• HEALTH

【獣医師監修】犬の鳴き声にはどんな意味があるの?無駄吠えや遠吠えをする理由とは?

【獣医師監修】犬の鳴き声にはどんな意味があるの?無駄吠えや遠吠えをする理由とは?

犬は人間のように話すことができません。だからこそ鳴きはじめると、「うちの子はどうして鳴いているの?」と飼い主として困惑してしまう方もいるかもしれません。状況によっては、他人に迷惑をかけてしまうこともあるので、飼い主としては気になるところですよね。今回は犬の気持ちをより理解するために、鳴き声に込められた意味について解説していきます。

犬が鳴くのにはかならず理由がある

犬が鳴くのは、いたって普通のことです。もともと犬は、牧畜や狩猟、そして防犯など、「人の役に立つため」に人間と生活するようになりました。吠える能力が高くなければ、求められる仕事ができません。つまり、犬はもともと、吠えることを能力として備え付けられた動物であり、犬が鳴くときは必ずその理由が隠れています。

犬が大きな声でワンワンと吠える理由は?

犬がワンワンと大きな声で吠える理由は、「警戒している時」「興奮している時」「要求している時」の3種類があります。それぞれ具体的に紹介していきましょう。

警戒している時

愛犬がお散歩中に他の犬に吠えたり、自宅を訪れた見慣れない来訪者に対して「ワンワン」と吠えるのは、警戒心の表現です。自分のテリトリーに部外者が侵入してきたり、相手や犬に対して単純に怖いと感じているのです。

よく玄関チャイムが鳴ると吠える犬がいますが、これはチャイムの音に驚いているのではなく、「チャイムが鳴る=見慣れない人が来る」と今までの生活で学習しているため、吠えるのです。

興奮している時

犬は、嬉しいことや楽しいことなど、興奮している時に吠えます。例えば、お散歩や食事の時間など、自分にとって嬉しいことだと分かったときに「ワンワン」と吠える犬も少なくありません。

要求している時

犬はケージから出してほしい、飼い主の食事の際に分けてほしいと、吠えるケースもあります。これはいわゆる要求の気持ちで、どこかで「吠えれば要求が通る」と学習してしまった結果と考えられます。

犬が高い声でクゥーンと鳴く理由は?

犬が高い声で「クゥーン」と鳴く時は、「甘え、おねだり」「悲しさ、不安」などの感情を抱えていることがあります。それぞれ具体的に紹介していきましょう。

甘えたい、おねだりしたい時

「クゥーン、クゥーン」や「キューン、キューン」というような鳴き声で飼い主に近寄ってくるときは、甘えたい気持ちやおねだりの感情でいっぱいのときです。例えば、遊んでほしい、撫でてほしい、ごはんがほしい、などの感情の時、鳴いておねだりなどをしてきます。

しかし、エスカレートしていくとワガママの領域に進んでしまう可能性があるため、そうならないように、気持ちは汲みつつもしっかりとルールを教えていく必要があります。

悲しさ、不安を感じている時

「クーン」などとかすかに鳴くときは、悲しさや不安を感じている可能性があります。鳴きながら震えていたりする場合は、恐怖心の表われです。このようなときは、その気持ちの元となっている原因について、思いつく限りリストにあげて、可能性の高い物から解決していく必要があります。恐怖の対象を取り除いてあげることは、犬が飼い主さんを信頼する大きなきっかけにもなります。

犬がワォーンと遠吠えする理由は?

犬の遠吠えは、遠く離れたところにいる仲間とのコミュニケーションを取るためや、本能的な意味合いで吠えている場合があります。

コミュニケーションの手段

遠吠えには、オオカミ時代の名残として、遠くにいる仲間との連絡手段として行っていることがあります。飼い主を仲間に近いものと考え、飼い主の留守中に寂しさから飼い主に向けて遠吠えする犬もいます。

他に、救急車などのサイレンに反応して遠吠えする場合もあります。これは、サイレンの音が他の犬の遠吠えのように聞こえているという説があります。このように、遠吠えは犬の本能的な意味合いから行っていることがあります。

認知症の場合

高齢になって認知障害が現れている犬でも遠吠えすることがあります。認知障害が現れると同じところをぐるぐる回る、すぐに忘れてしまうなど様々な症状が現れますが、睡眠パターンが変化することにより昼間に寝てしまい、夜中に起きてきて吠え続けることがあります。

犬がウーッと低い声で唸る理由は?

犬が唸るという行為は、威嚇とともに攻撃性のあらわれです。「ウーッ」や「ガルルル」という感じの声が出ます。このような唸り声と一緒に低いトーンで連続して「ワンワン」と吠えるときは、攻撃的な気持ちが強く、いわゆる臨戦態勢なので注意が必要です。

犬がキャンと突然鳴く理由は?

