キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格や特徴は?寿命やしつけ、かかりやすい病気について解説【獣医師監修】

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格や特徴は?寿命やしつけ、かかりやすい病気について解説【獣医師監修】

堂山有里(獣医師)

堂山有里(獣医師)

バーニー動物病院千林分院分院長。ペット薬膳管理士、中医学アドバイザー。動物病院でペットの診療にあたる傍ら犬猫の手作りご飯教室や問題行動のカウンセリングを行う。

優しげな表情がかわいいキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル。家庭犬として人気の犬種ですが、飼い主になるなら知っておきたいこともたくさんあります。今回は、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの犬種の性格やしつけの仕方、飼育上での注意点などを、バーニー動物病院千林分院 分院長で獣医師の堂山有里先生に解説していただきます。

目次

  • ・ キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの歴史やルーツは?
  • ・ キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの体高・体重は?
  • ・ キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの平均寿命は?
  • ・ キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの毛色の種類や特徴は?
  • ・ キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格の特徴は?オスとメスで違いはある?
  • ・ キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルを飼うのに向いている人は?
  • ・ キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの外見や吠え声の特徴は?
  • ・ キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルがかかりやすい病気と、その予防法は?
  • ・ キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの食事で気をつけることは?
  • ・ キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの日常のお世話で気をつけることは?
  • ・ キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのしつけの仕方と注意点は?
  • ・ キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルを散歩させる際に気をつけることは?
  • ・ キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルにおすすめの遊びやトレーニングは?
  • ・ キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルを飼う際の注意点は?

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの歴史やルーツは?

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのマズル

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの原産国はイギリス。祖先は15001800年代に当時のイギリス王室や貴族の間で人気の愛玩犬であったトイ・スパニエルと言われています。チャールズ2世(在位16601685年)を描いたヴァン・ダイクの絵画にペット犬が描かれていますが、この犬がトイ・スパニエルです。

1800年代に入ると一時期、イギリスでマズル(口吻)が短い犬が流行し、トイ・スパニエルもマズルの短いタイプが多く作出され、キング・チャールズ・スパニエルと呼ばれました。その後、1920年代にアメリカ人のローズウェル・エルドリッジが、チャールズ2世の肖像画に描かれたマズルの長い昔のトイ・スパニエルを甦らせるために懸賞金をつけて広告を出したことから、マズルの長いタイプの復刻の動きが活発化します。そして、愛玩犬として改良され、チャールズ国王に付き添う犬という意味の「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」の名で、独自に犬種として認められるようになりました。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの体高・体重は?

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの平均的な体高と体重を見ていきましょう。


体高

平均的な体高は3133cm程度です。


体重

平均的な体重は58kg程度です。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの平均寿命は?

寿命については個体差がありますが、平均寿命は914歳とされています。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの毛色の種類や特徴は?

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの毛色

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの毛色は主に4色に分けられます。


主な毛色

  • ブレンハイム(栗色と白)

鮮やかなチェスナット(栗色)のマーキング(斑)が、パーリー・ホワイトの地に分布しています。斑は頭部に均等に分布し、耳の間には菱形の斑(ロサンジュ)があることに価値が置かれます。

  • トライカラー(赤褐色と黒と白の三色)

ブラックとホワイトの地に、両目の上や両頬、耳の裏側、脚、尾の裏側にタン・マーキング(赤褐色の斑)があります。ほかの三色の毛色の組み合わせはよくありません。

  • ブラック・タン(黒と赤褐色) 

真っ黒で艶のあるブラックの地に、タン・マーキングが両目の上や両頬、耳の裏側、胸及び脚、尾の裏側にあります。タンは明るい色調であることが必須です。

  •  ルビー(赤褐色)

被毛全体が鮮やかなレッドの毛色をしています。


被毛の特徴

錦糸状の長毛で、わずかにウェーブがありますが、強い巻毛の個体もいます。毛質は細くしなやかで、絡まりやすい質感。上毛と下毛の2層で構成されるダブルコートの犬種なので、換毛期には抜け毛が増えます。


キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格の特徴は?オスとメスで違いはある?

