ボクサーの性格や特徴は?飼い方のコツや寿命などについて解説【獣医師監修】

五十嵐里菜(獣医師)

五十嵐里菜(獣医師)

オールペットクリニック所属。日本獣医皮膚科学会認定医。 アメリカChi University Veterynary Food Therapyコース修了。

ボクサーの性格や特徴は?飼い方のコツや寿命などについて解説【獣医師監修】
ボクサーの性格や特徴は?飼い方のコツや寿命などについて解説【獣医師監修】

目次

  • ・ ボクサーの歴史やルーツ、英語名は?
  • ・ ボクサーのオスとメスの体高や体重は?
  • ・ ボクサーの平均寿命は?
  • ・ ボクサーの毛色の種類、被毛、外貌の特徴は?
  • ・ ボクサーはどんな性格、習性?
  • ・ ボクサーを迎える際にかかる費用は?
  • ・ ボクサーのしつけと社会化トレーニングのポイント
  • ・ ボクサーに必要な運動量や散歩の目安、おすすめの遊びは?
  • ・ ボクサーを飼うのに向いている人は?
  • ・ ボクサーがかかりやすい病気と予防法は?
  • ・ ボクサーの日常のお手入れ方法
  • ・ ボクサーとの生活で注意すべきことは?

精悍な見た目で人気の高いボクサーですが、ボクサーを初めて飼う場合に気になるのが、どんな性格をしていて飼いやすいかどうかではないでしょうか。そこで今回は、オールペットクリニックの五十嵐里菜先生に教えていただいた、ボクサーの性格や特徴、かかりやすい病気やしつけのポイントなどについて解説していきます。

ボクサーの歴史やルーツ、英語名は?

犬種名 ボクサー
英語名 Boxer
原産国 ドイツ
分類 大型犬
グループ 2G:使役犬

 

ドイツのブラバント地方にいた狩猟犬で「牛噛み犬」という意味を持つブレンバイザーという犬が、ボクサーの祖先と言われています。追いつめた獲物を、猟師が到着するまでしっかりとくわえて確保するのが仕事でした。

 

そのため、噛みついて離さないアゴの力や幅広い歯列、指示に的確に従う優秀なブレンバイザーが選択繁殖されました。このブレンバイザーにマスティフやブルドッグなどを交配して作出されたのが、ボクサーのルーツと考えられています。また、闘犬としても活躍していたようです。

 

英語名はBoxerです。名前の由来はいくつかの説があります。ドイツ語ではボクサーとはプロボクサーを意味し、闘犬として使われていたことからその名を付けられたとも言われています。

ボクサーのオスとメスの体高や体重は?

体高:オス57~63cm、メス53~59cm
体重:オス30kg以上※60cmに対し、メス25kg※56cmに対し

 

ボクサーは大型犬に分類され、狩猟の使役犬としての背景から引き締まり、よく発達した筋肉で、スクエアの体躯を持っています。

ボクサーの平均寿命は?

ボクサーの平均寿命は10~12歳とされています。ボクサーは大型犬に分類されますが、『アニコム家庭どうぶつ白書2021』によると、大型犬の平均寿命は11.5歳のため、平均とほぼ変わらないと言えるでしょう。

 

犬を迎える際は、最期の時までしっかり世話ができるかを考えておきましょう。
犬をみとる頃に自分は大体何歳になるか、犬の介護ができるか、自分の生活環境や経済状況などもあわせて考えなければなりません。

 

犬を迎えようと考えているシニアの方は保護犬などで成犬を迎えるケースも検討するほか、万が一自分が世話できなくなった場合を想定しておくことも重要です。犬の世話を頼めそうな人にあらかじめ相談して承諾を得てから迎えたり、老犬ホームといった預かり先を決めたりして急な環境の変化に備えておきましょう。

ボクサーの毛色の種類、被毛、外貌の特徴は?

ボクサー犬の毛色の種類、被毛、外貌の特徴

 

ボクサーの毛色はフォーン(黄金色)、もしくはブリンドル(虎の縞模様のようにストライプが入る)。頭部や胸、四肢などに白い斑が入ることもあります。

 

被毛は体のラインがわかるくらいに短く、硬いシングルコート(被毛の層が1層)です。

ボクサーはどんな性格、習性?

外見の雰囲気から獰猛な性格のように思われがちですが、ボクサーは穏やかで落ち着いた性格の犬です。従順でトレーニングを覚えやすく、家庭で飼うのに向いています。

 

子犬の頃からきちんとトレーニングされていれば、飼い主の指示を待つことができ、無駄吠えしたり噛みついたりすることはほぼありません。ただし、飼い主や家族に対して危害を加える存在には攻撃的になることもあります。

ボクサーを迎える際にかかる費用は?

