【獣医師監修】チワワってどういう犬?性格や飼いやすさ、しつけを始める時期や特徴について解説

【獣医師監修】チワワってどういう犬?性格や飼いやすさ、しつけを始める時期や特徴について解説

小柄な体と大きな目が可愛らしいチワワ。非常に人気の高い犬種で、飼っている飼い主さんも多いでしょう。そのチワワの性格や特徴を知っていますか? 今回は獣医師の茂木千恵先生に教えていただいた、チワワのルーツや性格、飼う時のポイントや好きな遊びなどについて解説していきます。

チワワの歴史、ルーツは?

愛玩犬として有名なチワワですが、その歴史は意外と古く、ルーツはメキシコで野生に生息する小型の狐のような犬であったと考えられています。というのも、メキシコ中部にあるトゥーラの街の遺跡に残されている「テチチ」と呼ばれる小型犬の姿が今のチワワにそっくりなのです。

 

チワワの名はメキシコ最大の州であるチワワの名前に由来しています。7世紀~9世紀ごろにメキシコで栄えたトルテカ文明時代にトルテカ人と共に暮らすようになり、現在のチワワの原型ができました。

チワワの体高、体重、平均寿命は?

野原とチワワ実は、チワワは個体差の大きい犬種です。そのため体重の犬種標準はありますが、体高は規定されていません。理想体重は1.5 kg 3 kgとされています。

 

平均的な体高は1220cm。近年では品種改良により、さらに小柄なチワワもいます。一方で3kgを超える体格になる個体もおり、同じチワワであっても身体つきはそれぞれです。

 

また、チワワは、平均寿命が1416歳と長生きする犬種です。こまめなケアと慎重な観察を続けることで疾患の早期発見、早期治療、健康寿命の延長につながります。

チワワの毛色の種類は?

チワワの毛色にはアメリカンケネルクラブに登録されているものだけでも30色、これにマーキングと言われる模様の入り方が11種類もあり、その組み合わせによりチワワの外見には多くの種類が存在します。

 

以下に代表的なチワワの標準色を紹介します。


チワワの標準色

・ブラック…黒一色のみのカラーです。若干白色が混じっていてもブラックと呼びますが、白色の比率が一定以上を超えるとブラック&ホワイトになります。

 

・チョコレート…こげ茶色のような若干黒寄りの濃い茶色のカラーです。

 

・クリーム…シチューのようなあたたかみのある白です。

 

・フォーン…小鹿のような柔らかみのある茶色です。

 

・レッド…赤味のかかった褐色です。

 

単色では上の5色ですが、ミックスカラーとしてブラック&タン、チョコレート&タン、フォーン&タンもあります。

 

ジャパンケネルクラブでは、大理石のような模様のマール以外の全ての毛色を認めています。マール同士で子犬が産まれると子犬が健康被害を持つ確率が高いため、犬の安全のためにマールは認められないことになりました。


チワワの被毛

毛色の豊富なチワワですが、被毛にも種類があります。長毛のロングコートと短毛のスムースコートの2タイプです。ロングコートチワワは、アンダーコートとオーバーコートがあるダブルコートです。ロングコートチワワの被毛は絡まりやすく毛玉ができやすいため、こまめにブラッシングをする必要があります。

 

スムースコートチワワは、短くてしっとりとした被毛が特徴です。換毛期には抜け毛がかなり多く出るため、特に念入りにブラッシングをして換毛を促進してあげましょう。

 

 

チワワの性格は?

笑っているチワワチワワは全犬種のなかで最も体格が小さい犬ですが、遊びなどの活動性は低めで勇敢な性質を持ち、飼い主への愛着も強い傾向にあります。他の犬とも友好的ですが、知らぬ人への警戒心は強く、吠えやすい犬種とされています。また興奮しやすいため、飼い主さんは行動のコントロールは欠かせないでしょう。

 

またオスとメスでも性格が異なります。メスはオスに比べて人懐こさや服従性が高く、トイレのしつけなどがしやすいです。また母性を伴う行動を見せやすく、同居している犬や飼い主を守ろうとして、他の犬などに吠えることがあります。オスはメスに比べて縄張り意識が強く、活動的で攻撃性が高くなります。去勢手術を行うと、これらの特徴は弱められます。

チワワは飼いやすい犬? チワワを飼うのに向いているのはどんな人?

チワワを飼うのに向いている人はどんなタイプでしょう。獣医師を対象としたある調査結果では、チワワは飼い主への攻撃性が高く、服従訓練への反応が低いことがわかっています。これは初めて犬を飼う人に不向きな性質と言えるでしょう。飼い始めたときからの一貫した対応と家庭内のルールづくりをすることが重要です。また、子どもへの攻撃性も高い傾向にあるため、子どものいる家庭は噛みつかれるなどの危害が加わらないような予防対策が必要になります。

 

また、チワワは寒さに弱い犬種なので、屋外で飼うのに適していません。屋内でも季節に応じて冷感マットやペット用ヒーターなどを活用し、一定の温度を保つ必要があります。屋内飼いができる環境があることもチワワを飼うのに向いている人の条件と言えるでしょう。

チワワのしつけはいつから始める?

