ビション・フリーゼの性格や特徴は?飼い方のコツやかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

ビション・フリーゼの性格や特徴は?飼い方のコツやかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

犬種図鑑

2023年02月22日 更新 (2022年01月05日 公開)

chicoどうぶつ診療所所長。体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、往診・カウンセリング専門の動物病院を開設。

ビション・フリーゼの性格や特徴は?飼い方のコツやかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

ビション・フリーゼってどんな犬?

ビション・フリーゼの性格や特徴は?飼い方のコツやかかりやすい病気について解説【獣医師監修】ビション・フリーゼの魅力は、真っ白でふわふわな被毛と愛くるしい黒い瞳でしょう。「パウダー・パフ」と呼ばれる綿菓子のようなカットスタイルは、20世紀半ばにアメリカ人のグルーマーによって考案されたそうですが、いまではビション・フリーゼの大きな特徴となっています。また、ビションブリッツという特徴的な様子が見られるのも、この犬種ならでは。これは、ビション・フリーゼが急にスイッチが入ったように、ものすごい勢いで走り回る行動です。気が済むとおとなしくなるのですが、飼い主はその様子に驚くとともに、活発な印象を受けるでしょう。

 

ビション・フリーゼのルーツや歴史とは?

祖先はテネリフェといわれる犬種で、原産国はフランス、ベルギーです。モップのような被毛を持ったバルビーという大型犬とマルチーズを掛け合わせて作られ、14世紀ごろに漁師の手によってイタリアに上陸したといわれています。このころにはすでに今のビションと同じ形だったそうです。

ビション・フリーゼの体高・体重は?

ここからはビション・フリーゼの平均的な体高や体重がどれくらいかを見ていきましょう。

 

体重

個体差はありますが、オス・メスともに平均的な体高は2529㎝くらいと言われています。

 

体高

平均的な体重は510㎏ほどですが、性別によって体重が2倍ほど違うことがあります。成犬になると体重の増加は緩やかになるので、その時期の体重を目安とすると良いでしょう。

ビション・フリーゼの平均寿命はどれくらい?

小型犬の平均寿命よりも長生きと言われており、1215歳くらいと言われています。日本で飼われている犬の平均寿命が約14年のため、他の犬種と比べても平均的な寿命と言えるでしょう。

ビション・フリーゼの毛色の種類や被毛の特徴は?

ビション・フリーゼの性格や特徴は?飼い方のコツやかかりやすい病気について解説【獣医師監修】ビション・フリーゼと認められるのは、ホワイトの毛色のみです。純白のアフロヘアの犬だけがビション・フリーゼなのです。

 

被毛の毛質

綿菓子のようにふわふわの白い被毛は柔らかい毛質なため、毛玉ができやすい毛質です。

 

ダブルコート

アンダーとオーバーの二層に分かれています。絹糸状のような下毛は柔らかく密集し、外毛は粗い巻き毛となっています。

 

抜け毛の量

比較的少ないといわれていますが、毛玉ができやすい毛質です。

ビション・フリーゼの性格の特徴は?オスとメスで違いはある?

犬の性格も人間と同じように個体差があります。ビション・フリーゼはどのような性格をしているのでしょうか。

 

遊び好き

ビション・フリーゼは明るく、活発で、遊ぶのが大好きな子が多いです。

 

明るくて、素直

素直でしつけもしやすく、飼いやすい犬種と言えるでしょう。

 

フレンドリー

大変フレンドリーで、初めて会う人やほかの犬にも人見知りすることは少なく、元気に遊びます。


オスとメスによる性格の違い

性格も個体差によるところが大きいものですが、性差の主な傾向として、オスは甘えん坊でメスはしっかり者が多い印象です。

ビション・フリーゼは初心者向きの犬?

ビション・フリーゼは無駄吠えが少なく、人間慣れしやすいので比較的飼いやすい犬種と言えるでしょう。ただ、人気が高いだけに、よく考えずに飼い始めてしまうことのないようにしたいですね。購入前に、迎え入れてからかかる費用や、おうちでのケアが行えるかどうか、ご家族や環境の状況を鑑みてよく検討することをおすすめします。

ビション・フリーゼを飼うのに向いている人の特徴

ビション・フリーゼはドッグスポーツやアジリティーの競技に出場する子も多い活発な犬種です。元気なビション・フリーゼの心の健康を保つために、満足感を与える運動量が必要です。目安として、112回、1回につき20分以上の散歩時間を確保できる人がいいでしょう。毛玉のできやすい被毛のケアができるかということも、ポイントです。また、滑る床での生活は膝蓋骨脱臼の発症や悪化のリスクを高めるため厳禁です。ビション・フリーゼを迎える前に床にカーペット敷くなど、室内環境を整えることができるご家庭で飼ってあげたいものです。

ビション・フリーゼの外見や吠え声の特徴は?