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは攻撃性がなく、誰にでも温厚で優しい性格で、穏やかで興奮することがなく物静かです。スキンシップを好み、人に触られることに抵抗がありません。人に寄り添ってくれる愛情深い犬で、飼いやすい犬種と言えます。


オスとメスで性格に違いはある?

オスとメスによる性格差は他犬種ほどはありませんが、オスのほうが多少活発さがあります。


キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルを飼うのに向いている人は?

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは人が好き遺伝的に心疾患を発症する確率が高いので、病気とうまく付き合っていく必要があります。そのため、飼い主となる人は、病気の治療に時間とお金を費やすことのできる人がよいでしょう。

また、毎日ブラッシングするなどお手入れに時間を割ける人も、飼い主に向いています。長時間の留守番は苦手な犬種なので、飼い主は留守がちではない人が望ましいです。

ほか、穏やかな性格の犬を飼いたい人、犬とスキンシップを取りたい人、犬と家の中でゆったりと過ごしたい人も、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルと相性がよいでしょう。


キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは初心者向きの犬?

人と一緒にいることを好み、友好的な性格のキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、初めて犬を飼う初心者にとって飼いやすい犬種と言えます。しかし、遺伝的に心疾患などの発症確率が高いので、病気になった際に治療やお世話をしっかりする覚悟が必要でしょう。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの外見や吠え声の特徴は?

外見は大きくて丸い目と発達した口唇が特徴で、長い耳に豊かな飾り毛が生えています。体は小柄ながら均整が取れており、艶やかな被毛が優雅な雰囲気をたたえています。また、穏やかな性格のため、比較的吠えにくい犬種です。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルがかかりやすい病気と、その予防法は?

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルがかかりやすい病気とその症状、飼い主ができる予防法を見ていきましょう。


心臓疾患(僧帽弁閉鎖不全)

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは遺伝性心疾患の発症リスクが高い犬種です。心疾患に罹患していても、初期は医師でなければ発見しにくいため、定期的に動物病院で健康チェックをしてもらいましょう。心機能の低下が見られても早期に治療薬の服用を開始すると、病気の進行を遅らせることができると報告されています。


肥満

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは太りやすい犬種のため、体重を定期的に測ることが肥満の予防になります。また、犬が1日に口にする食べ物の総量を把握し、1日の摂取適正量を超えないようにすることが必要です。


キアリ様奇形

キアリ様奇形は、後頭骨の奇形により小脳の一部が頭蓋骨の穴から滑り出て脳幹を圧迫することで、さまざまな症状を起こす疾患です。年齢が若いときに発症すること多いですが、先天性であり、現時点では予防が難しい疾患です。


脊髄空洞症

脊髄空洞症は脊髄内に空洞ができることにより、首の痛みから四肢の痺れまでさまざまな神経症状が出る病気です。無症状の場合もあります。キアリ様奇形によって脳脊髄液の流れが変化した結果、脊髄内に空洞が形成されると考えられていますが、詳細なメカニズムはまだ解明されていません。したがって予防も困難です。


外耳炎

耳の入り口から鼓膜までの部分である「外耳道」に起きる炎症のことです。日頃から外耳道の洗浄を行い清潔に保つことが予防になります。定期的に動物病院を受診し洗浄してもらうとよいでしょう。


膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼は、膝蓋骨(膝のお皿)が正常な位置から外れ、膝関節を伸ばせなくなってしまう病気です。原因の多くは膝関節まわりの筋肉や靭帯の異常など先天的なものなので、予防はできませんが、膝蓋骨脱臼をしやすい犬が激しい運動をしたり肥満になったりすると、靭帯を損傷し歩けなくなることがあります。靭帯損傷の予防のためには、太りすぎないことや激しい運動を避けること、床を滑りにくい材質にすること、そして適正な運動により良質の筋肉を維持することが大切です。


キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの食事で気をつけることは?

