スコティッシュ・テリア(スコッティ)の性格や特徴は?しつけのコツやかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

酪農学園大学獣医学群獣医学類准教授。酪農学園大学附属動物医療センター集中治療科診療科長。幼い頃より無類の動物好きで、今も変わらず動物全般が大好き!

スコティッシュ・テリア(スコッティ)の性格や特徴は?しつけのコツやかかりやすい病気について解説【獣医師監修】

口周りのボリュームあるひげと、立派な眉毛が特徴的なスコティッシュ・テリア。1940年代にはアメリカのルーズベルト大統領が飼育していたことで人気が出た犬種で、スコッティという愛称で呼ばれることもあります。今回は、酪農学園大学獣医学群獣医学類 准教授・佐野忠士先生に教えていただいた、そんなスコティッシュ・テリアの性格や体格の特徴、飼育上の注意などを解説していきます。

スコティッシュ・テリアの歴史やルーツは?

スコティッシュ・テリアは、スコットランド北東部にあるアバティーン市で飼われていたことから、もともとアバティーン・テリアと呼ばれていました。スコティッシュ・テリアと命名されたのは19世紀のことです。同地出身のケアーン・テリアと同族であったと考えられており、主にアナグマやカワウソ猟に使役する猟犬として活躍していたといいます。

 

有名人にも愛されるスコティッシュ・テリア

1940年代に世界的な流行を見せたスコティッシュ・テリア。フランクリン・ルーズベルト、ジョージ・W・ブッシュなど、アメリカの歴代大統領の愛犬としても知られており、多くの有名人に愛されてきた犬種でもあります。

スコティッシュ・テリアの平均的な体高・体重は?

スコッティー_体型

スコティッシュ・テリアの平均的な体高と体重を以下のとおりです。小型犬に分類される大きさですが、がっしりと引き締まった体つきをしています。

 

平均的な体高は、メス・オスともに2030cmです。

 

平均的な体重は、メス・オスともに812kgです。

 

スコティッシュ・テリアの平均寿命は?

スコティッシュ・テリアの平均寿命は1015歳と考えられます。寿命には個体差があり、飼育環境など様々な要因によって変わりますが、小型犬としては平均的な寿命と言えるでしょう。

スコティッシュ・テリアの毛色の種類や被毛のタイプは?

長く伸びたひげと眉毛が印象的なスコティッシュ・テリアですが、その被毛にはどのような特徴があるのでしょうか。毛色の種類とともに被毛の特徴を見ていきましょう。

 

毛色の種類

代表的な毛色は、ブラック、ウィートン(小麦色)、ブリンドル(ブラックとウィートンのミックス)の3色です。

 

被毛の特徴

被毛は短く柔らかい下毛と、ワイヤーコートと呼ばれる針金のような硬さをもつ上毛の二層構造(ダブルコート)です。胸下やお腹、おしりなどはスカートと呼ばれる長い被毛で覆われています。抜け毛はそれほど多くありませんが、硬いワイヤーコートは抜け毛がからみやすいため、定期的なブラッシングを必要とします。

スコティッシュ・テリアの外見や吠え声の特徴は?

スコティッシュ・テリアの外見や吠え声には、どのような特徴があるのでしょうか。それぞれの特徴を見ていきましょう。

 

外見

スコティッシュ・テリアの体つきは骨太でがっしりとしており、筋肉が引き締まっています。足は猟をするときに地中にもぐるのに適した短足。ほどよい長さのしっぽとピンと立ち上がった耳も特徴的です。

 

吠え声

小柄な体つきのわりに、太い吠え声をしています。

 

スコティッシュ・テリアの性格の特徴は?オスとメスで性格の違いはあるの?

スコッティーの性格

スコティッシュ・テリアは、どのような性格の犬種なのでしょうか。主な特徴を見ていきましょう。

 

負けん気が強く、頑固

スコティッシュ・テリアは、猟犬らしい勇敢さと独立心をあわせ持った性格をしています。負けず嫌いで頑固、プライドも高いので、しつけは粘り強く行う必要があるでしょう。

 

社会性が高く、友好的

社会性が高く協調性もある犬種なので、飼い主には従順で、ほかの人に対しても基本的に友好的です。

 

活発で運動が必要

活発な性格で動くのが大好きなので、運動量が不足するとストレスを溜め込んでしまうこともあります。

 

オスとメスの性格の違い

オスと比べるとメスの方が「頑固」の度合いが低く、飼い主にとってもしつけなどがしやすいと感じられることが多いようです。

スコティッシュ・テリアを飼うのに向いている人は?