ビション・フリーゼの性格や特徴は?飼い方のコツやかかりやすい病気について解説【獣医師監修】ビション・フリーゼの外見や吠え声にはどのような特徴があるのでしょうか?

 

外見

アフロのような真っ白の被毛と黒くて丸い目が特徴です。胴はやや長め、足もやや短い体格です。

 

吠え声

アフロのような真っ白の被毛と黒くて丸い目が特徴です。胴はやや長め、足もやや短い体格です。

ビション・フリーゼがかかりやすい病気とその症状とは?

他の犬種にも同じことが言えますが、犬種特有のかかりやすい病気があります。それぞれの症状と予防法をチェックしておきましょう。

 

歯周病

ビション・フリーゼに限らずですが、小型犬は乳歯遺残から歯並びが悪くなりやすい傾向があります。歯間も比較的狭くなりやすく、歯垢・歯石が蓄積しやすいことから、歯周病が生じやすいといわれています。犬の場合、35日程度で歯石化するといわれているので、毎日の歯磨きが重要です。

 

膝蓋骨脱臼

小型犬全般で見られやすい疾患で、遺伝的素因が関連していることがほとんどです。遺伝的素因がない子の場合でも、肥満によって脱臼することがありますので、体重管理が重要です。

 

てんかん

ホワイトシェイカードッグ症候群といって、白い犬で起きやすい神経系の病気があり、四肢が震えてしまう疾患です。原因不明といわれており、自己免疫性疾患が疑われていますので、予防は難しいと考えられます。兆候が見られたら、獣医師に相談しましょう。

 

皮膚病

被毛が密集しており、かつ毛玉ができやすい毛質というところから、皮膚炎が生じやすいと考えられます。

 

外耳炎・外耳道炎

耳の内側に被毛が生えており、たれ耳という構造からも、外耳の通気性が悪く外耳炎を発症しやすい傾向にあります。ときどきで良いので、耳をめくってあげるなどして通気性をよくしてあげましょう。耳からいつもと違う匂いがしたり、耳垢の量が変わってきたというような変化に気づいたら、できるだけ早めに動物病院を受診しましょう。

 

眼疾患

被毛が目に入ったり、その被毛が気になって目をこすってしまったりするなどして、眼を傷つけてしまうことがあります。そこから、結膜炎や角膜炎などの疾患につながることがあります。目の周りの被毛のお手入れや、お散歩の後に目の中に異物が入っていないかを確認することが予防につながります。

 

尿路結石

ビション・フリーゼは、シュウ酸カルシウム結石になりやすい犬種とされています。水分をしっかりとって排尿をさせることが重要なので、日常生活においての飲水量の確認や、飲水量を増やす工夫をすることが予防につながります。シュウ酸が多く含まれるホウレンソウサツマイモ、里芋などの野菜は控えたいですが、どうしても与えたい場合は、茹でこぼしてから食べさせるようにしてください。また、炭水化物をたくさん食べていると発症リスクが高いという報告もありますので、控えるようにしましょう。

ビション・フリーゼの食事

太りやすい傾向があるビション・フリーゼには、炭水化物が少な目で動物性たんぱく質を多く含む食事を選んであげましょう。フードを丸呑みしてしまうタイプの子の場合には、窒息しないような小さなサイズを選んであげたいですね。水分を積極的にとれない子の場合には、ウェットフード、またはドライフードをふやかして与えるといいでしょう。

ビション・フリーゼの日常のお手入れで気をつけることは?

