アラスカン・マラミュートの性格や特徴とは?飼う際の注意点やかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

アラスカン・マラミュートの性格や特徴とは?飼う際の注意点やかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

オオカミにも似た居で立ちにフワフワの毛、筋肉が発達した大きな体が特徴的なアラスカン・マラミュート。北極のそり犬として活躍していることでも有名な犬種です。そんなアラスカン・マラミュートは、どのような性格をしているのでしょうか?この記事では、アラスカン・マラミュートの性格の特徴、飼育やしつけのコツ、気をつけるべき病気などをバーニー動物病院千林分院分院長で獣医師の堂山有里先生監修のもと、詳しく解説していきます。

監修/堂山有里先生(獣医師)

監修/堂山有里先生(獣医師)
バーニー動物病院千林分院分院長。日本獣医動物行動研究会、獣医皮膚科学会所属。ペット薬膳管理士、中医学アドバイザー。動物病院でペットの診療にあたる傍ら犬猫の手作りご飯教室や問題行動のカウンセリングを行いペットと人が幸せに暮らすお手伝いをしている。

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アラスカン・マラミュートの歴史やルーツは?

アラスカン・マラミュートは、アラスカ西部の海岸地方に住んでいたアメリカ・エスキモーのマラミュート族の元で飼われていた犬種で、そり引きや狩猟、漁猟などで活躍していました。祖先はシベリア原産の犬と推測されています。

 

18世紀、アラスカに白人が入植してきたことで他犬種との交配が盛んとなりましたが、その後、1920年代に純粋犬保存運動が起こり、1935年にアメリカンケネルクラブ(AKC)に登録されました。

アラスカン・マラミュートの平均的な体高・体重は?

アラスカン・マラミュートの性格は?_林に立つアラスカン・マラミュート

大型犬に分類されるアラスカン・マラミュートですが、平均的な体高はオス約63.5cm、メス約58.5cmです。また、平均的な体重はオス約38kg、メス約34kgとなります。

 

SNSなどでモコモコな子犬期の姿を目にすることもあるかと思いますが、成犬時はかなりの大型となるでしょう。見た目はシベリアン・ハスキーと似ていますが、体高はひとまわり近くも大きいです。

アラスカン・マラミュートの平均寿命は?

アラスカン・マラミュートの平均寿命11歳前後で、大型犬としては平均的な寿命と言えます。しかし、小型犬と比べるとやや短めの寿命です。

アラスカン・マラミュートの被毛のタイプや毛色の種類は?

アラスカン・マラミュートの性格は?_子犬のアラスカン・マラミュート

フワフワとした暖かそうな毛が印象的なアラスカン・マラミュートですが、その被毛にはどのような特徴があるのか、毛色の特徴や被毛のタイプを見ていきましょう。

 

毛色の種類

アラスカン・マラミュートの毛色の種類は主に、ライトグレー、ブラック、セーブル、レッド、ホワイトが考えられます。その他にも、黒系や茶系、混色など種類豊富です。単色の色としては、ホワイトのみが認められています。

 

被毛の特徴

アラスカン・マラミュートの被毛は、上毛と下毛で構成される毛量豊かなダブルコートです。もともとシベリアの寒冷地で生活していたとされる犬種なので、厳しい寒さから体を守るための分厚い下毛を持っています。そのため、換毛期の抜け毛は多く、毎日のブラッシングは欠かせません。

アラスカン・マラミュートの外見や吠え声の特徴は?

大きな体が特徴の一つでもあるアラスカン・マラミュートの外見や吠え声の特徴は以下の通りです。

 

外見

深い胸

分厚く、胸郭の深い胸を有しています。

 

筋肉の発達したボディ

筋肉質で骨太なたくましい体格で、重い犬ぞりの牽引にも適した頑丈なつくりをしています。

 

立ち耳

耳は立ち耳でやや離れており、警戒時には直立します。

 

ゆるく巻いたしっぽ

しっぽはフサフサとした豊かな被毛で覆われ、軽く巻き上がっています。

 

アーモンド型で茶色の目

注意深さと好奇心がうかがえる目はアーモンド型で、色は茶色に限られます。

 

吠え声

アラスカン・マラミュートは、あまり吠えることはありません。

アラスカン・マラミュートはどんな性格? オスとメスで性格の違いはあるの?

アラスカン・マラミュートの性格は?_ハイタッチするアラスカン・マラミュート

犬ぞりや狩猟などで古くから人間のパートナーとして活躍してきたアラスカン・マラミュートの性格の特徴として、主に以下の5点が挙げられます。

 

愛情深い

体が大きく威圧感を感じる人も多いかもしれませんが、実際は穏やかな性格で、飼い主に対し深い愛情を示します。

 

友好的

家族以外の人や他の犬とも友好的に接することができます。

 

忠実で献身的

飼い主に対しては忠実で、献身的です。

 

協調性が高く平和的

もともと仲間とともに犬ぞりを引いていた犬種のため、協調性に富み、指示にも従順に従います。

 

頑固な一面も

独立心が強いので、成長とともに頑固な一面を見せることもあります。

 

オスとメスの性格の違い

性別による性格の違いには個体差がありますが、一般的にはオスの方がメスよりも活発なことが多く、縄張り意識が強い傾向にあります。

アラスカン・マラミュートを飼うのに向いている人は?