食事の際に気をつけたいことを見てみましょう。


フードの選び方

栄養バランスの取れる総合栄養食がおすすめです。心臓が悪い犬には塩分制限食を食べさせる必要がありますが、独自判断はしないで獣医師の指示に従ってください。また、太りやすい犬種なので、カロリーの低いものを選ぶようにしましょう。


食べさせ方

首に負担がかからないように、食事の際には台座を使用し、自然な立位で食べられるようにするとよいでしょう。この方法で食べさせると、顔まわりの被毛も汚れずに済みます。


キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの日常のお世話で気をつけることは?

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのブラッシング

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの日常のお世話で、気をつけたいことをご紹介します。


ブラッシングを念入りにする

被毛が細く長く量も多いので、絡まりやすく毛玉ができやすい毛質です。また、ダブルコートのため、換毛期には抜け毛が増えます。抜け毛や毛玉防止のため、ブラッシングは毎日念入りに行いましょう。


外耳道を清潔に保つ

外耳炎になりやすい犬種です。外耳炎を予防するために、外耳道を清潔に保つことが大切です。


独りで過ごすことに慣れさせる

人と一緒にいることを好む犬種なので、留守番は得意ではありませんが、やむを得ず留守番をさせることもあるでしょう。そんなときに分離不安を起こさないよう、普段から独りでも安心して過ごす機会を作って慣らしておくとよいかもしれません。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのしつけの仕方と注意点は?

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの子犬

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルはとても友好的な性格で、上手に社会化をすると、どんな人にでもかわいがられる犬になります。ほかの犬や動物に対する警戒心もさほど持たないので、仲良くなりやすい犬種です。しつけについてのポイントや注意点は次の通りです。


しつけを始める時期

生後2か月ごろから始めるのがよいでしょう。


子犬期のしつけの仕方

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは比較的しつけのしやすい犬種です。子犬の時期からトイレや食事、遊びなどに関してしつけを始め、人との穏やかな触れ合いを通して絆を築き、家族の一員として大切に育ててください。

また、生涯にわたり、ブラッシングなどこまめなお手入れの必要な犬種ですので、家に馴染んだ頃から少しずつ体を触られることに慣らしていくとよいでしょう。犬が好む食べ物を与えながら、首から背中にかけて優しく撫で、徐々に耳や足先、尾など敏感な場所も触っていきます。嫌がっている場合は、無理に抑えて触ることはしないようにしましょう。


社会化期のしつけの仕方

生後3週間から14週間までの社会化期は、さまざまなものごとに慣れるのに適した時期です。この時期に、なるべく多くの体験をさせてあげるようにしてください。

社会化期のしつけのポイントは、さまざまなものに慣らす際、必ず犬にとってよいこととセットで体験させるということです。例えば公園に初めて連れて行くときは、大好物の食べ物を持参して公園で食べさせてあげると、公園が好きになります。


オス・メスによるしつけの違い

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルに限らず、オスは尿マーキングをしやすいので、トイレのしつけを念入りに行う必要があります。


キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
が起こしやすい問題行動

問題行動はあまり頻繁には起こしません。しかし、人と一緒にいることを好む犬種のため、留守番などで人と離れると分離不安の問題行動を起こす可能性があります。普段から留守番に慣らしておくとよいでしょう。


キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
をしつけするときの注意点

穏やかな性格で攻撃性も出にくいので、比較的しつけやすい犬種です。優しく根気強くしつけするとよい家庭犬になります。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルを散歩させる際に気をつけることは?

