チャウチャウの性格や特徴は?飼い方やしつけのコツ、かかりやすい病気について解説【獣医師監修】

chicoどうぶつ診療所所長。体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、往診・カウンセリング専門の動物病院を開設。

チャウチャウの性格や特徴は?飼い方やしつけのコツ、かかりやすい病気について解説【獣医師監修】

がっしりとした見た目に豊かな被毛が特徴のチャウチャウは、「中国2000年の歴史を持つ犬」と言われているのをご存じでしょうか。さまざまな犬種の中でもひときわ古いルーツを持つチャウチャウの性格の特徴や飼い方のコツ、かかりやすい病気などについて、chicoどうぶつ診療所の所長である林美彩先生に解説していただきます。

チャウチャウってどんな犬?

チャウチャウの性格や特徴は?飼い方やしつけのコツ、かかりやすい病気について解説【獣医師監修】ライオンのたてがみを思わせる被毛と、困ったような表情が印象的なチャウチャウに魅力を感じる方も多いでしょう。ただし、チャウチャウの個性的な特徴はそれだけではありません。

チャウチャウの歴史やルーツは?

チャウチャウは中国の華北地方を原産とする犬種ですが、わかっていないことも多く、その歴史には以下の3つの説があります。

 

・シベリア出身のサモエドとチベット犬であるチベタンマスティフの交雑種に由来する

・超古代犬種であり、農耕や狩猟などさまざまな作業犬として使われていた

・中国古代犬種であるハンドッグの子孫とチベタンマスティフの交配によって生まれた

チャウチャウの平均的な体高・体重は?

チャウチャウは大型犬に分類されますが、その中でもそれほど大きい方ではありません。平均的な体高・体重は、オスで4856cm2532kg、メスは4651 cm2027kgとなっています。

チャウチャウの平均寿命は?

チャウチャウの平均寿命は、10歳前後と言われています。大型犬の平均寿命が13年前後なので、やや短い傾向にあります。

チャウチャウの毛色の種類や被毛のタイプは?

チャウチャウの個性のひとつであるたっぷりとした被毛は、寒さに強いダブルコート。毛色はよく知られる赤みがかった茶色だけではなく、実はバリエーションが豊富です。

毛色の種類

チャウチャウの定番の毛色はレッド(赤みがかった茶色)ですが、他にもブラック・ブルー(青みがかったグレー)、フォーン(小鹿のような淡い黄色)、ホワイト(わずかに黄色がかった白色)などがあります。ですが、基本的に単色のみで、パーティーカラー(白地に1色または2色が入ったもの)は公式には認められていません。

被毛の特徴

チャウチャウというとふさふさとした被毛を持つイメージがありますが、長毛で毛が立っているラフコートだけでなく、短毛でなめらかなムースコートもいます。どちらもオーバーコートとアンダーコートのダブルコートとなっているため、抜け毛はとても多いです。

チャウチャウの外見や吠え声の特徴は?

チャウチャウは密度の高い被毛を含め、いくつかの特徴的な外見を持っています。また、あまり吠える印象はないかもしれませんが、その吠え声の特徴はあるのでしょうか。

外見

ふわふわとした被毛

長毛のラフコートを持っている場合にはふわふわしています。短髪のムースコートもみっしりと豊かな被毛を持っています。

がっしりとして筋骨隆々

被毛の下に隠れている骨格はしっかりとしていて、がっしりとした筋肉で覆われています。

 

舌が青黒い

舌の色はチャウチャウの大きな特徴の一つです。青黒い色をしており、初めて見るときにはびっくりするかもしれませんが、これが健康な状態です。

特徴的な歩き方

チャウチャウの身体的特徴の1つとして、後ろ足がピンと伸びています。そのため、上下に揺れながら歩く様子が少しぎこちなく見えるかもしれません。

巻いた尻尾

ピンとしたまっすぐな尻尾ではなく、らせん状にくるくる巻かれた可愛らしい尻尾をしています。

しかめっ面のような表情

顔に深いしわがあり、しかめっ面をしたような顔をしています。

吠え声

低めの声で吠える子が多いです。個体差はありますが、無駄吠えは多い方ではありません。

チャウチャウの性格の特徴は?

チャウチャウの性格や特徴は?飼い方やしつけのコツ、かかりやすい病気について解説【獣医師監修】番犬としての古い歴史を持つチャウチャウは、冷静で落ち着いた性格です。甘えん坊でかまって欲しいタイプとは違って、落ち着いて家族を静かに見守ってくれるでしょう。その性格を少し詳しく見ていきましょう。

独立心が強い

生まれつきの番犬と言われるように、警戒心や独立心が強く短気な面があるようです。

冷静で物静か

感情を大きく表現することがあまりない犬種です。

 

マイペースで頑固

自分のペースを乱さず、これと思ったらなかなか曲げない子が多いようです。

 

警戒心が強い

これも生まれつきの番犬と言われることに関係しているかもしれませんが、警戒心が強い傾向があるようです。下手に刺激した場合、威嚇や噛みつくなどの攻撃的な行動が見られることもあります。

 

飼い主に従順

積極的に親愛の情を示すタイプではありませんが、きちんとしつけができている子は、従順に飼い主の指示に従います。

オスとメスで性格の違いはある?

