【獣医師監修】犬に食事をおあずけさせる「待て」はもう古い? 正しい「待て」の使い方

【獣医師監修】犬に食事をおあずけさせる「待て」はもう古い? 正しい「待て」の使い方

食事前、犬に「待て」を指示してフードをおあずけしていませんか? 実はこれ、昔のしつけの名残で、現在の飼い方では必要ないのです。食事前に「待て」をさせるとデメリットもあるので、食事を与えるときは違うやり方に変えてみましょう。犬のしつけに欠かせない「待て」を教えたら、生活の中で積極的に使っていきましょう。そうすることで犬がより「待て」の指示に慣れ、いい子になるはずです。多くのメリットがある「待て」を、さまざまなシチュエーションで取り入れてみてください。

食事前の「待て」は不要! その理由って?

食事前に「待て」を指示するのは、番犬のしつけがもとになっています。昔は番犬が泥棒に餌づけされないよう、飼い主さんが「待て」の合図を解除するまでは、愛犬にものを食べないように教えていました。

しかし、それでも餌づけされてしまう犬は多くいます。さらに現在は番犬ではなく、犬を家庭犬として飼うスタイルへと変化しました。そのため、今は食事前に「待て」をさせる必要がなくなったといえるのです。

食事前に「待て」をさせるデメリット

食事前におあずけの意味で「待て」を指示すると、愛犬にとってよくないことがたくさんあります。
たとえば、おあずけさせればさせるほど食べたい気持ちが高まり、「よし」の合図とともに一気に食べることが多くなります。そうすると早食いのクセがつき、肥満などを招くことがあるでしょう。

また、「待て」の最中にフードを凝視するようになり、アイコンタクトができなくなることも。フードに対する所有欲や執着心を高めてしまい、フードボウルを下げようとするとうなって噛むようになる場合もあります。

ほかにも、「待て」=おあずけになってしまうことで、「待て」にはマイナスのイメージがついてしまいますし、犬にとって「待て」というワードがストレスになってしまうこともあるでしょう。

正しい食事の与え方

フードを与えるときは、「待て」をさせずにあげてしまってOKです。
食事のときは興奮する犬が多いもの。興奮を静めるためにおすわりをさせて、きちんとできたらフードボウルを犬の前に置いて食べさせましょう。このとき、フードボウルを犬の目線よりも高い位置で持つと、犬がおすわりをしやすくなります。
飼い主さんと目が合うように誘導し、少しでもアイコンタクトが取れたらフードをあげるようにしましょう。

※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

愛犬にリードをつけるときの「待て」

「待て」を使える日々のシチュエーションといえば、愛犬にリードをつけるときです。
散歩前のリードをつける際に「待て」といい、嬉しくて興奮している犬の動きを止めましょう。それによってリードをつけやすくなりますよ。
散歩のあとにリードを外すときも、同様に「待て」を使ってください。

散歩中、交差点を渡るときの「待て」

愛犬の身を守るためにも、交差点を渡るときは「待て」をさせ、飛び出しを防ぎましょう。
屋外ではほかにも、角を曲がるときなどにも使えます。散歩中はいろいろなシチュエーションで積極的に使ってみてくださいね。そして、きちんとできたらしっかりとほめてあげましょう。

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散歩中、ウンチを拾うときの「待て」

愛犬が散歩中にウンチをした場合、拾う間にも「待て」をさせるのがおすすめです。目を離した隙に拾い食いをしたり、犬が動こうとしてよろけたりするのを防げます。
まずは「待て」を指示し、犬がおとなしくしている間にウンチを拾うといいですよ。

食事中におとなしくしてほしいときの「待て」

飼い主さんが食事しているとき、人の食べ物をほしがる犬は多いものです。おとなしく待っていてほしいときは、飼い主さんの足元で「ふせ」と「待て」の両方を指示してみましょう。

食事のたびに実践すると、犬もどんどん慣れてくるはずです。少しずつ試してみてください。飼い主さんの食事が終わり「待て」がきちんとできていたなら、しっかりとほめてごほうびをあげてもいいでしょう。

ほかの部屋で用事があるときの「待て」

飼い主さんがほかの部屋で用事があるときや、玄関で来客に応対するときも、「待て」が使えると非常に便利です。
犬は来客に吠えたり、飼い主さんがいない部屋でイタズラしたりしがちですが、「待て」が上手にできればそれらの困りごとも防げます。「待て」をマスターさせ、飼い主さんのいない部屋でもおとなしくいられるようにしたいものですね。


第2稿:2021年2月22日更新
初稿:2020年2月28日公開

※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント:

食事前の「待て」は「おあずけ」と呼ばれるしつけで、実は本当の「待て」ではありません。「待て」を正しい状況で使うためにも、食事前のおあずけとして使わずに、すぐにフードを与えるほうがいいでしょう。
さまざまな状況で「待て」をさせると、犬も次第に慣れてくるはず。
ただし、「待て」は長時間犬を待たせることに使わないようにしましょう。「待て」に従っておとなしくじっとしていれば、必ず飼い主さんが戻ってきてほめてくれる、と犬が安心して待っていられる時間内に用事を済ませるようにしてくださいね。
「待て」を練習したらふだんの生活にどんどん取り入れて、愛犬をいい子に育てましょう。

監修/白山聡子先生(獣医師)

獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。


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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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