(伴侶動物)として、家族の一員と言われるようになったのは、ここ20年あまりの最近のことです。飼い主にとってペットの存在がより重要になるにつれ、ペットが亡くなった後の対応も手厚くなり、犬の火葬や葬儀を行える施設サービスも充実してきました。今では犬の葬儀も人の葬儀と同じように行い、別れの時をより丁寧に過ごす方が増えています。

ペットの火葬の種類は大きく分けて4パターンあります。


個別立会火葬

人の葬儀と同様のセレモニーを行います。


個別一任火葬

ペット霊園に任せて単独で火葬をしてもらいます。


合同火葬

他の動物と一緒に火葬されます。返骨はできません。


出張火葬

専用の火葬車が自宅まで来て火葬を行ってくれます。



お骨を手元に残したい場合や霊園に安置したい場合は、個別で火葬する必要があります。お骨を返して貰えるかどうか事前にしっかり確認しましょう。お骨を残さなくてよい場合は合同火葬だと費用の負担が軽くなります。

犬の火葬・葬儀はどこでできる?

ペット供養犬の火葬や葬儀は、さまざまな場所で行われています。依頼するところによって、内容や料金が大きく異なります。事前にしっかりリサーチしておきましょう。


民間企業

ペット火葬・葬儀会社、ペット霊園など、犬の火葬や葬儀を行っている民間企業が複数あります。


寺院・教会

ペット対応のお寺でも火葬を引き受けてくれます。少数ですが、ペット葬儀に対応している教会もあります。


自治体

ペットのご遺体は、法律上は廃棄物として扱われるそうですが、自治体によって対応はさまざまです。廃棄物として引き取る他、動物専用炉での個別立会火葬や、合同火葬などに対応している自治体もありますので、地域の市役所などに確認してみてください。

犬の火葬や葬儀はどのような流れで行われる?

犬のお墓犬の火葬はまずは、お別れの形式を決めることから始まります。

  1. 家族で話し合って、愛犬とのお別れの形式を決めます。火葬のみにするのか、読経するのか、セレモニーを執り行うのか形はさまざまです。できれば事前に相談しておくとよいでしょう。
  2. お別れの形が決まったら火葬・葬儀の業者に連絡します。立ち会う場合は、家族の予定を確認して日程を決めます。ご遺体は基本的に自宅で安置します。
  3. 火葬や葬儀を執り行います。葬儀を行う場合、コースによって費用が大きく異なります。慎重に判断を。
  4. お骨は、ペット専用の霊園に納骨する、自宅に置いて手元供養するなど、家族で相談し、全員が納得できる形を探しましょう。墓地によっては家族のお墓に入れられるところもあるそうです。

犬の火葬・葬儀はいつまでに行うべき?

特に決まりはありません。しかし、ご遺体が傷みますし、飼い主の気持ちも落ち着きません。なるべく早く供養してあげましょう。

ご遺体は基本的には自宅に安置しますが、霊園によっては葬儀の日まで安置してくれることもあります。自宅に安置する場合は、部屋の温度を下げ、保冷剤やドライアイスをタオルにくるんで身体に当てるなどして、腐敗を防ぎましょう。

動物病院やサロンでは、ご遺体のエンゼルケア(亡くなった後にシャンプーをしたりして身体をキレイにしてくれる)をしてくれるところもあります。必要に応じて相談しましょう。


犬の火葬・葬儀にかかる時間は?

身体の大きさや葬儀の方法、セレモニーのコースによって変わりますが、個別立ち合いで葬儀を行う場合、半日はかかると考えたほうがよいでしょう。

犬の火葬・葬儀に立ち会う際に必要なものは?

数珠とリード犬の火葬や葬儀に立ち会う際に、必要なものや、あるとよいものをご紹介します。


犬の火葬・葬儀に必要なもの

  • ペットの写真。遺影として使います
  • 仏式で行う場合は数珠
  • 祭壇を写真で記録に残す場合はカメラ
  • 棺を飾る、犬のお気に入りのおもちゃおやつ。おもちゃを一緒に火葬できない場合は持ち帰ります
  • お花。業者が用意してくれる場合もあります
  • お昼をまたぐ場合は、家族の軽食。亡くなってからの悲しみと慌ただしさで食事がおろそかになりがちです。しっかり見送るためには、飼い主の健康が大切です。

犬の火葬・葬儀業者を選ぶ際のポイントは?

悪質な業者に当たって、トラブルに巻き込まれたケースも見受けられます。民間の業者を選ぶときは、以下のポイントを目安に23社を比較するのがおすすめです。


民間の火葬・葬儀業者を選ぶポイント

  • 料金が明示されている
  • 所在地、電話番号などが正確に記載されている
  • 施設が見学できる
  • 電話対応がよく、質問に答えてくれる


また、かかりつけの動物病院やペットシッター、トリマー、犬を飼っていた友人などから紹介してもらうのも安心です。

犬の火葬・葬儀の料金の相場とは?

ペットの身体の大きさや葬儀・火葬の方法、業者によって変わります。一番費用負担の軽い合同火葬は小型犬で約2万円、大型犬だと約5万円が目安となるでしょう。自治体の合同火葬ならば、1,000円〜1万円程度で行ってくれるところもあるそうです。

その他にも、霊園などに埋葬する場合は、管理費や墓地の購入代などが別途必要になります。