犬に服は必要?着せるメリットや注意点を解説【獣医師監修】

chicoどうぶつ診療所所長。体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、往診・カウンセリング専門の動物病院を開設。

犬に服は必要?着せるメリットや注意点を解説【獣医師監修】

最近はさまざまな種類の犬用の服があり、飼い主にとっても犬の服選びは楽しいものですよね。しかし、そもそも犬に服は必要なのでしょうか? この記事では、犬に服を着せるメリットや選び方のポイント、着せる際の注意点などをchicoどうぶつ診療所所長で獣医師の林美彩先生監修のもと、詳しく解説していきます。

犬に服を着せるメリットとは?

犬に服を着せることは見た目のかわいさだけでなく、いくつかのメリットがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

抜け毛が飛び散るのを防ぐ

公共施設などに犬を連れて行った場合、アレルギーの方への配慮や、ペットが苦手な方への配慮として服を着せることが有効です。

 

冬場の体温調節

特に子犬やシニア犬、イタリアン・グレーハウンドなどの寒さに弱い犬種の防寒対策になります。

 

夏場の紫外線熱中症対策

皮膚が弱い犬の紫外線対策として活躍します。また、クールタイプのものや保冷剤が入れられるタイプの服であれば、夏の散歩時や暑さに弱い短頭種、被毛が密集している柴犬などの暑さ対策にも有効です。

 

ダニ・ノミなどの虫除け

皮膚病の原因となるダニ・ノミなどが、直接被毛につくことを防ぐことが出来ます。

 

散歩の際の汚れ防止

散歩の際に、外の粉塵や土ぼこり、花粉などの汚れが体につくのを防ぎます。

 

手術後の傷の保護

手術後の傷口を舐めたり、散歩時などに汚したりしてしまわないよう、保護し衛生的に保ちます。

 

介護やトイレ対策のサポート

マーキング防止のためのマナーベルトや生理対策のパンツ、介護の際に体を持ち上げるハーネスがついているようなベストタイプの服などがあり、それぞれのケアの際に役立ちます。

犬の服を選ぶ際のポイントは?

犬に服は必要?_服を着たトイプー

人間の服を選ぶ時に素材やサイズ感などを気にするように、犬の服を選ぶ際にもいくつか気をつけるべきポイントがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

服の素材

夏は通気性が良いもの、冬は防寒性があるものを選ぶと良いでしょう。夏はメッシュ生地のもの、冬はニットなどがおすすめです。ただし、肌の弱い犬にとってポリエステルやニットは刺激を感じる場合があります。その際は、綿100%で縫い目が外についている服を選び、それでも寒い時はその上からニットなどを重ね着させると良いです。また、冬場に気になる静電気は、被毛に保湿クリームを塗るなどして対策してくださいね。

 

サイズ感

犬の服を選ぶ際は、「小さすぎず、大きすぎず」というサイズ感が重要です。伸縮性がある服であれば、やや小さめのものを選ぶと良いでしょう。また、可能な場合は購入前に試着などして、着せた際に圧迫感がないかどうかも確認してみてください。

 

そもそも、犬の服のサイズはメーカーによって基準が異なります。また、服のサイズは犬の実寸ではなく、服自体の幅などを記載していることがほとんどです。購入前にどういう基準でサイズ表記がされているのかを確認しましょう。ミニチュア・ダックスフンドの場合は、サイズ選びの際に注意が必要です。ミニチュア・ダックスフンドは胴長で、サイズが他の犬とは異なるため、SDMDといったダックサイズが記載されています。こちらもあわせて確認しましょう。

 

装飾物の誤食に注意

鈴やポンポン、リボン、パールなどの飾りがついている服は何かの拍子にこれらが取れてしまい、犬が誤って食べてしまう可能性があります。服を選ぶ際は、出来るだけシンプルなものを選びましょう。

犬に服を着せる際の注意点は?

犬に服を着せる際にはいくつか注意点があります。それぞれ詳しく見てみましょう。

 

1日中着せっぱなしにしない

着せっぱなしにすることで、皮膚・被毛の状態が分かりにくくなってしまいます。すると、いつの間にか皮膚炎が出来ていた、洋服でこすれて毛玉が出来ていたということも。また、汚れた服のまま寝てしまうのも衛生的に良くありません。服を着せる際は、毎日着替えさせ、その都度ブラッシングも行い皮膚・被毛の状態を確認しましょう。

 

無理やり着せない

犬にとって服は必須なものではありません。犬が嫌がる場合には、本当に服を着せたほうが良いのかも考えてみてください。どうしても着せなければならない場合には、短時間にとどめておきましょう。また、術後服などどうしても必要な服を嫌がる場合には、おやつなどのご褒美を用意して、これを着ると良いことがあるというトレーニングを取り入れるのも良いでしょう。

 

嫌がる場合はなるべく短時間にとどめる

服を着せることが犬のストレスになる場合もあります。そのため、前述の通り、術後服のようにどうしてもずっと着せなくてはならないという洋服以外であれば、嫌がる犬の場合には短時間にとどめたほうが良いでしょう。

 

服を洗濯する際は洗剤に注意

服を洗う際、柔軟剤を使っている方が多いですが、柔軟剤の香りで体調を崩してしまう犬も多く見られます。洗濯した洋服についた洗剤や柔軟剤などの成分は、被毛に付着し経皮吸収されてしまいます。さらに、服を脱がせた後にグルーミングを行うことで、その成分が口から体内に入り、肝臓などを傷つけてしまう恐れも。犬の服を洗う際は、重曹など天然のものを用いて洗うなど、香りの問題にも気をつけておきましょう。

犬が服を着ることを嫌がらないようにする方法は?

犬に服は必要?_袖無しの服を着た犬

せっかく服を着せようとしたのに、愛犬が服を着るのを嫌がるというケースはよくあるかと思います。犬に服を着ることを慣れさせるために、どういうことをすればいいのか詳しく見ていきましょう。

 

匂いを嗅がせたりして慣らす

まずは匂いを嗅がせて服に慣れてもらいましょう。また、最初は腕を通さずに背中にのせたり、前足だけ通すなど、ゆっくりと慣らしていくのがおすすめです。

 

袖のない服から慣らす

最初は着やすい服から試すと良いです。袖がなくマジックテープで腹側と背中側を止めるようなものなどから始めてみてください。

 

服を着る際におやつを与える

おやつなどのご褒美を与えながら、服を着ると良いことがあるという条件づけを行うと慣れてくれるでしょう。

専門家のコメント

犬に服を着せると、防寒や虫よけなどの役に立つこともあります。服のサイズや素材に注意して、愛犬にあったものを選んであげましょう。飼い主と愛犬でペアルックにしても楽しいですね。愛犬のストレスにならないよう、少しずつ慣れさせてあげたり、おやつをあげながら着せるなど工夫してみてくださいね。

監修/林美彩先生(獣医師)

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長
酪農学園大学卒業
獣医保健ソーシャルワーク協会獣医ホリスティック医療研究会所属

 

大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。テレビ番組への出演・協力のほか、「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)などの著書がある。

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