犬が布団やベッドを掘る仕草をするのはなぜ?行動の裏にある心理を解説【獣医師監修】

chicoどうぶつ診療所所長。体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、往診・カウンセリング専門の動物病院を開設。

犬が布団やベッドを掘る仕草をするのはなぜ?行動の裏にある心理を解説【獣医師監修】

愛犬が一生懸命に布団やベッドを掘る姿は、なんとも言えない可愛さがありますが、この行動にはどんな心理が隠れているのか気になっている飼い主も多いのではないでしょうか? そこで今回は、犬が布団やベッドを掘る理由や注意点などをchicoどうぶつ診療所所長で獣医師の林美彩先生監修のもと解説していきます。

犬が布団やベッドを掘る理由は?

ソファの乗る犬

犬はなぜ布団やベッドを掘るのでしょうか。その理由を一つ一つ見ていきましょう。

 

野生時代の名残で寝床を作っている

野生で生活してきた犬は、外敵から身を守るために巣穴をほって、そこで生活をしていました。その名残で掘る行動をとると考えられています。

 

遊びの延長

掘るという行動自体が好きな犬の場合、布団やベッドを掘って遊んでいたり、楽しんでいたりします。

 

ストレス発散

布団やベッドにストレスをぶつけて、一心不乱に掘っているケースもあります。

 

カーミングシグナル

ストレス発散と似ていますが、気持ちを落ち着かせようとする行動の一つとして、掘ることがあります。

布団やベッドを掘る犬の特徴は?

布団やベッドを掘る犬

遊びが好きな犬や、やんちゃな性格の犬の場合は掘る行動が見られやすいです。また、ストレスを抱えているときも多いでしょう。シニア犬の場合、認知症の一つの症状として同じ行動を繰り返すため、掘る行動が頻繁に見られます。

犬が布団やベッドを掘るのをやめさせる方法は?

犬が布団やベッドを掘るのをやめさせたい場合、状況によって対処法が変わってきます。状況に応じて対処するようにしましょう。

 

【対処法①寝る前にベッドや布団を掘る場合】

ベッドや布団を掘る行為は寝る前に見られることが多いのではないでしょうか。これは、前述のように野生時代の名残によるもので、安心して寝たい、居心地の良い寝床を作りたいという心理が働いていると思います。

 

心地いい寝床作りのための行動なら寝床の環境を整えてあげる

愛犬が掘らなくても満足して寝られるような環境を作ってあげましょう。タオルや毛布を敷いて寝床の硬さや暖かさを調整したりすると、掘る行動が減る可能性が考えられます。

 

それでも掘る場合は、クレートで寝かせる

掘る行動をとったらクレートに移動させることを繰り返し、「寝たいときはクレートに入る」をトレーニングで覚えさせます。そうすることで、眠くなったらクレートに入るようになります。また、ぐっすり寝かせるために昼間にしっかり運動させるなどして、ストレス発散させましょう。

 

 

【対処法②嫌なことがあった後に掘る場合】

嫌なことがあったときに掘るのはストレスがたまっているからで、カーミングシグナルの一つです。なるべくストレスを緩和させるようにしましょう。

 

運動でエネルギーやストレスを発散させる

犬の散歩時間を増やしたり、思い切り走ったりする運動をしておくことでストレス発散にもつながりますし、体が疲れるため、しっかりと休息をとるようになります。

 

飼い主が愛犬と遊んであげる

飼い主との遊び時間を設けることで、飼い主にかまってもらっているという安堵感が出てきます。遊ぶことで体力も使いますのでストレス発散につながるため、掘る行動が少なくなるでしょう。

 

 

【対処法③遊びで掘る場合】

犬自身のテンションが上がっていたり、ワクワクしたりしているときに、遊びの一種としてベッドや布団を掘ることがあります。また、飼い主の気を引こうとして行動を見せる場合もあるでしょう。

 

愛犬の名前を呼んで注意をそらす

掘るという行動をいったん止めるために、犬の名前を呼ぶというのも一つの方法です。名前を呼んだ後に犬が近くに来る「呼び戻し」ができると、そのほかの場面でも役立つので、日頃からトレーニングを行っておきましょう。

 