スコティッシュ・テリアを飼うのに向き・不向きがあるのかは気になるところですよね。以下に挙げているような人であれば、飼育に向いていると言えるでしょう。

 

散歩や運動の時間を確保できる人

スコティッシュ・テリアは元気で活発な性格なので、ストレスを溜め込んでしまわないよう、十分な運動量を確保する必要があります。飼う場合は、毎日、散歩や運動の時間を作れる人が好ましいでしょう。

 

根気よくしつけができる人

テリアならではの頑固さを持っているので、しつけには根気が必要です。年齢を重ねるほどしつけが難しくなるので、子犬のうちからしっかりとしつけができる環境を整えられると安心です。

 

被毛のお手入れを苦に感じず、楽しんでできる人

スコティッシュ・テリアの被毛は絡まりやすいワイヤーコートなので、毎日のブラッシングや定期的なシャンプーを必要とします。愛犬とのコミュニケーションの一環として、被毛のケアを楽しんでできる人は飼育に向いているでしょう。

 

スコティッシュ・テリアは初心者が飼っても大丈夫?

スコティッシュ・テリアの性格の特徴である「頑固さ」は、信頼関係を築ければ、飼い主に忠誠心を示してくれるような良い関係になります。しかし、そのためには根気強いしつけが必要になることから、初心者向きの犬とは言いづらい面があります。大きな声を出したり、大きな動きをしたりすることが多い小さな子どもがいる家庭にもあまり向かないかもしれません。

スコティッシュ・テリアを飼う上で気をつけるべきことは?

スコティッシュ・テリアを飼う際は、いくつか気をつけるべきことがあります。それぞれの詳細を見ていきましょう。

 

毎日30分程度の十分な散歩を行う

活発な犬種なので、運動不足にならないよう毎日30分程度の散歩の中で、十分に体を動かせるようにメニューを組んであげる必要があります。自由に走れるような場所に寄り、思い切り体を動かせる時間を意識して作るのがおすすめです。

 

けんかっ早い面がある

興奮しやすい性質であるのに加え、活発な性格が裏目に出ると、けんかっ早い行動につながることがあります。興奮し過ぎないように、普段からトレーニングをしておくことが大切です。

 

暑さが苦手なので対策が必要

被毛が密に生えているので、毎日のブラッシングをしっかり行い、余計な毛を取り除きます。また、夏場には毛を短く刈るなど愛犬が快適に過せるように工夫してあげましょう。

 

好奇心旺盛なため誤飲やイタズラに注意

活発で好奇心旺盛なので、近くにあるものに興味を示し、噛んだりいたずらをしてしまったりすることもあります。口に入れると誤飲の危険性もあるので、立ち入ってほしくない場所には柵を設置し、飼い主の留守中はサークルやケージに入れておくなど対策を講じるようにしましょう。

 

小動物はスコティッシュ・テリアの目の届かない場所で飼う

もともと猟犬だったため、動く小さなものに対する好奇心や追跡心が本能的に働きます。小動物を見ると猟犬の血が騒ぎ、興奮して追いかけ回すこともあります。小動物を一緒に飼う場合は、部屋を分けるなどスコティッシュ・テリアとは別に飼育すると安心です。

 

柵やリードで脱走を防止する

先述のように、スコティッシュ・テリアには動くものを追いかけてしまう習性があります。屋外で遊ばせるときは、柵で囲まれたエリアに限定し、リードも活用して脱走しないように注意しましょう。

スコティッシュ・テリアの日常のお手入れで気をつけることは?