ボクサーを飼い始めるとき、飼い続ける際にかかる費用について説明します。

 

タイミング 内訳 費用の目安
迎えるとき

ペットショップ、ブリーダー

約20~30万円
飼い始めるとき 畜犬登録料 約3,000円
生活用品(クレートやケージなど) 約5~7万円
1年に1回かかる費用 狂犬病予防接種費 約3,500円
混合ワクチン接種費 約5,000~10,000円
毎月かかる費用 消耗品(フードやおやつなど) 約5,000~10,000円

 

飼い始める際にかかる費用

ボクサーをペットショップから迎える際の価格の目安は、約20~30万円です。月齢や血統、顔のシワの寄り方などにより、値段が上がることもあります。他にも愛犬を迎えるには友人や知人から譲り受ける、譲渡会に参加する、保護犬を迎え入れるといった方法もあります。また、ボクサーは自治体によって飼育に規制がある場合もあるため、事前に確認しましょう。

 

犬を飼い始めるときには飼い始めてから30 日以内に(子犬の場合は生後91日を経過してから30日以内に)お住いの自治体に犬の登録(登録料は3,000円程度)を行うほか、混合ワクチン接種費や狂犬病予防接種費も必要になります。母犬の初乳から得た免疫は徐々に低下していくため、混合ワクチンを子犬期に計3回接種してさまざまな感染症を防ぐ必要があります。子犬を迎える際の月齢によっては、ペットショップ側でワクチンを3回打っているため、生体代と一緒にワクチン代も支払います。3回全て打っていない場合は、飼い主が動物病院に連れて行って接種させましょう。

 

狂犬病予防接種は生後91日を過ぎた全ての犬が年に1回摂取するよう法律で定められており、子犬の場合は混合ワクチンの接種を終えて2週間過ぎたタイミング(およそ生後110日前後)で打たせます。

 

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飼い続けるために必要な費用

犬を養育する上での生涯コストは、ドッグフードやペットシーツ、留守番時のエアコン代、一般医療費、トリミング代、レジャー費など200~300万円といわれています。体の大きい犬種だとグッズ代やトリミング代などが高額になるなど犬種によって大きく異なるため、目安としてボクサーの場合は平均より高額になると考えておきましょう。

 

なかには僧帽弁閉鎖不全症など手術費が100万円以上になる病気にかかる場合や、アレルギーなどによって継続的な通院や投薬の費用がかかることもあります。犬を迎えるにあたっては、計画的な貯金やペット保険の利用なども検討し、予期せぬ出費にも対応できるかよく検討しておきましょう。

 

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ボクサーを迎える際に必要な生活用品としては、クレートやケージ、サークルをはじめ、首輪やリード、食器、給水器、ドッグフード、トイレなどが挙げられます。

 

また犬が遊べるようおもちゃも用意するとよいでしょう。ボクサーは多くの運動を必要とするため、ボール遊びなどをさせたり、ドッグランなどで思い切り走らせたりするのがおすすめです。

 

犬の生体代を除く初期費用としては、5~7万円程度を見込みましょう。ボクサーは体が大きくなるため、クレートやケージ、サークル費用は平均より少し高くなる傾向にあります。

 

毎月の消耗品としては、ドッグフードやおやつ、トイレシーツ、歯ブラシやボディシートなどが挙げられます。一般的に毎月の平均額は5,000円~10,000円ほどですが、ボクサーは体が大きいので食事量は多く、トイレシーツも大型タイプを選ぶ必要があるので平均よりかかると見込みましょう。

 

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2022年6月から、ペットショップやブリーダーで販売される犬や猫にマイクロチップの装着が義務化されました。マイクロチップは思わぬ事故や災害で迷子になってしまったときに、保護された犬を飼い主の元へ返すための重要な役目を果たします。装着費用は3,000~5,000円程度で、さらに飼い主の氏名や住所、電話番号などの情報登録料としてかかります。登録はオンライン申請で300円、郵送する場合は1,000円です。

 

ドアを開けた際に外へ飛び出したり、散歩中大きな音に驚いて逃げてしまったりなど、飼い主の不注意やアクシデントで犬は迷子になってしまう可能性があります。そのため、ボクサーを迎える際は迷子対策もしっかり講じましょう。迷子対策としてはマイクロチップの装着のほかに、迷子札などの導入が挙げられます。

 

迷子札は、飼い主の連絡先を記載したキーホルダーで犬の首輪に装着します。値段は1,000~5,000円程度で、素材やデザインによって異なります。
そのほか、家からの飛び出しを防ぐために玄関にゲートを設置するといった対策を取るのもおすすめです。

ボクサーのしつけと社会化トレーニングのポイント

ボクサー犬のしつけ

 

ボクサーは噛むことを目的に繁殖されてきた犬です。甘噛みが始まる子犬の時から、噛んでよいものと悪いものをしつけ、トレーニングをしていきましょう。また、警戒心が強いため、子犬の頃から外界の刺激(家族以外の人や他の動物、車や電車の音など)に慣れさせること(社会化)も必要です。小さいうちに家族以外の人や外の音に慣れておくと、必要以上に警戒することがなくなります。

 

ボクサーは飼い主への忠誠心が高く、トレーニングを覚えやすい犬種と言われています。信頼関係を築くために、散歩へ連れていく、一緒に遊ぶ、ご飯を与える、排泄物の処理をする、丁寧にお手入れをするなど日頃の世話をきちんと行いましょう。トレーニングでは、上手にできたときに褒めることを意識します。

 

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ボクサーに必要な運動量や散歩の目安、おすすめの遊びは?