走るチワワチワワは飼い主への攻撃性が高く、服従訓練への反応が低いという特徴があります。そのため、飼い始めたらすぐに家庭内のルールを教えましょう。トイレトレーニング、ハウス(クレート)トレーニング、基本的な号令のトレーニングなどはおうちに来た日から始めます。

 

トレーニングへの反応性が高くないので、時間をかけてしっかりと取り組む必要があります。また、小さいからと重要視しない飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、チワワは攻撃性が高く、飼い主や家族、特に子どもなどへの噛みつきは高い頻度で見られます。

 

攻撃性はエスカレートしますし、攻撃的にふるまっていても内心は不安と葛藤を感じていることが多いため、精神的な落ち着きとはかけ離れた日常生活になってしまっている子もいます。しっかりと家庭内のルールを教えて、飼い主さんと信頼し合えた落ち着いた日常生活が送れるようにしつけをしましょう。そのためにも、以下の2つのしつけはできる限り早く覚えさせましょう。


ハウス(クレート)トレーニング

ハウス(クレート)内で落ち着いて過ごせるようになると、日頃から、「ハウスは安心できる場所」として精神的な安定をもたらします。また災害時に避難する時にも役立ちます。まずはフードやおやつを中で食べさせるところから始めて、ハウスに愛着を持たせるようにして慣れさせましょう。慣れてくると留守番時や休憩時にも使うことができます。


無駄吠えに対するしつけ

チワワは音への感受性が高く、恐怖を感じると吠えることで相手を退けて自らの身を守ろうとします。友人や知人の家に遊びに行った時に、その家のチワワに吠えられた経験を持つ人は少なくないでしょう。意外に大きな声になりますので、集合住宅では飼い主さんを悩ませる原因にもなっています。そのため、子犬の頃から過剰に吠えないよういろいろなことを経験させ、さらには日常生活の環境を整えて日ごろから安心して過ごせることが大切です。

チワワを散歩する際に気を付けることは?

チワワは動くことが大好きです。散歩は、しっかりと足早に歩かせることで気分転換や運動不足解消に効果があります。そのため、できれば130分の散歩が必要です。運動不足は過体重や問題行動の原因となります。留守になりがちなご家庭の場合、12回朝と晩に15分ずつ出るほうが良いでしょう。

 

散歩の際は、他の体格の犬が良く使っている首輪やリードではなく、ハーネスと軽量のリードをチワワに使用することをオススメします。チワワの首が非常に小さく弱いため、他の犬と同じような力で首輪を引っ張るとケガをしてしまう可能性があるからです。急に他の犬に会って興奮してしまった時などとっさに対応できるようにしておきましょう。

 

犬に適したサイズのハーネスを購入し、それに応じて快適にフィットするように調整してください。冬用のコートやレインコートなど一部のチワワの衣類には、このハーネス器具が組み込まれていたり、リードをつなげるための開口部があったりするため、寒いときの散歩に使いやすいものもあります。

 

また寒さに弱い特徴がありますので、冬場は明け方や夜の散歩は避けたほうが良いでしょう。日中であっても真冬では防寒具が必要です。また雨も体温を奪うため、悪天候時は散歩に出られなくとも構いません。屋内で遊べるような準備をしておきましょう。

チワワにおすすめの遊び

チワワにも好きな遊びがあります。その中でも簡単なものを以下にご紹介します。


探しものゲーム

チワワが得意なのは嗅覚を使って探し当てる遊びです。フードやおやつを容器や箱に隠して部屋中に置いて探させます。特定の匂いをおぼえさせて、家具内に隠したものを探させる「ノーズワーク」は練習が必要ではないので気軽に取り組める遊びです。


「おいで」ゲーム

「おいで」とチワワを呼び寄せる遊びです。家に二人以上の人がいる場合は、離れたところに立って、交互に犬を呼びよせる方法で犬に運動させることができます。


他の犬と遊ぶ

チワワは他の犬と遊ぶことも大好きです。飼い主さんとの遊びでは得られない敏捷な動きによる心身の活性化が期待できます。ドッグランなども子犬の時期から出入りしてお友達犬ができると通いやすくなります。

チワワの食事の注意点

寝そべっているチワワチワワは小食で選り好みをする場合も多いです。もし初めて食欲不振が見られたら、まずは病気を疑い、動物病院で診察してもらいましょう。健康体であることが分かった場合は、心因性のもの、単におなかが空いていないといった理由が考えられます。

 