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの散歩キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルを散歩させるときのポイントを見ていきましょう。


散歩の時間や頻度

多くの運動量を必要とする犬種ではありませんが、運動や外に出ることが嫌いなわけではありません。気分転換にもなりますので、体調がよければ12回、1回につき2030分程度のお散歩に連れて行ってあげてください。


運動量を加減する必要がある

日頃は穏やかな性格ですが、猟犬の血を引くため運動を好む側面もあります。ただし、先天性疾患を持っている場合、運動量を加減する必要があります。散歩中に「息が上がってハアハアしている」「途中で座り込む」などの行動が見られるときは、運動量がオーバーしています。最後まで犬が楽しく歩いて帰れる程度の散歩を心がけましょう。


暑さ・寒さに注意

被毛量が多く、暑さに弱い犬種です。真夏は気温の低い早朝や夜間に散歩するとよいでしょう。一方、寒さが苦手な場合もあります。特に心疾患のある犬は、急激な温度変化によって血圧や脈拍に影響が出ます。冬は日の出ている時間帯に散歩に行くようにしましょう。


散歩後のお手入れ方法

散歩後は、乾いた布や濡れタオルで足を拭くだけで、基本的にはよいでしょう。洗う場合はぬるま湯で優しく、洗った後はタオルで水気をそっと拭いてドライヤーで完全に乾かします。半乾きのままにしておくと雑菌の繁殖や皮膚トラブルの元になりますので、注意しましょう。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルにおすすめの遊びやトレーニングは?

心臓疾患や膝蓋骨脱臼など先天性疾患のリスクがあるため、心臓や膝に負担がかかりすぎない遊びやトレーニングがよいでしょう。

例えば、部屋のいろいろな場所におやつを隠して探す「ハンティングごっこ」がおすすめです。おやつを本棚の隙間や家具の裏などに隠してもよいですし、ノーズワークマットを活用してもよいでしょう。食べ物を探して手に入れるという犬の本能に従った遊びなので満足度が高いです。

また、動くのが好きな犬には、ドックダンスやバランスボールなどもおすすめです。犬と飼い主が一緒になって取り組むことができますので、人好きなキャバリアには向いています。ただし、すでに疾病を持っている場合は、かかりつけの獣医師の指示に従い運動量を決めてください。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルを飼う際の注意点は?

ほかにも、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルを飼うときに注意しておきたいポイントは次の通りです。


定期的に健康診断を受けさせる

心疾患や脳脊椎疾患などの遺伝性疾患の問題を抱えている可能性が高い犬種なので、定期的に健康診断を受けさせるようにしましょう。


耳や体に触られることに慣れさせる

外耳炎や皮膚疾患に罹患しやすい犬種です。普段から耳など体に触られることに慣れさせておくと、治療がスムーズになってよいでしょう。


肥満防止のため、運動や散歩は積極的に

比較的活動量が少なく太りやすい犬種なので、運動や散歩を適切に積極的に行うのがよいです。食事も適切な量を心がけ、肥満防止に努めましょう。


エアコンで室温を調節する

暑さが苦手なのでエアコンで室温を調節します。また、散歩の際には気温にも気をつけましょう。


滑りにくい素材の床にする

膝蓋骨脱臼などの発症リスクがあるので、床を滑りにくい素材にしたり、滑り止めを活用したりしましょう。

専門家の コメント:

愛くるしく、愛情深い性格のキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル。大切に育てると、家族の一員として大きな役割を持つ存在となるでしょう。遺伝的に心疾患を発症する確率が高い犬種のため、動物病院とうまく付き合い、疾患は早期に発見し、長く健康を維持できるようにしてあげたいですね。

監修/堂山有里先生(獣医師)

監修/堂山有里先生(獣医師)
バーニー動物病院千林分院分院長。日本獣医動物行動研究会、獣医皮膚科学会所属。ペット薬膳管理士、中医学アドバイザー。動物病院でペットの診療にあたる傍ら犬猫の手作りご飯教室や問題行動のカウンセリングを行いペットと人が幸せに暮らすお手伝いをしている。

監修者の他の記事一覧


関連リンク