オスはメスに比べるとやや独立心が強く頑固な傾向があり、遊ぶのはあまり好きではないようです。

チャウチャウを飼うのに向いている人は?

チャウチャウは、見た目の可愛らしさとはちょっと違ってクールな子が多いです。その特徴を知って、ご自身が飼い主としてマッチするかを考えてみてくださいね。

根気よくしつけをし、責任を持って育てられる人

体が大きいため、トレーニングやしつけを行っておかないとトラブルに発展してしまうかもしれません。しっかりとトレーニングやしつけを行い、責任を持って飼える人が向いています。

お手入れを苦に感じず、楽しんでできる人

ダブルコートで抜け毛が多いため、毎日のブラッシングや適切なタイミングでのトリミングが必要となります。飼い主自身が忙しかったりする場合は、チャウチャウを迎えると苦労してしまうかもしれません。

暑さ対策の温度管理がきちんとできる人

暑さに弱い犬種ですので、夏場はエアコン代がかさむこともあるでしょう。温度管理、湿度管理がしっかりでき、ある程度のエアコン代などをあまり気にせず飼える方におすすめできる犬種と言えます。

番犬を求めている人

チャウチャウのルーツそのままに、番犬を迎えたいという家族にはぴったりでしょう。ただ、しっかりトレーニングやしつけも行わないと、飼い主が負傷してしまったりする可能性があるので注意が必要です。

チャウチャウは初心者が飼っても大丈夫?

飼い主に忠実な反面、独立心が強く、マイペースで頑固という性格を持っているため、一般的にしつけがしにくい犬種と言われています。また、被毛の抜け毛が多く、暑さ・湿度に弱いため、日本の気候は不向きです。これらをしっかりとコントロールしなければならないというところから、初心者にはややハードルが高い犬種かもしれません。

チャウチャウを飼う上で気をつけるべきことは?

チャウチャウの性格や特徴は?飼い方やしつけのコツ、かかりやすい病気について解説【獣医師監修】かわいらしい見た目とは違って、頑固で扱いが難しい一面もあるチャウチャウ。また、体調管理にも注意が必要です。以下のポイントを押さえつつ、トラブルに発展することのないように気をつけてあげましょう。

警戒心が強いため、知らない人が近づくと噛むことも

警戒心が強い犬種ですので、知らない人が近づくと噛むことがあります。知らない人だけでなく、家族に対しても噛みつくことがあるので注意が必要です。

暑さ対策

ダブルコートで被毛も密なため、暑さに弱い犬種です。部屋の温度や湿度の管理はしっかり行うことが重要です。

関節が弱いため、過度な運動は避ける

関節が弱いところがあるため、しっかりと筋肉をつけてあげることが必要です。また、関節に無理がかかるような過度な運動は避けましょう。

積極的に動きたがらない、かつ肥満になりやすいので注意

肥満になりやすい体質である上に、積極的に動きたがらない傾向があるので、体重には気をつけてあげたいですね。犬も人間同様に、摂取カロリーが消費カロリーを上回ると肥満になります。食事量と体重の増減はこまめにチェックしましょう。

チャウチャウの日常のお手入れで気をつけることは?

魅力の一つである、被毛の管理をどうするのかがチャウチャウを飼う上でのお手入れのポイントです。

毎日のブラッシングを行う

抜け毛がかなり多い犬種ですので、毎日行うことが推奨されます。

適切なタイミングでトリミング、シャンプーを行う

あまりにも被毛が伸びすぎてしまったり、毛玉ができてしまったりするような場合にはトリミングが必要です。シャンプー自体は汚れに応じてですが、月1回は行ったほうが良いかもしれません。

チャウチャウのしつけをするコツは?

チャウチャウは頑固な一面があるためにしつけには根気が必要です。また、独立心が強く物事を自分で判断しようとする傾向があるので、飼い主として毅然とした態度で接するようにしましょう。飼い主に従順で愛情深いという面を引き出すためにも、きちんとしたしつけが必要です。

しつけを始める時期

子犬のときから公園などへ行き、人や動物、環境に慣れさせて社会性を育てましょう。おうちに迎え入れて環境に慣れたら、なるべく早めに行うといいでしょう。

おすすめのしつけの方法

ほめて伸ばす

チャウチャウのしつけには、叱らず、ほめて伸ばす方法が推奨されています。

「待て」の訓練

ケージでおとなしく待つための「待て」がチャウチャウのしつけの基本となります。「待て」ができるようになると、色々な場面で役立ちます。トリーツ(ご褒美)を使いながら、無理せず、根気よく訓練しましょう。

仰向けで抱っこをする

小さいときからトレーニングしてお腹を見せることの抵抗をなくしておくといいでしょう。仰向けで抱っこされることに慣れさせておきましょう。

歯磨きに慣れさせる

歯の健康は全身の健康につながります。小さいころから口腔や口腔内を触らせてくれるトレーニングしておくと、将来的に投薬が必要な際などにも役立つと考えられます。

チャウチャウの食事の注意点は?