体も大きく、運動量も多いアラスカン・マラミュート。どんな人が飼育に向いているのか、詳しく見ていきましょう。

 

広い飼育スペースを確保できる人

アラスカン・マラミュートは、成犬になると体高が64cm程にも及ぶ大型犬です。そのため、飼育するには広いスペースを確保する必要があります。

 

散歩の時間を確保できる人

アラスカン・マラミュートは運動要求量が多い犬種です。そのため、毎日しっかりとエネルギーを発散させられるだけの散歩時間を十分に確保できる人が飼育に適していると言えます。

 

しつけをしっかりできる人

性格は穏やかで友好的ですが、体が大きく力が強いので、行動の抑制をしっかりできるようにする必要があります。そのため、愛犬と向き合い、時間を取ってしつけを行える人が向いているでしょう。

 

お手入れをこまめにできる人

被毛の量が非常に多く、抜け毛の量も多いので、こまめな被毛のお手入れが欠かせません。毎日のブラッシングや定期的なシャンプーが理想的です。こうした日々のケアが負担にならない人は、飼い主として適性があると言えるでしょう。

 

体調管理をしっかりできる人

寒冷地出身のアラスカン・マラミュートは被毛が多いため、暑さに極端に弱く熱中症皮膚疾患に罹患するリスクの高い犬種です。エアコンをつける、涼しい時間帯に散歩する、こまめに被毛のお手入れをするなど、体調管理をしっかりと行える人が望ましいでしょう。

 

金銭面での負担をクリアできる人

体が大きいので食費だけでもかなりの費用がかかります。また、病気になると治療費も高額になりやすいです。飼育にかかる費用は小型犬よりも高くなると考えておいた方がよいでしょう。

 

アラスカン・マラミュートは初心者向きの犬?

性格的には温厚で飼いやすい犬種です。ただし、大型犬であること、こまめな被毛のお手入れや十分な運動量の確保が必要なこと、日本の暑さに弱いことなど、犬種ならではの特徴や条件が初心者には負担になることも考えられます。そのため、飼う前には上記の項目などを参考に、十分な検討を重ねましょう。

アラスカン・マラミュートを飼う上で気をつけるべきことは?

アラスカン・マラミュートの性格は?_走るアラスカン・マラミュート

アラスカン・マラミュートを実際に迎え入れ、飼育する上で飼い主が気をつけるべきポイントを詳しく見ていきましょう。

 

毎日の散歩

そり犬として活躍していることからもうかがえるとおり、アラスカン・マラミュートはとても体力のある犬種です。運動をしてエネルギーを発散させる必要があるので、毎日12時間の散歩に連れて行ってあげてください。その際、ただ歩くだけでなく、時には思いっきり走らせたり、自然の中で木の根や土の匂いを嗅がせたりするなど、散歩に変化をつけるとよい刺激となり、喜んでくれますよ。

 

温度管理

寒冷地方出身の犬種のため、日本の暑さにはとても弱いです。特に夏場は冷房やクールマットなどを活用し、暑さ対策をしっかりと行いましょう。

アラスカン・マラミュートのしつけを始める時期は?

大型犬で、力も強いアラスカン・マラミュートのしつけにはポイントがあります。しつけを始める時期や、おすすめのしつけ方法を詳しく見ていきましょう。

 

しつけを始める時期

生後3週間から12週間までは「社会化期」と呼ばれ、子犬がいろいろなものに慣れやすい時期です。家に迎え入れ、家の環境に慣れたら、なるべく早めにしつけを始めることが大切です。家庭での生活にだんだんと慣らしていきましょう。

 

おすすめのしつけ方法

アラスカン・マラミュートは、力が強いので、引っ張られると思わぬ事故につながることがあります。飼い主の横について歩くこと(ヒール)や興奮しすぎないこと、どんな場所でもコマンドでお座りや伏せをすることなどをしっかりと教えておくことが大切です。

アラスカン・マラミュートの食事の注意点は?

アラスカン・マラミュートの性格は?_ぐったりするアラスカン・マラミュート

食後すぐに激しい運動をすることは避けましょう。アラスカン・マラミュートのような胸郭の深い大型犬は、胃拡張・胃捻転を発症しやすいとされています。食後はゆっくりと休ませてあげてくださいね。

アラスカン・マラミュートがかかりやすい病気は?