犬が「キャン」と鳴くときは、体のどこかに痛みを感じていることが多いです。突発的にしっぽや足を踏まれたというようなときもあれば、病的な要因からくる痛みで「キャン」と何度も鳴くケースもあります。明らかな原因が思い当たらないのに頻繁に鳴くようになった時は病気やケガの可能性があるので、早めに病院へ連れて行ってあげましょう。

他には、他の犬への降参という意思表示や、助けて欲しいという気持ちの表現でキャンと鳴くこともあります。

犬の鳴き声のしつけ、対処方法

犬の鳴き声に対するしつけは、原因により違います。それぞれ具体的にご紹介します。

警戒心や恐怖、不安から鳴いている場合

犬が警戒心や恐怖、不安から鳴いている場合は、その原因を取り除く、もしくは遠ざける・気持ちをそらすなどの対処が大切になります。お散歩中に他の犬が見えたら、行く方向を変えてみる、おやつやおもちゃを使って飼い主さんの方へ興味を向ける。来訪者の予定が決まっているのであれば、離れた部屋で落ち着いて過ごせるように配慮してあげましょう。サイレンなどの音に反応する場合は、部屋の防音を考えてあげるのもひとつの手段です。

寂しさから鳴いている場合

寂しさから、犬が鼻を鳴らしたり、遠吠えなどをしているのであれば、普段からスキンシップをしっかり取るようにして、安心感を与える必要があるでしょう。また遠吠えを始めたら声をかけて、飼い主に気を向けるようにすると、吠えることを止める犬も少なくありません。

要求や甘え、ワガママから鳴いている場合

これらの場合は、犬を忍耐強くしつけをしていきましょう。ケージから出たくて鳴き始めても、すぐにはケージから出さないように心がけましょう。「待て」「お座り」という号令の声かけを行い、飼い主の指示に従うことで、そのご褒美として出してもらえるというルールを学習させていきましょう。鳴いたからといって、自分の要求は通らないと学ばせていくことが大切です。従ったら、しっかりと褒めてあげましょう。

認知症が原因の場合

問題なのは犬が認知症の場合です。しつけることで鳴かなくなるというものではありません。ただ認知症と一括りにしても、病気などの痛みで鳴いている場合もあります。痛みがあるのであれば、治療が優先されます。その場合、まずは獣医師に相談し適切な治療を始めましょう。また老化への対応は長期間必要になります。飼い主さんをサポートしてくれるような訪問介護や在宅サポートなどに加えて、デイサービスやお預かりなどを実施している老犬ホームなどを検討するのもひとつの手段です。

認知症と診断されたとしても、視覚や聴覚の衰えで飼い主さんを身近に感じられず寂しさで鳴いていることもよくあります。犬の状態の変化をこまめに観察し、飼い主としてしっかりとスキンシップをとっていくと良いですね。

まとめ:

よく人は無駄吠えと言ったりしますが、犬はちゃんと意味があり吠えています。そのため、完全に鳴かないようにしつけるのは難しいです。しかし、ペットとして犬を飼うのが当たり前の今、愛犬の鳴き声で困ってしまうような状況もあるかと思います。だからこそ、しつけやその場に応じた対処が大切になります。もし困ったら、獣医師さんに相談するのもひとつの手段ですよ。


関連リンク

犬の吠えに隠れた意味は? シチュエーション別・吠える犬の心理と対策
  • MANNER

犬の吠えに隠れた意味は? シチュエーション別・吠える...

犬が吠えたり鳴いたりするのには、どのような意味があるのでしょうか? この記事では、犬が吠えるときの気...

わんクォール編集部

わんクォール編集部

しつけの前に知っておこう!犬が吠える3つの理由とその対策とは
  • MANNER

しつけの前に知っておこう!犬が吠える3つの理由とその...

大切な存在の愛犬ですが、ワンワンと大きな吠え声には困ってしまう飼い主さんも多いかもしれません。吠えな...

わんクォール編集部

わんクォール編集部

病気やケガの可能性も? 老犬が吠える理由とその対処方法
  • MANNER

病気やケガの可能性も? 老犬が吠える理由とその対処方...

人間よりも年をとるのがはやい犬たち。老犬とされるのは一般的に7才以降で、加齢により体にさまざまな変化...

わんクォール編集部

わんクォール編集部

※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

監修/茂木千恵先生(獣医師)

ヤマザキ動物看護大学准教授。博士(獣医学)。専門は獣医動物行動学。大学で教育研究活動の傍ら、動物病院でもしつけや問題行動のカウンセリングを行う。フジテレビ系列「モノシリーのとっておき」、日本テレビ系列「志村どうぶつ園」などに動物行動学コメンテーターとして出演。雑誌「Shi-ba」(辰巳出版)などの記事監修も多数担当している。

著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

ペットに関する情報を日々発信していきます。

詳しく見る