前述しましたが、太りやすい傾向にありますので、食事量と運動量を考えて適正な量を与えるのがおすすめです。チャウチャウには脂肪の含有量が少なく、高タンパク質を含んだドライドックフードなどを与えると良いでしょう。

チャウチャウがかかりやすい病気は?

チャウチャウの性格や特徴は?飼い方やしつけのコツ、かかりやすい病気について解説【獣医師監修】チャウチャウには大型犬によく見られる病気や、被毛や顔の構造による影響でかかりやすい病気があります。

熱中症

被毛が密であるため、体の熱を逃しにくく熱中症になりやすい傾向にあります。気温が高い時間帯の散歩は控えたり、散歩時に保冷剤やファンなどを用意して体の熱を逃がしてあげたりすると良いでしょう。

眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)

瞼が内側に巻き込まれ、まぶたのふちが眼球に接してしまうことによって、流涙、角膜の傷、粘膜充血などの症状が出てしまいます。予防法はなく、目薬で対症療法を行います。また、あまりにも症状がひどい場合は外科的治療が検討されます。

鼻腔狭窄

短頭種に多い疾患で、鼻腔が狭くなっていることによって空気の通りが悪く、ちょっとした運動や気温の上昇で、息が荒くなり呼吸促拍(こきゅうそくはく)が見られてしまう疾患です。鼻腔狭窄があることによって、熱中症も起こりやすくなります。体のつくりによるものなので予防方法はありませんが、外科的手術で鼻腔を広げるなどの治療を行うことができます。

軟口蓋過長(なんこうがいかちょうしょう)

硬口蓋から後方に伸びた軟口蓋と言われる部分が通常よりも長いことによって、呼吸が妨げられて起こる呼吸器系疾患です。短頭種によくみられる疾患で、短頭種症候群の一つと言われています。症状がひどい場合には手術を行い、軟口蓋を切除します。

股関節形成不全

関節部分の骨の変形によって、股関節がかみ合わなくなることで起こる疾患で、痛みから運動をしたがらなくなります。歩くときにお尻が左右に揺れる(モンローウォーク)などが見られるのも特徴です。遺伝による要素が大きいといわれていますが、肥満などによっても悪化することがあります。予防は難しく、軽い症状であれば内服薬を用いた理学療法などを取り入れたりしますが、症状が重い場合には手術で骨頭切除を行ったりします。

皮膚病

左右対称脱毛を起こす成犬型成長ホルモン反応性皮膚病になりやすい犬種とされています。そのほかにも顔に深いしわがありますので、皴壁性(しゅうへきせい)皮膚炎なども起こしやすいです。こまめにブラッシングをすることで皮膚の異常に早く気付くことができ、早期治療が行いやすくなります。

チャウチャウを散歩させる際に気をつけるべきことは?

チャウチャウはあまり散歩が好きな犬種ではないため、大型犬としては短めの散歩で満足するかもしれません。けれども、愛犬自身が望まないからと言って散歩をしないと肥満につながります。以下の点に気をつけて散歩をさせるようにしましょう。

散歩の時間、頻度

1日2回、1回あたり1530分程度が適していると言われています。

他の犬や子どもに噛み付かないように注意する

警戒心が強く、知らない人や物に対して敵対心を抱くことがありますので、トレーニングやしつけができていない場合には、人通りが少ない場所や、他犬とすれ違わないような場所、時間帯に散歩するといいでしょう。

散歩をする時間帯に注意する

暑さに弱いので、外気温が高く太陽が出ている時間帯は避け、気温が落ち着いてから散歩するようにしましょう。

チャウチャウにおすすめの遊びやトレーニングは?

チャウチャウは運動が苦手な犬種です。ただし、季節や天気が散歩に適さない時も、遊びやトレーニングを通じてなるべく運動はさせたいものです。家の中でノーズワークを行うと、頭を使うことで疲労感を感じることが出来ます。また、狩猟本能を持っているため、ボール遊びなども取り入れると良いでしょう。

専門家のコメント

見た目の可愛らしさとは裏腹にクールで独立心の強い一面があり、そのギャップもチャウチャウの魅力と言えるかもしれません。しっかりとしつけを行い、良好なコミュニケーションを取れるようになると、飼い主だけにちらりと見せる愛情がたまらない存在になるかもしれません。温度管理や被毛のお手入れなどに費用もかかり、しつけも難しいので、それらを踏まえておうちにお迎えするかを決断することをおすすめします。

監修/林美彩先生(獣医師)

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長
酪農学園大学卒業
獣医保健ソーシャルワーク協会獣医ホリスティック医療研究会所属

 

大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。テレビ番組への出演・協力のほか、「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)、「獣医師が考案した一汁一菜長生き犬ごはん こだわりの安心レシピ&作り置きOK! 」(世界文化社)などの著書がある。林先生が執筆された著書の紹介ページはこちら

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