飼い主にとって愛犬の健康状態はやはり気になりますよね。アラスカン・マラミュートがかかりやすい病気やその予防法について詳しく見ていきましょう。

 

胃拡張・胃捻転症候群

前ブロックで挙げた胃拡張・胃捻転症候群とは、胃が拡張し、ねじれてしまう(捻転する)ことで起こる病気です。発症すると、胃や胃の周りの臓器の血流が途絶え、ショック状態に陥ります。この病気は、急激に進行し死に至ることもある緊急性の高い疾患です。予防法としては、急速に胃が膨らむことを避けるために、食後に激しい運動させないことが大切でしょう。

 

股関節形成不全

股関節が正常に発達せず、形状に異常が生じることから、痛みや歩行異常などの症状が見られる疾患です。原因はまだ完全には解明されていません。しかし、幼少期の栄養状態や遺伝が原因となる可能性があります。そのため、幼少期に太らせすぎないことが予防になると言われています。

 

甲状腺機能低下症

全身の代謝が悪くなり、元気がなくなる、体温が低くなる、脱毛するなどの様々な症状が見られる疾患です。甲状腺から分泌されるホルモンの量が少なくなることが原因とされています。高齢の犬に多く見られ、残念ながら発症を予防することは難しいです。ただし、なるべく早く見つけて薬による治療を受けることで、関係する諸症状を抑えることができます。

 

白内障

眼球内部の「水晶体」と呼ばれるレンズの役割をする部分が、白く濁ってしまう疾患です。発症を予防することは現段階では難しいです。しかし、早めに見つけて治療することで進行を抑えたり、関連する諸症状を抑えたりすることができます。

アラスカン・マラミュートを散歩させる際に気をつけるべきことは?

アラスカン・マラミュートの性格は?_雪の中を走るアラスカン・マラミュート

運動欲求の高いアラスカン・マラミュートですから、日々の散歩は重要となります。アラスカン・マラミュートを散歩させる際に気をつけるべきことを、それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

散歩の時間と頻度

1時間以上の散歩を12回行うのが理想的です。運動をしっかりとさせて運動欲求を満たしてあげないと、ストレスの原因になるので注意しましょう。

 

気をつけた方が良いこと

暑さ対策

アラスカン・マラミュートは暑さに極端に弱いので、散歩中に熱中症にならないよう十分に気をつける必要があります。そのため、日中の暑い時間は避け、夏は早朝や夕方の散歩がおすすめです。また、夏場はクールウェアを着用させるなどの対策も必須です。

 

ドッグランなどで思い切り走らせる

アラスカン・マラミュートは他の中型犬や小型犬以上に運動量が必要になる犬種です。散歩だけでなく、定期的にドッグランなど広い場所に通い、思い切り走らせてあげましょう。エネルギーを発散させ、運動不足を解消することでストレスの軽減にもつながります。

 

子どもだけの散歩は避ける

アラスカン・マラミュートは力が強いので、引っ張られるととても危険です。子どもだけで散歩させたり、子どもにリードを持たせたりしないようにしてください。

アラスカン・マラミュートにおすすめの遊びは?

運動好きなアラスカン・マラミュートが喜ぶ遊びは以下の通りです。散歩の際などに、ぜひ試してみてくださいね。

 

ボール遊び

遠くまでボールを投げて取って来させる遊びは、人と一緒に何かをすることが大好きなアラスカン・マラミュートにはぴったりの遊びです。

 

引き運動

犬ぞりとして活躍している犬種なので、引き運動は得意です。おもちゃを使うなどして、遊びに取り入れるとよいでしょう。

 

雪遊び

寒い地方出身なので、アラスカン・マラミュートは雪を見るととても喜びます。雪の中で遊ばせると、走り回って楽しむでしょう。

アラスカン・マラミュートの日常のお手入れで気をつけることは?

アラスカン・マラミュートの性格は?_くつろぐアラスカン・マラミュート

アラスカン・マラミュートのフワフワな被毛を保つために、日々のお手入れは欠かせません。日常のお手入れの際、気をつけるべきポイントを知っておきましょう。

 

こまめなブラッシング

もともとアラスカで暮らしていたアラスカン・マラミュートは、寒さに適応するため、体は豊かな被毛で覆われており、その分抜け毛の量が多いです。特に換毛期には非常にたくさん抜けるので、11回以上ブラッシングをしてあげましょう。

 

定期的なシャンプー

健康な皮膚状態を保つため、月に12回のシャンプーが必要です。

 

トリミング

アラスカン・マラミュートは体格の大きさから、家でのお手入れが難しいことがあります。その場合は無理をせず、お手入れをトリミングサロンに任せることも選択肢のひとつに入れましょう。

専門家のコメント

アラスカン・マラミュートは、穏やかな性格で愛情深いため、家庭犬としても比較的飼いやすい犬種です。ただし、大型犬で力も強く、運動量も多いため、初心者には負担が大きい面もあることを覚えておきましょう。迎え入れる際は、飼育スペースに問題はないか、散歩に割ける時間が十分に確保できるかなど、飼育の条件をよく確認してくださいね。長い時間を共に過ごすためには、日々のお手入れや、かかりやすい病気、その予防法についても飼い主が正しい知識を持ってケアしてあげることが大切です。


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