ビション・フリーゼの性格や特徴は?飼い方のコツやかかりやすい病気について解説【獣医師監修】ビション・フリーゼは純白の長い被毛が魅力の犬種です。ビション・フリーゼを飼う場合は、そのシンボルであるふわふわヘアのケアが必要です。以下のポイントに意識しておきましょう。

 

毎日ブラッシングをする

毛質的に毛玉ができやすいため、毎日のブラッシングは必須です。くの字型のピンがたくさん付いたスリッカーブラシで毛玉をほぐしてあげ、コームを使って被毛をとかして仕上げるとスムーズにブラッシングできます。スリッカーブラシの先端は尖っていて皮膚を傷つける恐れがあるので、直接皮膚に当てないように注意して行いましょう。

 

定期的なカットとシャンプーが必須

ビション・フリーゼの被毛は密度が高く絡まりやすいため、定期的なシャンプーやトリミングが必要です。ただし、被毛は白くて汚れやすいので、口元などのちょっとした汚れがついたときには、その都度シャンプーする必要はなく、拭き取ってあげるようにするといいでしょう。

ビション・フリーゼのしつけのコツと注意点

賢くて素直なビション・フリーゼは、比較的しつけがしやすい犬種と言えます。ただし、甘えん坊気質のため、飼い主が可愛さのあまりわがままを許しているとしつけがうまくいきません。ビション・フリーゼを飼うことになったら、飼い主がしつけを意識することが必要です。

 

しつけを始める時期

家に迎えてから、できる限り早めから行うようにしましょう。早ければ早いほど良いです。学習能力が高い時期ですので、この時期に褒めるしつけを行いましょう。すぐに始めるのが難しい場合は、家の環境に慣れた1週間後くらいからトレーニングをスタートするのがおすすめです。

 

子犬期のしつけの仕方

子犬のころから慣れさせるために、できるだけ多くの人間やほかの犬と触れ合うようにするのもいいでしょう。ただし、ワクチン接種が完了していないと感染症のリスクも高まりますので、他の犬と触れ合うのはワクチン接種が完了してからにしましょう。それまではカートやキャリー越しに、ほかの犬の様子を見せてあげたりするとよいかもしれません。

 

社会化期のしつけの仕方

自我が芽生える頃ですので、メリハリつけてトレーニングを行うのが良いとされています。

 

ビション・フリーゼが起こしやすい問題行動とは?

ビション・フリーゼに噛み癖がつくと、問題行動に発展する可能性があります。遊んでほしくてふざけて噛んだと時にも、きちんと注意して甘やかさないようにしましょう。しつけで大切なのは、愛情をたっぷり伝えつつも、いいことと悪いことを覚えてもらうことです。

 

オス・メスによるしつけの違いはあるかどうか

しつけのやり方に違いはありません。ただし、メスは若干気が強い傾向にありますので、オスと比べるとしつけがしにくいかもしれません。

ビション・フリーゼの散歩の頻度や時間、注意点は?

甘えん坊で活発なビション・フリーゼにとって、運動はとても大切です。毎日の散歩は飼い主との楽しいコミュニケーションの時間であると同時に、体力を発散する機会になります。

 

散歩の頻度と注意点

ビション・フリーゼの散歩は、概ね1日2回、1回に1020分前後が理想です。小型犬の場合、1日の散歩の距離の目安は1㎞程度といわれているようです。

 

散歩時の注意点

ビション・フリーゼは暑さに弱いため暑い時間帯の散歩は避け、アスファルトだけでなく芝生や土の上など、クッション性がある場所を散歩コースに選んであげるといいでしょう。

 

散歩後のお手入れ

散歩後には、被毛に様々なものがつきやすいため、ブラッシングをして異物を取り除き、手足先の汚れをしっかりふき取ってあげましょう。

ビション・フリーゼにおすすめの遊び方やトレーニング方法

散歩は非常におすすめですが、屋内の滑らない床の上でボール遊びなどをしてみるとよいと思います。賢い犬種ですので、知育トイなどにも興味を示してくれるでしょう。

ビション・フリーゼを飼う際に注意しなければならないことは?

ビション・フリーゼの性格や特徴は?飼い方のコツやかかりやすい病気について解説【獣医師監修】ビション・フリーゼを飼う際には次のようなことに注意しましょう。

 

噛み癖をつけない

子犬のころの甘噛みを放置していると噛み癖に発展してしまうので、早いうちから噛んでもよいもの、悪いものを覚えさせることが大事です。

 

滑りにくい床材を選ぶ

脱臼しやすい小型犬のビション・フリーゼにとって、滑る床は関節に負担がかかります。床材を工夫して関節ケアをしてあげましょう。

 

運動不足にさせない

活発なビション・フリーゼを満足させるために、日々の運動は欠かせません。運動不足は肥満の元にもなるので、体調管理の面からも必要です。ただし、ビション・フリーゼの場合、関節に負担をかけるのは厳禁なので、大きな段差や高いところから飛び降りをさせないなどの注意も必要です。