その後、コマンドで気持ちをリセットする

名前を呼んだあとに「おすわり」や「まて」などのコマンドで愛犬を落ち着けてあげます。それができたら褒める、おもちゃを与えるなどして、気持ちをリセットさせてあげましょう。

 

 

【対処法④屋外で土を掘る場合】

布団やベッドを掘ることからは少し離れますが、屋外で土を掘る場合の対処法もついでに知っておいた方が良いでしょう。屋外で掘る場合は、野生時代の名残や涼しいところ、寒さをしのげる場所を求めていることがあります。ほかにもマーキングやストレス発散などさまざまな心理が考えられます。

 

野生時代の名残ならば無理にやめさせない

野生時代の名残で行っている行動であれば、無理にやめさせる必要はありません。ただ、あまりにも激しく、執拗に掘る場合にはストレスなどを抱えている可能性が高いです。激しく掘ることによって爪や関節などを傷めることもあるので、ストレス発散のための工夫をするなど、何かしらの対処をしましょう。

 

涼しい場所を求めているなら、日陰で休ませてあげる

暑くて涼しいところを求めている場合があるので、日陰・木陰などの涼しいところに連れて行きましょう。

 

寒さをしのごうとしているなら、暖かくしてあげる

冷たい風など寒さから身を守ろうとしている場合には、服を着せたり、家に帰って暖かい環境で過ごさせたりすると落ち着きます。

 

掘る行為をする犬におすすめのアイテムは?

ペットベッド

犬が掘る行為をする場合に、おすすめのアイテムを紹介します。クッションやベッドマットなどは生地が破れにくく、耐久性があるものを選ぶと良いでしょう。

 

ペットベッド

ペット用のベッドで、クッションやマットレスなど柔軟性のある柔らかな素材でできているものが多いです。快適に寝てもらうためには、愛犬に合うサイズ選びも重要なので、表記を確認して選びましょう。

 

家具を保護するためのマット

マット型、カバー型のものがあり、ペットがソファなどの家具を傷つけるのを保護してくれます。滑り止め防止がついていると掘ってもずれにくいので、穴掘り対策にもおすすめです。

 

寝袋

犬が中に入ったり上に乗ったりしてリラックスできる寝袋です。洗濯できるものだと汚れも匂いも洗い流せます。

犬が布団やベッドを掘る行動の注意点

寝る犬

 

最後に、犬が布団やベッドを掘る場合の注意点を確認していきましょう。

 

問題に感じる行動は対策が必要

犬が掘る行動の中でも、花壇を掘り返す、家具を壊すなど問題だと感じる場合には対策が必要です。指示を出し、できたら褒めるなどのトレーニングを行うなどして、掘るという行動を落ち着かせていきましょう。

 

分離不安の可能性もある

飼い主がかまってくれないという不安を抱えている場合もあります。よく観察し、スキンシップをとるようにしましょう。

 

飼い主が犬の掘る行動に困っていなければ無理にやめさせなくても大丈夫

犬の掘る行動に対して、飼い主が困っていなければ無理にやめさせる必要はありません。

 

掘る原因によって対策が違うので、愛犬をよく観察する

穴を掘る行動に対する対策はシチュエーションによって違うので、犬をよく観察しましょう。名残なのか、ストレスなのか、寒さ・暑さ対策なのかなど、何が原因となっているかを見極めることが大切です。

 

自分で対処が難しい場合は専門家に相談する

独自の方法で対処をしようとすると、誤ったトレーニングになることも少なくありません。難しい場合にはプロに相談して解決することが、犬にとっても飼い主にとってもよいでしょう。

専門家のコメント

犬が掘る行動をとる場合はその原因を探ることが大切です。原因にあった対処法をとり、飼い主も犬も快適な毎日を過ごせるといいですね。

監修/林美彩先生(獣医師)

監修/林美彩先生(獣医師)

chicoどうぶつ診療所所長
酪農学園大学卒業
獣医保健ソーシャルワーク協会、獣医ホリスティック医療研究会所属
大学卒業後、動物病院やサプリメント会社勤務を経て、体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、2018年に往診・カウンセリング専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設。テレビ番組への出演・協力のほか、「獣医師が考案した長生き犬ごはん」(世界文化社)などの著書がある。

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