選り好みをする場合の対処法として、十分な運動と一緒に遊ぶコミュニケーション時間を多くとるようにすることをおすすめします。号令を使った簡単なしつけトレーニングをできたとき、ご褒美としてフードを与えることで、満足度を高めることができます。また、食べないでいると叱りたくなることもありますが、叱られると不安や不信が募ります。ちなみに残したものは15〜30分したら片づけても構いません。食べないからといっておやつなどを与えてしまうと、ますますフードを拒否するようになってしまうことが多くなります。

 

チワワの寿命は10〜18歳と比較的長生きですが、その寿命と食事には密接な関係があります。食事を通して体重管理をしっかりとすることで健康に長く過ごせるようにケアをしましょう。

 

チワワの日常のお手入れ方法

ロングコートチワワの場合は、被毛がもつれて毛玉になりやすいため、こまめなブラッシングと月に1回程度のシャンプーで衛生状態を高く保ちましょう。毛玉は部分的な脱毛の原因ともなります。

 

スムースコートのチワワの場合でも、毎日のブラッシングと定期的なシャンプーが必要です。またどちらのタイプも換毛期には、非常に多くのアンダーコートが抜けるためブラッシングはより丁寧に行う必要があります。

 

チワワの子犬が生後4か月〜6か月の頃には成長による換毛期があります。この時期は子犬の毛から成犬の毛へと生え換わる時期です。この時期も大量に毛が抜けますのでブラッシングは欠かせません。家に迎えたころからブラッシングはご褒美を使って慣れさせて、落ち着いてブラッシングされることに慣らしておきましょう。

チワワがかかりやすい病気は?

チワワは角膜炎や眼球突出などの眼科疾患、膝蓋骨脱臼、水頭症のリスクも高い犬種です。普段の生活の中でちょっとした気配りをすることで、病気やケガを防ぐこともできます。どういった症状の病気にかかり安いのか、また自宅でできる対策をご紹介します。


眼球突出

チワワは頭蓋骨の長さに比べて鼻の長さが短く、前頭部が丸くせり出しているため眼球が収まりにくい骨格になっています。そのため少しの衝撃が加わると突出してしまうことがあります。扉にぶつかった、遊びが高じて転んだなどの原因が多いようです。

 

眼球突出は強い痛みを伴い、涙の量も異常に増えます。また攻撃的になったりじっとして動かなくなったりすることもあります。目が突出する原因に心当たりがあれば獣医さんに相談しましょう。治療は眼球を温存するために点眼薬と眼瞼を縫う手術が行われます。突出した状態をそのままにしておくと、感染が起こり、壊死してしまうこともあります。状態が悪い場合は摘出してしまうこともあります。


膝蓋骨脱臼

大腿骨内にある「滑車溝」というくぼみから膝蓋骨が外れた状態が膝蓋骨脱臼で、足を引きずったり、曲げにくそうにしていたりしたら、脱臼の徴候です。高いところから飛び降りたり、ジャンプしたりするなど、膝に強い衝撃が加わる動きが原因で、膝蓋骨が本来の位置からずれてしまった状態です。

 

膝蓋骨脱臼には衝撃が加わったことで発症する「外傷性」と、遺伝的に起こりやすい骨格で生まれてきてしまう「先天性」があります。チワワは膝蓋骨脱臼になる可能性が高い犬種です。治療は、内服薬による内科的治療と手術による固定法を行う外科的治療があります。

 

普段から衝撃が膝に入らないように、段差の少ない家具を使う、散歩などで下りの坂道を使わないなどの注意が必要です。また過体重や運動過剰にならないよう気をつけましょう。


水頭症

脳の一部に体液が溜まって脳神経が圧迫される疾患で,遺伝的にチワワに起こりやすい疾患です。また脳内の感染や炎症によって異常に体液が溜まることもあります。

 

全く症状を示さない場合と行動異常や発作など異常が認められて精密検査をすると水頭症が見つかる場合があります。精密検査としてX線検査やCTスキャンが行われて体液の貯留が見つかれば確定診断となります。日常生活に影響のある症状が認められる場合は薬物療法や手術によって脳内の圧をさげる治療が行われます。

専門家のコメント

可愛らしい外見とは裏腹に、意外と攻撃性の高いチワワ。きちんとしつけをしてあげれば、家族の一員として仲良く暮らすこともできます。寿命の長い犬なので、体重管理やフードに気を配りつつ、楽しい時間をたくさん過ごしてくださいね。

監修/茂木 千恵先生(獣医師)

ヤマザキ動物看護大学准教授。博士(獣医学)。専門は獣医動物行動学。大学で教育研究活動の傍ら、動物病院でもしつけや問題行動のカウンセリングを行う。テレビ朝日系列動物特別番組 、日本テレビ系列「志村どうぶつ園」などに動物行動学コメンテーターとして出演。雑誌「Shi-ba」「プードルスタイル」(辰巳出版)などの記事監修も多数担当している。


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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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