 

スコティッシュ・テリアを飼う上で重要なのが日常のお手入れです。お手入れの際は以下の気をつけるべきポイントを押さえておきましょう。

 

ブラッシングは毎日が基本

ブラッシングは毎日行うのが基本です。コームを使い、被毛が絡まないようにもつれを整えてあげる「コーミング」も定期的に行ってあげましょう。

 

定期的なシャンプー

健康な被毛を保つためには、定期的に全身をシャンプーで洗うことも必要です。頻度は、23週間に1回程度が目安。シャンプーをしすぎると、かえって被毛や皮膚を痛めてしまう恐れもあるので、少し間隔を開けて行うのがよいでしょう。毎日の散歩後には、足の洗浄と乾燥、顔周りや体の被毛を蒸しタオルで拭くことが重要です。

 

定期的なトリミング

トリミングも1か月に1回程度を目安に連れて行ってあげましょう。口周りの被毛が汚れやすいので、カットすることでお手入れしやすくなります。

 

スコティッシュ・テリアのしつけを始める時期は?

スコッティーのしつけ

スコティッシュ・テリアのしつけをする際にはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。しつけを始める時期や、おすすめのしつけ方法を見ていきましょう。

 

しつけを始める時期

スコティッシュ・テリアのしつけは、幼少期から始めましょう。プライドが高く、頑固な性格の犬が多いため、できるだけ早い時期からしつけを始めて、飼い主との関係性をはっきりとさせることが重要です。

 

おすすめのしつけ方法

しつけを行う際は、飼い主がリーダーシップを持って臨むことが大切です。家族の中で飼い主がリーダーであることを毅然とした態度で示しましょう。スコティッシュ・テリアの頑固さに根負けして、おやつを与えてなんとかその場を誤魔化すようなしつけ方法は絶対にしてはいけません。「待て」「ダメ」など、単純でわかりやすい指示語を決めて、一貫性のあるトレーニングを根気よく続けましょう。

 

スコティッシュ・テリアの食事の注意点は?

食事の時間を決めて「待て」などの指示を守れたら与える、といったことを習慣化させることが大切です。頑固な性格上、なかなかいうことを聞いてくれないからといって、求められるままに安易におやつを与えたりするのは、よくありません。

 

フードは、栄養のバランスのとれた総合栄養食を与えるのが基本です。年齢や犬の体質に合ったフードを選ぶよう心がけましょう。

スコティッシュ・テリアがかかりやすい病気やアレルギーは?

愛犬に健康に長生きしてもらうためにも、スコティッシュ・テリアがかかりやすい病気やアレルギーについて知っておきましょう。しかし、どの病気も明確な予防法はありませんので、日々の健康チェックや定期的な健康診断による早期発見が重要です。

 

重症筋無力症

顔や後ろ足などの部分的な筋肉、または全身の筋力が低下することで、運動や歩行能力の低下やうまく食べ物を飲み込めない嚥下障害やよだれ、食べたものをすぐに吐き出してしまうなど、症状が出る病気です。先天性と後天性があり、明確な予防法がある病気ありません。犬の様子に変化があれば、獣医師に診てもらいましょう。

 

悪性黒色腫(メラノーマ)

メラニンを作る細胞が癌化した、悪性の腫瘍のことです。皮膚と粘膜の境界にあたる部分に発生しやすく、唇や歯肉など口の粘膜に発生する事例が多いといわれています。外科手術での治療が基本です。

 

肝細胞腫瘍(進行性空胞性肝障害)

犬の肝細胞腫瘍は、肝臓にできる癌のことです。腫瘍が大きくなると、消化管が圧迫されて食欲不振や嘔吐の症状などが見られることがあります。犬のお腹が張っている場合は、飼い主が異変に気づくこともあるようです。一般的に外科療法を行います。

 

尿石症(シスチン尿症)

シスチン尿症は尿路に結石ができる病気で、先天的な要因(遺伝性)による発症例が多く見られます。定期的な尿検査により結石の形成がないこと、進行していないことを確認することが大切です。尿のアルカリ化、メチオニンが少ないタンパク質制限食などが予防に有効があります。

 

膀胱における移行上皮癌

移行上皮癌は膀胱にできる悪性腫瘍としては比較的多い疾患で、血尿や残尿感などの症状が現れます。スコティッシュ・テリアに飛び抜けて多い疾患ではありませんが、おしっこの様子が変だな…と思った時にはすぐに動物病院で診察を受けましょう。

 

肥満細胞腫

肥満細胞と呼ばれる細胞にできるガンで、皮膚にできる腫瘍の中では発症率が最も多いとされています。小さなポチッとした結節状のものから、周りが広く赤くなるものまで症状は様々です。比較的広範囲の切除が必要となり、全身にも広く転移するため切除後には抗癌剤の使用なども検討したほうがよいでしょう。

