犬があごを乗せてくる理由とは?裏に隠された気持ちと注意点について解説【獣医師監修】

犬があごを乗せてくる理由とは?裏に隠された気持ちと注意点について解説【獣医師監修】

自宅でくつろいでいるときに犬が脚や腕にあごをちょこんと乗せてくる…ということはありませんか? かわいいしぐさにほっこりとさせられるオーナーさんも多いはずです。そんな犬のあご乗せには、どのような気持ちが隠されているのでしょうか?

犬のあご乗せの理由 1 「信頼、安心感」のサイン

犬達があごを乗せる理由として、リラックスしているということが挙げられます。中でも、オーナーさんを信頼し「安心している」という気持ちからあご乗せをしてきます。犬の先祖は元々群れで暮らし、寝るときは寄り添って寝ていました。寄り添うことは、信頼しているという証で、この習性が現在も残っています。あご乗せによって体を密着させることで、犬はオーナーさんのぬくもりや匂いを感じることができるのです。

また、犬にとってあごは、骨伝導により外敵などの振動を察知する機能が備わっている大事な部分です。その大切な体の部分を委ねているということは、犬がオーナーさんを信頼しているからこその仕草なのです。

犬のあご乗せの理由 2 「甘えたい」のサイン

犬があご乗せをしてくる理由として、オーナーさんに「甘えたい」気持ちから行ってくることがあります。オーナーさんの顔を潤んだ目で、上目づかいで見つめてくる場合は、甘えたいという気持ちがより強い状態です。そういったときは、なでてあげるなど、スキンシップをしてあげると喜びます。

その際すぐになでるのではなく、まずは「おすわり」「ふせ」などの号令で対応し、号令に従ったらそのご褒美としてなでるようにしましょう。あごを乗せたらなでるという反応が作られると犬がオーナーさんになでる号令を出していると誤解されてしまい、犬のわがままがエスカレートしかねないので注意しましょう。

犬のあご乗せの理由 3 「かまってほしい」のサイン

甘えたいという気持ちと同じく、オーナーさんの気持ちを惹こうとするあご乗せです。オーナーさんの体に犬があごを乗せてくる場合は、「ヒマだからかまってほしい」というメッセージが込められています。これは小さい子どもがかまってほしくて、服の袖を引っ張る姿と同じようなものです。鼻で手をつつくといった行動も見られることがあります。

まずは「おすわり」などの号令をして、甘える気持ちを別のことに注目させましょう。号令に従ったらそのご褒美として遊んであげると良いでしょう。遊びとはいえ長時間する必要はありません。オーナーさんが何かに気を取られながらだらだらと遊んでくれているより、しっかり向き合ってくれて短時間の密度の濃い遊びができるほうが犬の満足度も高くなります。時間を決めるなどメリハリをつけて、コミュニケーションをとってあげて下さいね。

犬のあご乗せの理由 4 「ご飯がほしい」のサイン

あご乗せは、「ご飯がほしい」「何か食べたい」というメッセージを送っている場合もあります。ついつい食べ物を与えてあげたくなりますが、おねだりによる食べ過ぎは禁物です。一日の食事量がオーバーしている時は、「もうないよ」という態度を見せましょう。

オーナーさんが食事をしている時、あごを乗せてくることもありますが、人間の食事を犬が食べると病気になる可能性もあるため、おねだりされたとしても与えないようにしましょう。

犬のあご乗せの理由 5 「心地よい」のサイン

犬はオーナーさんの手や体以外に、ソファや机などにもあごを乗せます。このようにさまざまな場所にあごを乗せる仕草も、犬がリラックスしている状態を示すサインなのです。例えば、ソファやベッドなどやわらかい場所にあごを乗せている場合は、心地よさを求めています。やわらかい場所が落ち着くのは、人も犬も同じなのです。

また、犬によっては、極端にせまい場所や暗い場所であご乗せをしていることもあります。これも本能的なもので、その場所が犬にとって落ち着く場所を示しているといえます。犬からすると、自分の寝る場所や部屋にいるような気分なのかもしれません。

一見リラックスできそうにない場所であご乗せをし、オーナーさんからすると「どうしてそんなところで?」と疑問に思うかもしれませんが、私たちと同じように、犬も心が落ち着く場所はさまざまです。危険な場所であごを乗せている場合は、注意など対応する必要がありますが、そうでない場合は、あご乗せしている様子を見守ってあげましょう。

 

 

あご乗せしてくる犬のかまい過ぎには要注意

基本的に、犬があご乗せをするのは、オーナーさんのことが大好きだからです。しかし、いくら可愛くてもかまい過ぎには要注意です。かまいすぎてしまうと、犬は「もっとかまって!」という気持ちが膨らんでしまいます。そして、「こうすれば言うことを聞いてくれる」という気持ちが芽生えてしまうかもしれません。その気持ちが行きすぎてしまうと、わがままな行動をしがちな子になってしまいます。

こうした気持ちを読みとりながら、適度に「今日はここまでね」という態度を示すことも大切です。それによって、より深い信頼関係を築くことができるはずです。


第3稿:2021年1月27日更新
第2稿:2020年11月25日更新
初稿:2020年6月1日公開

※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

専門家のコメント:

あご乗せには犬のリラックスしたさまざまな気持ちが込められています。あご乗せの仕草に癒されるのは、そんな犬達の気持ちが伝わっているからかもしれません。そして、あご乗せはオーナーさんに対する信頼感があってこそのものです。 そんな犬の気持ちを汲み取りながら、しっかりとコミュニケーションをとっていきましょう。

監修/茂木千恵先生(獣医師)

ヤマザキ動物看護大学准教授。博士(獣医学)。専門は獣医動物行動学。大学で教育研究活動の傍ら、動物病院でもしつけや問題行動のカウンセリングを行う。テレビ朝日系列動物特別番組 、日本テレビ系列「志村どうぶつ園」などに動物行動学コメンテーターとして出演。雑誌「Shi-ba」「プードルスタイル」(辰巳出版)などの記事監修も多数担当している。

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わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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