ボクサー犬が運動する様子

 

✓散歩:30分~1時間を1日2回
✓運動量:多い
✓おすすめの遊び:ドッグラン、ボール遊び

 

ボクサーには十分な運動量が必要です。狩猟犬として活躍してきた犬種のため、朝夕2回、30分〜1時間ほど散歩をするなど、肥満予防やストレス解消に体を動かすことが大切です。近くにドッグランがあるならリードを外して走らせたり、ボールで一緒に遊んであげたりしてもよいでしょう。

ボクサーを飼うのに向いている人は?

ボクサー犬を飼うのに向いている人

 

✓十分な運動をさせてあげられる環境
ボクサーは活動的で瞬発力が高く、体も大きめです。散歩では速く歩くなどして運動量を確保したいため、体力に自信がある人に向いているでしょう。

 

✓トレーニングをきちんとできる人
必要以上に警戒し攻撃的にならないよう、小さいうちから社会化トレーニングや、基本的なコマンドをマスターする必要があります。落ち着いて毅然とした態度を取れる人が向いているでしょう。

ボクサーがかかりやすい病気と予防法は?

ボクサーがかかりやすい代表的な病気と対策方法を知っておきましょう。

 

✓拡張型心筋症(ボクサー心筋症)
心臓の筋肉が薄くなり、収縮力が低下して血液をうまく送れなくなる病気です。「ボクサー心筋症」とも呼ばれています。進行すると元気がなくなり、運動を嫌がるようになり、不整脈で突然死を起こすこともあります。
発症を予防するのは難しく、定期的に心臓検査を受けて異常が見つかったら早期に対応することが大切です。

 

✓椎間板ヘルニア
椎間板の変形や破裂で脊髄神経が圧迫され歩けなくなる「椎間板ヘルニア」も発症しやすい病気です。ジャンプなどの激しい運動は背骨に負担がかかりますので、注意しましょう。

 

そのほか、以下のような病気にも気を付けましょう。


・胃捻転、胃拡張…胃がガスで膨れ、ねじれてしまう。重度の場合は数時間で死ぬこともある
・クッシング症候群…糖の代謝を促す副腎皮質ホルモンが過剰に分泌され、多食多飲や脱毛などを引き起こす
・悪性腫瘍…皮膚や内臓などに悪性のしこりができる
・アトピー性皮膚炎…花粉やほこり、ダニなどのアレルゲンで皮膚に炎症を起こす

ボクサーの日常のお手入れ方法

✓ブラッシング:1週間に1、2回
✓シャンプー:1カ月に1回程度
✓トリミング:必要なし

 

シングルコートのためトリミングは不要です。全身を絞ったタオルで拭き、ブラッシングすることで日常の抜け毛が予防できます。
ブラッシング以外にもスキンシップの時間も兼ねて、表面からは分かりづらい皮膚の状態をチェックしたり、日々触れ合う時間を作ったりすることで、愛犬との信頼関係も高まります。
歯磨きは毎日~2日に1回、耳掃除や肛門腺絞り、爪切りは1カ月に1回の頻度で行います。

 

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ボクサーとの生活で注意すべきことは?

ボクサーと生活する上で注意すべきポイントを紹介します。

 

✓マメな皮膚のチェックをしよう!
ボクサーは皮膚炎にかかりやすいため、皮膚に赤みや脱毛がないか、痒がったりしていないか、日頃から様子をチェックしておきましょう。特に顔のしわの間や口のまわりは炎症を起こしやすいので、気を付けてお手入れしてあげましょう。また、加齢で鼻、胸、足の裏、肘などが角質化しやすくなるため、必要なら保湿をしましょう。

 

✓湿気の多い季節は、耳のお手入れをいつもより念入りに!
垂れ耳の犬種は、梅雨時期から夏にかけて耳や皮膚のトラブルが増えます。耳の色やにおい、耳垢の様子をこまめにチェックしましょう。ただし、過度な耳掃除は耳を傷つける恐れがあります。かかりつけの動物病院でケアしてもらうと安心です。

 

✓暑さに注意!
ボクサーを含む短頭種は唾液を気化して熱を逃がすのが苦手なため、夏の暑さで熱中症のリスクが高くなります。暑い日に呼吸が速くなり舌を出してよだれを垂らしたりしていたら、すぐに体温が下がるような環境に移動しましょう。また、短毛種のため冬は北風に当たると体温が奪われます。エアコンなどで温度調整できる室内で飼いましょう。

 

✓関節に負担の少ない床材を選ぼう!
床で足が滑ると足首などの関節に負担がかかります。普段過ごす部屋の床は滑りにくい素材を選ぶか、マットなどを敷くとよいでしょう。


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