 

悪性リンパ腫

リンパ節や肝臓など様々な部位に発生する悪性腫瘍ですが、犬の場合、身体中のリンパ節が腫れる形で発見されることが多い病気です。スコティッシュ・テリアでは遺伝的な素因の関連が報告されています。抗癌剤が比較的よく効くので、発症が確認された際には抗癌剤治療が行われます。

 

フォン・ウィルブランド病(偽血友病)

「血が止まらない病気」として知られている人間の血友病に似た病気です。日常生活で軽くぶつけただけであざが強く残ってしまったり、手術や採血などで血が止まらなかったりすることで発見されることがあります。

 

 

スコティッシュ・テリアを散歩させる際に気をつけるべきことは?

スコッティーの散歩

運動好きのスコティッシュ・テリアにとって、散歩の時間は心身の健康にとってとても大切な意味を持ちます。散歩をさせる際は以下の気をつけるべきポイントを見ていきましょう。

 

散歩の時間、頻度

活発な犬種なので、毎日最低でも30分程度の十分な散歩をさせてあげましょう。運動欲求を満たせないとストレスにつながってしまうので、歩くだけでなく自由に走り回れるような時間を作ってあげられると理想的です。

 

暑さに弱いので夏は時間帯に注意

暑い時期の散歩は日が出る前の早朝、もしくは日が沈んでからの夜の時間帯がおすすめです。なお、夜間は被毛の色によっては車から認識されにくいことも多いので、目立つマーカーなどをリードや服につけておくとよいでしょう。

 

見知らぬ犬や子どもに注意

小動物の動きは、スコティッシュ・テリアの狩りの本能を掻き立ててしまいます。散歩中、ほかの犬との遭遇には注意しましょう。小さな子どもの「キャーキャー」といった高い声も興奮の引き金になってしまいます。興奮をコントロールできるよう日頃からしつけをしっかりと行っておくことも大切です。

スコティッシュ・テリアにおすすめの遊びやトレーニングは?

最後に、スコティッシュ・テリアにおすすめの遊びやトレーニングをご紹介します。

 

ボール遊び、フリスビー、おやつ探し

元猟犬のスコティッシュ・テリアにとって、ボール遊びやフリスビー、知育玩具などを用いたおやつ探しは、獲物を追ったり探したりする本能を刺激し、探究心を満たすのに非常に向いている遊びです。積極的に行ってあげるとよいでしょう。

 

ドッグラン、ドッグスポーツ

スコティッシュ・テリアに必要な運動強度・運動時間を十分に満たすためには、自由に走り回れるドッグランやドッグスポーツを取り入れたトレーニングもおすすめ。さらに、これらの強度の運動を散歩の中にも組み込めると非常に好ましいと言えます。毎日は難しいとしたら、月に12回程度、ヘトヘトになるまで遊んであげられる時間を作れるとよいですね。

 

専門家のコメント

小柄な体格ながら、非常にパワフルで活動的な性格のスコティッシュ・テリア。テリア気質の頑固さや元猟犬ならではの狩猟本能など、初心者には少し扱いづらい面もありますが、しつけを気長に行って良好な関係が築ければ、飼い主には忠誠心を持って接するので、とてもよいパートナーになってくれるはずです。長く健康に過ごしてもらうためにも、十分な運動量や被毛のケアなどに気を配り、健康管理をしっかりと行ってあげましょう。

監修/佐野忠士(獣医師)

監修/佐野忠士(獣医師)

酪農学園大学獣医学群獣医学類 准教授。

酪農学園大学附属動物医療センター集中治療科診療科長。

 

日本獣医畜産大学(現:日本獣医生命科学大学)卒業。

東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻博士課程修了。

北里大学獣医学部や日本大学生物資源科学部 獣医学科などへ勤務を経験。

 

獣医師や博士(獣医学)のほか、テネシー大学公式認定『犬の理学リハビリテーションセミナー』CCRP、世界基準の心肺蘇生ガイドラインインストラクター(RECOVER)の資格保有。

幼い頃より無類の動物好きで、今も変わらず動物全般が大好き!  高度医療に興味を持ち、専門を突き進めていく中で、縁の下の力持ちとしての仕事に生きがいを持って励んでいます。今後、国家資格化される動物看護師の教育・育成をライフワークとして継続していきます!

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